なぜ、生きてるの？

鉄塔の上、あと一歩踏み出せばそこから先は真っ青な空、
そこから見下ろすように立っている私と
彼女は真反対の、フェンスの先の非常階段の前に立っている。

奪うためだよ。

あと一歩、私があと一歩踏み出せば　私は　おわる。
けれど、答えた彼女は何よりもぎらぎらと輝いていたから、
ついぞ私は死にそびれてしまったのだ。

















そして、そんな彼女が死んだのは、それから８年後のことだった。
死のうとした私を止めた彼女が　今度は自分の命を断った。
なんで彼女が死んだのか　誰も分からなかったけれど、
きっと、彼女は奪うことやめてしまったから
彼女が彼女でなくなってしまったのだ。

ナナナ

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