一度だけの人生に
ひろ



 死ぬということについて

意義のある死とか美しい死とかドラマチックな死とか。

昔は、そういうものがあると思って、
正直に言えば、そういうものに憧れていた。
たいした将来も無く、たいした人間にもなれない
ということがはっきりと見通せて、それが嫌で嫌で、
何かドラマな、意義のあることで、
とっとと死んでしまいたいと思っていたのだ。

もっと言うと、バカな話だけれど、
「自殺」ということ自体に、普通じゃない何かのドラマ性を
夢想して、憧れてすらいたのだ。




それから10年くらい経ち、
多くの人の死に触れた。


結果、感想としてはっきり言えるのは
「死ぬことなんて、つまらない。」

何も無い。死ねば終わり。それだけだ。



人生はドラマじゃない。
残念なことに、死ぬこともまた、ドラマじゃない。
白々しく興ざめするくらい、死ぬということに意味はなく、
私が死んだら私は「終わり」。
あなたが死んだらあなたは「終わり」。それだけ。


ましてや自殺に「意味」とか「意義」なんて・・・。



人生は、生きていることだけがすべて。

2013年09月16日(月)
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