イラレ

 昼間。サチはIllustlaterを起動しベジェ絵を描いていた。
 彼女がベジェを扱うのは初めてではない。
 これまでほんの2、3回だけれど、ベジェで絵を描こうとしたことはある。
 しかし全く訳が分からなかったようだ。
 右へ曲げるつもりが左へ曲がったり、はねたり、下手すると輪になったり・・・。
 気の短い彼女は、起動してから10分とたたないうちに終了していた。
 だが、今日のサチは違った。
 ソフトを起動しマウスを握ってポイントを置き、ハンドルを伸ばした瞬間・・・
 ・・・・彼女の目に、ベジェが見えた。
 いや、正確に言うと目に見えたわけではない。
 能で、腹筋で、右腕で、人差し指で、感じたのだ。
 その一瞬でサチは全てを理解した。
 調子に乗ってパスを増やしていく。
 線に強弱を付けるやり方は知っていた。
 が、めんどくさいという理由でペンに頼った。
 これは頂けないという事がわかった。

 そうしてできたのが、現在の当HPのトップ絵である。
 今回の様子から見て、次はまだマシな物ができるであろう。
 が、今はそれどころではない。
 勉強しろってば。

 夜は”屋根の上のバイオリン弾き”鑑賞していた。
 途中から見たのだが、見始めたときはちょうど長女が縁談を持ち込まれていた所だったので
 まだ始まったばかりだったのだろう。
 その直前までXfileを見ていたため、世界観や時代の違いに初めついていけなかった。
 面白かったようだ。
 始め、楽しい映画だなと感じていた。音楽に飢えていたからなのかも知れない。
 けれど所々暗い場面があって、彼女が見始めてから一番最初、
 長女の結婚式に保安官(?)が乱入してきた時は本気でビビっていた。
 彼らがユダヤ人だという事がもっと早く分かっていたら、あんなに驚くこともなかったんだろう。
 楽しいけど暗い映画、暗いけど楽しい映画。そんな感じだとサチは思った。
 それにしても、パパがママに"Do you love me?"って聞いてた場面、あそこはやられた。
 …ようだ。

 どうして他人行儀なのかというと、文学小説好んで読むような奴の書く文章じゃないなと、
 日記を読み返していて思ったからである。
 けどやーめた。
 もう一回、今度はちゃんと最初から”屋根の上のバイオリン弾き”見たいです。
2001年08月27日(月)

にきにっき / にきーた