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■付く憑く着く突く ついてくんな!
2001年02月08日(木)
子供の頃、何かの後にについて行くのが好きだったようだ。

家のすぐ近くに田んぼへ水を引く用水路(要はドブ川)が流れていて、
そこで毎日呪われたようにザリガニを獲っていた。
ある日ふと思った。

この川の流れる先はどうなっているんだろう?

普通に考えればそれは海まで歩いて行かなければならないことを
意味するがそこは子供である。

何も考えずに下流へ、下流へと川沿いに歩いていった。
そのうちものの15分ぐらいで墓場に辿りついてしまい
怖くなって帰ったのを覚えている。

それと、これは自分では覚えていない程小さい頃のこと。

僕の田舎では町を挙げて運動会が行われる。
競技の合間に小学生達のブラスバンドがグラウンドを練り歩くのだが、
その時僕は必ず観客席から抜け出してブラスバンドの後を
ちょこちょこついて歩いたのだという。

「あんれま、どこの子だべ」

「あ〜カジさんちの子だべ」

「あらあらまた今年も…」

何せ田舎の町のことだから町民の参加率は高い。
近所の人達もバッチリ見ていて有名な語り草になってしまった。
かなり後まで言われたもんだ。

しかも家にはその写真まであるし…。
写真撮ってるヒマがあったら連れ戻せ、両親。

何かの後について行くのは先に何があるのか
という楽しみがある。

自分はただついて行くだけで
楽しいところへ連れて行ってもらえるかもしれない。

だが自ら先頭を切ってそれを見つけるとなると難しく、
辛くさえある。

早く嫁に貰え、と言ってくる彼女を見てるとそんなことを考えるのだ。

僕について行くことが、幸せなのか…?

そして僕は、今度は自分で行き先を決めなければならない。
ブラスバンドパレードは、もうない。

今日もアリガトウゴザイマシタ。

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