人生事件
−日々是ストレス:とりとめのない話 【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】
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心の均衡を崩した。
まあ、5月病じゃないけれど、私にも限界が来たようで。とうとう、心身ともに疲れが溜まったらしく、目が充血どころじゃなくて出血して。あげく、涙もろくなってしまった。 ここ一週間ほど、夜8時半に寝て朝6時半に起きるという、現実逃避的睡眠を貪っていた。 その最後のフィナーレみたいなもんだった、この情緒不安定さは。
私の指導をしてくれる先輩保健師は、保健師歴17年で、その間に新人指導を一度もしたことが無かった人だ。だから、今回が彼女にとってもはじめての新人指導で。 人間、17年も同じ仕事をやっていれば、もう新人の頃の事など思い出せなくて当然なのかもしれない。 よって、必然的に自分が新人の頃どの程度まで出来て、何からが出来なかったのか、ということもわからない。 だから、こちらが応えられぬほどもレベルの高い要求もしてくることになる。 それに応えられぬ私はできるところまでをやって彼女に見てもらうのだが、彼女は彼女の思うレベルまで出来ぬ私にため息をつく。私の目の前で。 「えー、うそー、こんなこともできないの?」 何度言われた事か。そのたび私は「すみません。教えてください」と頭を下げ、泣くのをこらえていた。彼女の要求に応えられない私は、本当は保健師に向いてなかったのかもしれない、と思いながら。 また、彼女の指導者の言葉が徐々に厭味口調であるような気もしてきたが、被害妄想だと何度も首を振る日々が続いた。 けれど、昨日、やはり同僚の先輩とふたりで帰る機会にあった。そのとき言われたのだ。
「佐々木さんて、あの某さんの厭味っぽい口調にもよくへこたれないで頑張ってるよねー。えらいと思う」
そのときは泣かなかった。 「はあ、まあ。それなりにへこみますが、頑張って膨らむようにしてますから」って、答えた。 でも、私の心の中には、心がもろくなる「やさしさ」が忍び込んできていた。
そして、今日。 経験が2年上とか5年上の保健師先輩たちと会う機会があって、その会の中で、指導保健婦に私がどう助言すればわからなくて先輩に聞いたあるママの相談の話をしてみ、と言われた。先輩保健婦は「こんなことも聞きに来る佐々木さんも佐々木さんだと思ったんだけど」とみんなの前で言った。 私は悲しくなりながらも、「私、自分ならどうするだろうって考えたけどわからなくて某さんに聞きに行ったんですが・・・」と前置きして話した。 その話をするなり、若い先輩たちが、「それは新人じゃあ難しいよ」「そうそう、聞いて覚えていけばいいんだよー」と口々に言ってくれた。 涙があふれてきた。 役不足だ、とか、人として未熟過ぎるんじゃないのか、とひとりで悶々と思い、凝り固まっていた苦い気持ちが、若い先輩たちの言葉で少し滑らかなものになったような気がした。
彼氏さまに、ようやく今日、「最近、保健師を辞めようと思うようなことが何度かあってへこんでいたんだ」、と伝えることができた。 彼氏さまは、思ったよりも慰めの言葉をくれた。社会人としての自覚が薄いんだ、と怒られるかと思っていたのに、意外なやさしさを向けてくれた。 また、涙が出た。
しばらく、傾いだ心は立ち直れそうも無いけれど、まだまだやっていこうと思えるだけの勇気を得た。
心やさしい人たちに、感謝の念を。
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