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■抱いてくれたらいいのに
2006年02月08日(水)
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「もう何ヶ月もまともに眠れてない…」

嫁が愚痴をこぼした。確かに娘・R(2才)と息子・タク(4ヶ月)がいる現在、みんなが寝た後の嫁の体はいくつあっても足りない。タクは夜中だろうが明け方だろうが定期的に夜泣きをして乳を欲しがるので、その都度起きて授乳しなければならない。加えてRも最近

「ままだっこー!」

夜泣きをして寝ている嫁に覆い被さって来るので、これでまた嫁は起こされてしまう。何故か僕ではダメなのである。嫁も大変だろうと思い

「ほらパパがだっこしてあげるよー」

と言っても

「ぱぱ、いーの!め!」

頑なに拒否するのである。その理由を色々考えた末、実は僕は加齢臭を発しており、すごい臭いんじゃないだろうか、ならば寝る時は全裸にシャネルの5番だけ身にまとうことにしよう、いやでも寒いしなあ…などと真剣に悩んだことがあった。しかし最近のRは夜が明けて眠りから覚めると

「パパ、だっこ」

と甘えてくるので、臭い訳ではないらしいということが分かった。ただ何故夜だけ嫌われるのかが分からないままなのである。この日もRの深夜の甘え夜泣きがあり、とうとう嫁はブチ切れて

「寝かせてよー!」

と金切り声を上げていた。一方僕は僕で嫁の肉体を狙っていたのだが、さすがの僕も嫁の

「寝かせてよー!」

の悲鳴の後に

「やらせてよー!」

とは言えなかった。タクの夜泣き、Rの夜甘え、そして僕の夜這い。夜の黒い三連星ジェットストリームアタックなぞをかました日には、嫁はガンダムでもない限りくたばってしまうであろう。

翌朝、疲れきった嫁が言った。

「せめてRがあなたでも大丈夫なら、いくらか楽になるのに」

「そうだなあ」

「夜泣きしたRがあなたに抱き付いてくれない限り、私達の夫婦の営みは、ないのだ!」

ないのだー、ないのだー、ないのだー…嫁が断言した言葉が僕の頭の中をこだました。その通りである。嫁の寝不足を解消し、円滑に夫婦の契りが行えるようにするにはそれしかない。

将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。
嫁に射精せんと欲情すれば先ず娘に射精…じゃなかった、危ないなもう。

嫁を抱かんと欲すれば先ず娘に抱け、である。

これも字面だけ見ると相当危ないが…。2才の幼女を懐かせることが出来ない男がどうして女体を貪れよう。今に見ておれ。嫁も娘もみんな抱いちゃるわい。親子ドンブリの抱き合わせ商法じゃわっはっは…と、

自らのテンションを高めてRを攻略することに決めた。取り敢えず寝ているRの耳元で

「パパだっこパパだっこパパだっこパパだっこ…」

とエンドレスで囁き、睡眠学習効果が現れるのを期待している。しかしその呪文のような言葉のループがかつてのオウム真理教教祖・麻原彰晃の

「修行するぞ修行するぞ修行するぞ…」

という洗脳テープを思い出し、どうにも気分が萎えてしまうのが悩みである。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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