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■節分と接吻と鬱憤とウッフーン
2006年02月04日(土)
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仕事から帰って来ると、娘・R(2才)が

「ぱぱー!そとー!うちー!」

と騒いでいるので、はてなんだろうと思ったら嫁が笑っていた。

「今日は豆撒きしたのよ。鬼は外、福は内、って言っても『うちー』『そとー』としか言えなくてねえ」

そう言えば今日は節分であった。僕は嫁に毎晩のように「やらせて下さい」「まぐわらせて下さい」「愛の契りを結ぼう」と申し出ては悉く跳ね返されている身。

子種まきが出来ない腹いせに、せめて僕も豆まきでもするかと思い立った。近年コンビニでは「恵方巻き」という関西の風習をやたらと宣伝して売り出しているが、そんなものより旦那の「太巻き」を妻が咥える風習として広げて欲しいと思う。名づけて「恵露巻き」。エロ巻きと読む。

それはさておき、僕も豆をば用意して、ベランダの窓を開け

「R、パパとも豆まきしようか」

「するー」

「鬼は外ー」

「そとー」

「福は内ー」

「うちー」

「…R、持ってるだけじゃなくて豆を投げなきゃ」

「もぐもぐ」

「食うな!」

まだまだやり方を理解していないRであったが、一応節分の儀式は滞りなく執り行われた。

「さてR、節分の後は接吻です。さあ、パパにちゅーしてくれ」

「いやー!」

「いざ、ちゅー」

「ぱぱ、めー!」

Rは僕にベッタリなくせに、変なところでガードが固かったりする。心は許してくれても体は許してくれない。当たり前か。しかしチューぐらいはいいだろうに…。仕方がないので嫁にするかと思った矢先、

「あ、私もいいから。いらないから」

まるで僕の心を読んでいたかの如く、ピシャリと拒絶されてしまった。さすが付き合いが長いだけある。…おそろしい嫁!

「そんなあ…ちゅーぐらいいいじゃないかよう」

「やだ。だめ。いらない」

「年の数だけのちゅーでいいから。18回」

「サバ読むな」

我が家の鬼はここにいた。うちに限っては「鬼は内」のようである。

豆投げたろか。
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