夜、仕事が終わり、駅から出て空を見上げてみると月はもう三日月のように細くなっていた。皆既月食だ。普段の三日月と違うのは、影になっている部分もどんよりとした赤い色でぼうっと浮かんでいることだ。
我に返ると口をぽかーんと開けたまま見上げていたので、うわ、他の人に見られたらみっともないと思い、チラッと右を見たら口をぽかーんと開けたまま見上げているお姉さんがいた。目が合ってしまい足早に立ち去る。おのれ「月が綺麗ですね」ぐらいの言葉が即座に出てくれば…。通報されるかもしんないけど。
家に帰ると嫁がしこしこと家事をしていた。
「月がもう全部隠れそうだよ…」
と伝えると慌てて窓をガラガラと開け始めたが、
「ちっ、ヒサシが邪魔で見えないわ。外に出なくちゃ見えないわ。寒いからいいや」
ブツブツと言いながらまた家の中に引っ込んだ。宇宙のロマンが分からないヤツめ。嫁が引っ込んだのと入れ替わりに、カメラを持って外に出てみるともうほぼ全部隠れている状態。

撮ってみたけどやはり固定していないとダメだなあ…。

しばらくするとまた月光が戻って来た。さすがに全身が冷え切ったのもあり、家の中に戻った。いつもと違う赤い月を見つめていたことによるものなのか、ルナティックな精神状態に…。すなわちムラムラしてきたのであるが、月食が起きるということは今宵は満月である。満月から与えられたパワーを嫁のまん・けつに注ぎ込むか、と、とりあえずけつを撫で回したら
「やめてください!」
「そういうことすんな!」
「気持ち悪い!」
そりゃもうひどい言われようで。ひょっとしてアレか。女性の月例的なアレなのか。月の満ち欠けと女性の月経は目に見えない繋がりがあるという…。そんなことはどうでもよく、とりあず間が悪かった。僕は出した手を引っ込めるしかなかった。いつもタイミングが悪いなあ…。
月食だけにツキがないっ、てやかましいわ。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。