First Day New Index Mail



揺りかご

みりあ

My追加

2002年04月01日(月)
夜桜。


日曜日から月曜日への日付が変わる直前辺りに真はやってきた。

すぐさまに真の車に乗って
目的地に向かう。

私の家から車で10分くらいのところ。
何て言うことのない普通の住宅街の道なんだけど、今の時期だけ有名らしい(笑)。
数十メートルにわたって道の両側に立つ桜の木がトンネルを作っていた。
深夜の街灯の薄明るい光に幻想的に浮き上がる桜の花。

一緒に歩こうとしたら、真が手を握ってきた。
手をつないで歩くことが慣れてなかったらしいけど
なんだか嬉しそうな真。
そんなに愛に飢えてたんですか?爆

桜をずっと見上げながらゆっくりと私は胸のうちを話した。
私は真と「恋愛」がしたいこと。
でも「結婚」は翔としたいこと。
ものすごくワガママな意見。
突き通すのは無理な話。
どちらかを選ぶにしても、それは真ではなくて翔であること。

真の反応は
やはり、「結論を急ぐな」だった。

桜を見ながらいろいろ話したけど。
私と真はやはり感性が似ていた。
真は話がわかってくれて嬉しいとただそう言っていた。

1時間ほど桜を見ていただろうか。
寒くなってきたので、車に戻った。
その後車で何処に行くか何も考えていなかったのだけれど。
かなり遠くまでドライブをした。
特に目的地なんてものは無くて
ある程度行ったら戻ってきたんだけれど。
その間ずっと絶えることもなく会話は続いていた。

私と真の間に全く共通点なんて無い。
趣味も全く違う。
ある意味正反対の人生を今まで歩いてきている。
なのに、不思議なくらい話が合う。

2時間ほどで私の家まで戻ってきた。
そして二人してしばし爆睡。
朝になって、私はまた真に抱かれた。

もう他の女抱きたいと思われへんなぁ
あのさ、3日・・・俺休みやねんけど、会ってもらえへんかな?
今まで日中にデートしたこと無かったやん。


真は私をじっと見つめながら言った。

でも、本当にこの状況は辛い。
私はまっすぐな真の目を見ることができなくなっていた。
俯いたまま

もう会うのやめようよ
こんな状態のままで私はもう会いたくないよ


嫌や
迷惑かけるのわかってるけど、諦めるのは嫌や


私だってもう会えなくなるのは嫌だよ?
でもこのままだったらもうどうしようもないやん・・・


そっか・・・あのさ・・・

ここで真の肩が震え出した。
涙声になっていた。
私は驚いて真を見ようとしたらきつく抱きしめられて顔を隠された。

ずっと好きでいてもいい?
・・・俺のことずっと忘れんといてな?


うん・・・

でもやっぱり嫌や・・・まだ会いたいよ・・・

私も会いたいよ?私も・・・好きだからさ・・・

私も涙がこらえられなかった。
私は初めて真の前で涙を流した。
真が私に見せた涙で(実際は見れなかったんだけど)私の決心は一気に揺れた。
私はここで初めて「好き」という言葉を真に対して言った。
今まで言えなかった。
その言葉は重過ぎて、私には責任が取れなかったから。
けど、私は言ってしまった。

3日・・・会って欲しい。
会ってください。


私は返事ができなかった。

もはや私は誰のことが好きなのかわからなくなっていた。


投票ボタンです。応援してやってください。

My追加
BBS設置しました。よかったらカキコしていってくださいね。