人生事件
−日々是ストレス:とりとめのない話 【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】
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2021年09月15日(水) |
作っても、食べても、 |
夫が亡くなるまでの約半年、私は夫の好物ばかりを作っていた。
進む病に食べられないことが多くなっていた夫の身体は、日々痩せていっていた。食欲も失せ、食卓に着いても箸を持ち上げられないことも多々あった。
きっと我が子たちは、父親と最後に一緒に口にしたものなんて覚えていないと思う。だけど、私は覚えている。上の子とは私の手作りのマグロのたたきの細巻を、下の子とは豚タン焼肉を、最後に食べていた。それぞれ日が異なるので食べたものが異なるのだが、忘れられない。
夫が亡くなってから、細巻は買ってきたものしか出していない。豚タンは私も好物だったけど、喉を通る気がしなくて買っていない。
食事って、大事。出会ってから何食も何食も、共にした。好きなものが被ってて、すごく楽させてもらった。好きな料理を得意な料理にまで、格上げできた。
今日は食べられるかもしれないから、あなたの好きなものを作る。作り続ける。
私の料理という名のラブレターが届いていたのか、それを知りたい。
今日はあなたの好きなおでんを作ったよ。
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