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■食べる前に飲む!(苦汁を)
2005年01月15日(土)
娘・R(1才)と嫁がガッチリ抱き合って眠っている。

Rには変な癖があり、仰向けになった嫁の胸の上に
抱きついていないと寝ないのだ。Rを寝かしつけている内に
嫁もいつの間にか眠りに落ちている。そんな毎日。

そして僕の夕飯は出されていない。まさか叩き起こす訳
にもいかず、僕は自分で用意しなければならない。
とはいっても飯自体は作ってくれており、後は暖めるだけ
なのだけれど、ひとり暮らし暦10年を誇りながら、炊事嫌いのため
全く台所仕事をしていない僕にとってはそれだけでも辛い。

笑う人もいるかもしれないが、ちょうど夏休み最後の日に
たまった宿題を片付けなければならぬような激憂鬱になり、
炊事するぐらいなら空腹のほうがマシ、と寝てしまうこともある。

嫁とRはガップリ四つであるので夜這いをかけることも
出来ないし、飯は食えないわ女体は食えないわ、
まったくもって僕の人生おあずけ人生。

深夜の台所でひとり嘆きながらゴソゴソ用意をしていたら
嫁が目覚めた。Rに抱かれるがまま、

「冷蔵庫の中に野菜があるから。」

小声で僕に指示を出す。言われるがまま冷蔵庫を
開ける僕。

「青いパックの中のやつもチンして食べて」

「僕のパンツの中のやつもチンして食べて欲しいナ」

「ボウルに入っている野菜も食べてね」

「あからさまに無視するなよ!」

しかし嫁は悲しそうな眼差しを向けるだけで、それは

「もうアナタだけの体じゃないの…」

もしくは

「あなたバカ過ぎ…」

と訴えているように見えた。ボデーだけじゃなく
マインドも食えぬ嫁であることよ。

僕は嫁の冷たい視線に耐え切れずに目をそらし、
再び台所に戻り、ひもじさをこらえつつ、馴れない
ガスコンロなどをおっかなびっくり使うのであった。

武士は食わねど火の用心。


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