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■キス・オブ・ファイアー。
2005年05月20日(金)
朝からキスの争奪戦。

娘・R(1才半)は、眠りから覚めると

「ちゅ」

嫁におはようのキスをする。何故このような
欧米人の風習を身につけたのであろうか。

Rよ。お前は100%大和民族の血が通っている。
ヤマトナデシコにあるまじき行為である。父を見習え。
夜もシコシコである。

お前の黒く太い眉はこの父の血がもたらしたものだ。
よって父にもキスするがよい。というわけで嫁にも
見せたことがない最高の笑顔でおねだりした。

「Rちゃん、パパにもちゅー」

「ちゅ」

しかしRは僕ではなく嫁にキスをした。

「いや、ママじゃなくパパにちゅー」

イヤイヤする僕にRは嫁から唇を離し、ニヤリと意地悪な
笑いを浮かべた。ひょっとしてRはわざと僕をじらして
楽しんでいるのではないだろうか。もう言える筈なのに
未だに「パパ」と呼んでくれないのもそのせいかもしれない。

「Rちゃん、ママって言ってみて」

「まーまー」

「よくできました。じゃあパパって言って」

「まーまー」

Rは再びニタリと悪女のような微笑を浮かべた。

「やっぱり分かってやってるんだこの子!僕をじらしてるんだ!
 …おそろしい子!」

「あはは、そうだねえ」

ノホホンと答える嫁が僕を嫉妬させる。僕は意地になった。
そろそろ会社に行く準備を整えなければならないのだが、
いま何分だろうか?と腕時計をちらりと見る。そして迫った。

「Rちゃん、ちゅー!」
「Rちゃん、ちゅー!」
「Rちゃん、ちゅー!」

嫁にも、人生最大に惚れた美少女Rちゃんにも見せたことがない、
残り時間あと僅かの怒涛のモーションを見せた。その願いは通じた。

「ちゅ」

Rはゆっくりと唇を寄せてキスをしてくれた。

「あら、良かったじゃない」

と嫁。Rよ…ありがとう。我が人生に一片の悔いなし。例え
これから会社に出掛けて、玄関を開けた途端ジェイソンに
叩き殺されても迷うことなく成仏できるだろう…って、
もう本当に会社に行かなければならない!

いま何分?

接吻。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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