私たち2人をつなぐものは、手だけ。
私より色白なその手はなんだか暖かかった。 うっすら記憶に残る手。
・・・だったんだけど。
最初はたわいも無い話をするだけだった。 でも、どちらからともなく手を握った。 ひたすら手をつないでいた。
ドキドキしすぎて、暑くてしょうがなかった。
ダメだ。
ダメだって。
何故か謝りながら私のことを引き寄せる。 謝る必要は別にない。 会う約束をした時点でもう間違ってるんだから。
「日常に戻らないと」
向こうの言葉でふと我に返る。 そうだ。もう元に戻らないと。
今度は、もう無い。 次に会ってしまったら、たぶん本当に互いに抑えられない。
|