読書記録 |
『少女七竈と七人の可愛そうな大人』桜庭一樹 寓話的な表現方法で話が展開します。ノイタミナ枠でアニメになったら面白そう。 でもやったとしても大人のアニメですね。 『少女』湊かなえ 湊さんの得意とする「ぞっとする子ども」達の表現を沢山織り込みつつ、結構ピュアな友情も描かれていて「告白」や「贖罪」よりはすらりと読めました。後味は・・・相変わらず良くないけども。 『猫と魚、あたしと恋』柴田よしき 恋愛ものの短編集。 どれもあまりハッピーエンドではないので、この中にあなたはいましたか?と問いかけられても微妙だったり。 『天国旅行』三浦しをん 心中をテーマにした短編集。長さが決まっているのか少々物足りなかったですがすらすら読めました。「遺言」が一番良かったかな。 印象に残ったのは「炎」です。 『森に眠る魚』角田光代 おっかない話でした。本当におっかない・・・本来、子どもができたらもう一度読むべき本かなあと思います。 5人の女性、全員に好感を持てないのがもうすごい(笑)共感すら出来ないのは、私が母親ではないからでしょう。 このお話は音羽幼女殺人事件をモチーフにしているそうで、最初は誰が加害者で誰が被害者になるのかと思いながら読んでましたが、読み進むうちにどの登場人物が加害者でもおかしくないと思うようになりました。 それを日常に置き換えると何とも恐ろしい訳ですが・・・でも女性、とりわけ母親って状況如何でどうしてもこういった精神的葛藤に囚われて苛まれていくんだろうなと思うだけに読んでてしんどいです。 でも読み応えはあります。角田さんは女性心理を描かせると本当に怖いなあと思う作家の一人です。 『武士道セブンティーン』『武士道エイティーン』誉田哲也 とても面白かったし、すごく好きな作品になりました。 早苗も香織も大好きなキャラクターになりました。 〜エイティーンの中盤、早苗がああいう形でリタイアするのは何か「えっ」って感じでしたが、ラストの香織の台詞でもう全てオッケーな気がしました。素敵な作品です。 〜エイティーンのみ、香織と早苗以外のキャラにもスポットが当たっていて、最初は、もっと早苗と香織二人の話が読みたいが故に蛇足な気もしたのですが最終的には良かったと思います。 特に桐谷と吉岡の話は良かった。 今気がつきましたが、脇役が主役になった小話のすべては、そのキャラが18歳の時の話なんですね。18歳という決断の時をそれぞれのキャラの視点からも描いているのだなあ。色々納得。 タイトルの「武士道エイティーン」は伊達じゃないということで。
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2011年03月08日(火)
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