ひらかれてしまったからだに はじまりは舞い込んで、やがてにじんでいく 窓枠を引いて外と内を分けて でていかないよと言ってみても
手に入れることは失くすことだから いつでもきちんと立てるように 大切なものは持たないことにした 失くしていいものだけ集めたつもりが それすら手放せず重たくなった
でも違った 手に入れるんじゃなくて、お借りする 失くすんじゃなくて、お返しする そうしてめぐりながら変容していく だからもう会えない人のために その人のいない世界へと 歩いていくことだってできる あなたにいつかお返しする あなたをいつかお返しする
覚えてもいない思い出が 高く抜けた空から 肩に背中に降ってくる いつかだれかがわたしの肩を抱きしめた その跡をたどるように やわらかな名残りが降り積もる
振り返ることすらできない、 遠い、遠いところ
いつか終わるすべてのはじまりも ひとつひとつ撫ぜていく そしていつかあなたのいない世界で きちんとお返しする
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