logo
FONTを元に戻す FONTサイズ固定解除

■あるネット中毒者の告白。
2002年06月05日(水)
昨日は嫁の誕生日だった。

とりあえず午前中

「誕生日おめでとう。やーい三十路」

と会社からメールを打ってみたのだが
全くのノーリアクションで朝からいきなり怖くなった。

家に帰ってみると案の定、夜勤明けの嫁は疲労と寝不足で
えらい機嫌が悪い上、溜まりまくった家事をヤケ気味に
ドタドタとこなしていた。

こんな時の嫁は怖くて近寄り難いので僕は一人でマンガを読んでいた
(手伝えよ)

ようやく落ち着いて来た頃を見計らって、用意しておいたケーキを
おずおずと出す。

「ありがとう…」

嫁はそう言ったものの、あまり嬉しくもなさげな感じで
もさもさとケーキを食っていた。

そしてもうひとつ、用意していたプレゼントを渡した。
嫁はもう一度「ありがとう」と言ったが、
それはやはりコンビニ店員のセリフぐらい白々しいものだった。
僕はちょっと不機嫌になった。

「お気に召しませんでしたか?」

と、嫁の顔を覗き込んだ。

「私にはもったいないくらい…嬉しいよ。けど…」

嫁は初めてこちらを向いて言った。

「…ていうか、『ちょっとは手伝うよ』とか言ってくれてもいいじゃない!
そのほうが嬉しいよ!」

わあ、怒ってる。

「物よりもプレゼントより、あなたがずっと側にいてくれたほうが嬉しい」

そう来たか。

「ネットやめてくれるのが一番嬉しいんだけどな」

誕生日だから、とばかりにばんばん言う嫁。
嫁にとってネットとは「浮気をするためのツール」ぐらいの認識しかない。

「あ、あのねえ…」

僕が返す言葉を捜しているを

「ま、それは無理か」

嫁はふふん、と自嘲気味に笑った。やれやれ…。

そういえばパソコンが付けっ放ししだった。
今日ぐらいは消しとこうと思い、パソコンのある隣の部屋に行こうとすると

「ダメ!今日はネットやっちゃダメ!今日だけは嫁が独占!」

嫁が吼えた。電源落とすだけだってのに。

はいはい。今日はアナタが女王様です。アナタに従います。

というわけで昨日は一秒たりともネットに繋げませんでしたとさ。
というよりも、いつから純粋に誕生日を祝えなくなったんだろ…。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

←前もくじ次→
All Rights Reserved.Copyright(C)
エキスパートモード 2000-2005
梶林(Kajilin) banner

My追加