lucky seventh
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2008年06月27日(金) |
雪女 御幸:たまわるゆき。 |
雪芽
雪芽
それはまるで、ふりつもる 愛。
「愛してる」
男は笑った。
「愛してるんだ。」
こんなにも、君を思っているのに なのに、君はそれよりも想いを選んで 死んだ。
「ゆーきー」
男がだらしなく縁側で寝ころびながら名を呼んだ。 蝉の声が煩わしい。 風鈴の音もこの暑さでは風流を通り越して逆に鬱陶しい。 女は寝転がる男の横で、浴衣に内輪という格好で行儀よくで座っている。
「何ですか、千佳?」
「よーんーだーだーけーー」
「何ですか、それ?」
クスリと笑う女に、千佳はへにょりと笑った。
「だってー、暇なんだよー」
クロサギも居ないしー?
「クロサギに使いを頼んだのは千佳じゃない」
呆れたように言う女に千佳は「だって、だって」 と、子供のように不服そうに言う。「だってじゃないよ。」 女にでこを突かれた千佳は不服そうに自分の顔の上にある女の顔を見上げた。
「あー、うーそ!そう言えば氷美さんは!!」
話題を変えて切り抜けようとする千佳に女は内心「(仕方がないなー)」と、思いつつも話題に乗ってやった。
「義兄さんとこよ」
「(お熱いことで…。)」
千佳の内心を読み取ったのか、女はにこりと微笑んだ。
ナナナ
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