仰向けに寝た嫁の上に、娘・R(1才)が乗っかり、
抱き合ったまま眠っている。嫁も苦しかろうがRも
苦しいのではないだろうか。
しかしRが夜泣きしてぐずると必ず嫁によじ登り、
そのまま寝る体制に入るのだ。
今宵は僕も隣に添い寝してみた。隙あらばRに取って
代わって嫁に覆いかぶさりたかったである。
その後はいつものアレの行動を取つもりでいた。
「ひえええええん!」
ところが僕が近付くと、Rは泣き出した。
Rが寝ぼけている時、僕は嫌われる傾向にある。
露骨に「あっち行け!」と言わんばかりに手を
ブンブン振り回すのである。僕は悲しくなった。
「どうしたのー。お母さんココにいるよー」
「そうだよ!お父ちゃんもいるよ!僕らは三位一体!」
三位一体とは、カトリックの教えで言うところの
父なる神
父なる神の子イエス
聖霊
を指す。確か大学のキリスト教概説で習った。実家は
真言宗の檀家なのに。しかしウチの場合だとせいぜい
母なる山の神(嫁)
母なる山の神の子R
背後霊(僕)
こんな程度である。「山の神」とは恐ろしい嫁の
ことをいう。そして虎視眈々と嫁を襲う機会を狙っていた
背後霊、つまり僕は嫁にあっさり除霊されてしまい、
Rから嫁の胸の上に覆いかぶさる権利も奪還することが
できず、行き場を失った僕はひとり寂しく寝るのであった。
三位一体どころか三つ巴の家族。そしておやじが敗者…。
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