人の理性なんて、所詮その程度だ。
次は抑えられないだろうと思った私の予想は簡単に当たった。
そういう関係にはならないようにって 必死で深呼吸して堪えていた彼だったけれども
「もう我慢できへん」
どうしても嫌だったら抱き締めるだけでいいからって そんなことが守られるはずも無く
ほんと、簡単だ。 なんなんだろう。
後悔はしてない。少なくとも、今は。 ただ、この先どうするんだろう。
「○○さんが今日担当って見て俺ウキウキで来てんか〜」
そんなことを言ってくれた。 やっぱりちょっと嬉しい。
互いに軽口をたたきながらの教習。 彼は最近は彼女がいないという。 これだけ丁寧な教習をして、優しく接することのできる人が勿体無いなぁ。 そんな風に思った。
ちなみに彼は教習生からは結構人気があるほうだと思う。 所謂投書箱のようなものでも名指しで褒めてあるものが結構あった。
「普通に人気あるみたいだし、私はいけると思いますよ?」
そんな感想を述べた。
気のせいだろうか。 彼はこちらをじっと見つめたまま少し顔が赤くなっているように見えた。
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