lucky seventh
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2008年10月05日(日) ようこそ!地獄の三丁目!!

腕をからませて、にっこり笑った女に 俺はオチタと思った。















ようこそ!
 地獄の三丁目!!







愛していた。
いや、今もなお愛している。
アイツ以外に愛をささやいても何も思わなかった。
アイツ以外はどれもみんな同じだった。
そう。
それはこの腕を絡ませ妖艶に笑うアイツの友人だってそうだ。
この女はアイツの友人を豪語しながら、少し優しくしてやれば、微笑めば、こんなにも簡単に俺に落ちた。
アイツを裏切ったのだ。

「ねーぇ、早く行こうよぉ〜」

急かす女に愛想を笑いを浮かべ、俺はなるべく自然に会話を切りだした。

「おいおい。そんない急かすなよ?」
一晩中可愛がってやるからさ。

そう耳元で囁くと女はバカァ…と頬を染めて恥ずかしそうに笑う。
なんて簡単な女なんだ心の中で罵りながら、俺はアイツの友人を 女を見下ろした。

「それよりいいのか?」

「何がぁ?」

「アイツ?会う約束してんだろ?」

「いいの!いいの!!あんなやつ。
 それともそんなこと聞くってことはちぃクンは私と一緒に居たくないのぉ?」

あすかぁ悲しー。
下っ足らずな甘え声で、ちぃクンとアイツだけが呼ぶ特別な呼称で女は俺の特別な女にでもなったかのようにそう呼び、悲しそうな演技までしてみせた。
うぜぇー。
声に出さず、俺は口の中でつぶやいた。
けれど、俺はこれからこのウザい女から聞きださなければならないことがある。
それは、俺が会いたいのにも会えないのにただアイツの友人と言うだけでアイツに頼られ、思われているこの女の友人であり、現在ほったらかしにしてる女が会う約束している相手 優雨の居場所だ。
俺の最愛の恋人。
俺が傷つけてしまったがために出て行ってしまった恋人。
優雨 俺はお前だけを愛してるんだ。

だから、俺は何としてでもアイツの居場所をこの女から聞き出さなければならないのだ。
どんなことをしてでも。








この時、俺は自分がとてつもなく恐ろしいことをしているなんて気づかなった。
この女が真実、アイツの友人であり親友で最愛の友だということを幾度となくアイツから聞いたはずなのに、俺はそれを理解していなかった。
だから、それはこの女にとって想定内で、掌の上だということを俺は否応がなく理解させられることになる。

「ようこそ!地獄の三丁目へ!!」
そうやって楽しそうに 俺を誘う蝶に俺はいつのまにか地獄へ落とされていた。
あわよくば美しく君臨する女郎蜘蛛にからめとられるのは…



「あ、あすか!!何してるの!!!」

「いや〜ちょっくらコヤツに地獄へ落ちてもらおうかなー?っと思いまして!!」


ナナナ

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