2004年02月15日(日) |
ずっとそばにいるから |
先日 「解夏」の短編集を読んで感動したので
「精霊流し」(さだまさし著)を読み始めた
♪去年のあなたの想い出が テープレコーダーからこぼれています♪
ヴァイオリンを弾きながら歌う二人組み グレープ
長崎の清涼な憂愁が漂う 心に染み入る歌だった
この小説にも歌同様の感じが漂う
さだまさしの言葉を紡ぎだす上手さは 歌だけではないと思う
この小説の中には たくさんの「死」が描かれている
飼い犬が死んだ時には 主人公の少年が祖母に
「人は死んだら どこに行くの?」と尋ねる
すると 祖母は優しく言う
「どこにも行かない ずっと大切なひとのそばにいて見守っている」と
貧しさゆえに 主人公の母が堕胎したところを読んだとき
わたしにも 生まれて来れなかった妹がいることを思い出した
私の母は 妹を妊娠中にとてもひどい妊娠中毒症になり産む事ができなかった
私が 色々な辛いことや悲しいことから立ち上がれるのは
もしかしたら この妹が見守っていてくれるからかもしれない
なんてことを思いながら読みました
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