最後の教習の日。
ドキドキしながら配車券を貰う。 ・・・彼の名前だ。
「絶対に俺に当ててくれって配車係に頼んでん!」
本当っすか!? めっちゃ嬉しいんですけど。
教習の途中で路肩に車を停める。 卒業検定の大まかな流れを教えてもらった。 テキストを持つ私の手に彼の手がかぶさってきた。 ・・・わざと? ものすごくドキドキしたけど、普通に話す彼の前で、私は平静を装った。
1コマ目の教習は、それで終わった。
その後、2コマ目の教習。
今回もまた途中で車を停め、検定のコースを教えてもらう。 ・・・そして。
「絶対大丈夫だから。がんばってな!」
そう言って、私の手を握った。 暖かい手で、もう私は何を考えているのか分からないほどだった。 その後、何度か人目を盗んで(笑)お互いの手を握っていた。
「俺さぁ、○○さん(私)みたいな彼女探すわ〜」
「私みたいなんだと絶対苦労しますよ・・・めっちゃ束縛するし(笑)」
「ええよ〜愛されてるって感じやん♪」
私はそこでずっと飲み込んでいた言葉を口にした。
「・・・私が結婚してなかったら彼女にして欲しいって言うんだけどなぁ」
私を見つめているのが分かる。 まともに顔を見ることができなかった。
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