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2007年03月09日(金) バラバラ浦和

ゼロックス杯における大敗(0−4、2月25日G大阪戦)、ACLにおける大勝(3−0、3月7日ペルシク・ケディリ戦)と、結果は対照的だが、浦和のチーム状況は変わっていない。いまのところ、攻撃における組織性は発揮されないままだし、攻撃の基点、というよりも、試合の流れを制御する核となる選手が不在という点が気がかりだ。

キャプテンマークの腕章は右サイドの山田が巻いているが、彼はときおり、思い出したかのように、右サイドから攻撃に参加する程度。“機を見て”といえば聞こえはいいのだが、“たまたま”の攻撃参加で終わっている。

左サイドの相馬は山田よりは積極的だけれど、孤立してパスをもらい、仕方なく個人技でタッチライン沿いに攻撃を仕掛けざるを得ないかのよう。その姿は愚直に見える。

ポンセ、永井も相馬とポジションこそ違え、攻撃にからむ様子は、サイドの相馬と大差ない。二人ともこぼれ球、後方またはサイドからのパスを受けて孤立して相手を外すか、たまたま近くにいる選手とのワンツーで前進を試み、シュートを打てたとしても、相手DFにぶつけることの方が多い。ポンセ、永井には、トップ下の資質はない。

小野はこの2試合、左サイドとボランチでプレーをしたが、オランダ時代定位置だったボランチの方が向いているように見えた。いまの浦和では、もっとも期待できる選手の一人なのだが、チームを引っ張っているわけではないし、攻撃を組み立てているわけでもない。小野の“良さ”が発揮されていないし、筆者は小野をトップ下で起用してもいいと思っている。

不動のボランチ・鈴木はこの2試合なぜか、攻撃参加が少なく守備的だった。トゥーリオの欠場を考慮して、攻撃を手控えているのか。それとも、新加入の阿部との呼吸が合わないのか。理由はわからないのだが、この2試合に限れば、精彩を欠いていた。

心配なのは阿部だ。このままなら、彼の浦和移籍は失敗に終わる。ユーティリティーは便利屋ではない。状況に応じてチーム力をアップするためにポジションを変えるのであって、応急処置ばかりでグルグルとポジションを回っていたのでは、阿部の能力もチームの力も減退する。

さて問題は、ワシントンだ。彼の役割は、前線に張ること。彼はポストプレ―あるいはセンターリングに反応するが、相手DFがマークを強めれば、ワシントンの得点シーンが昨シーズンより増えるとは思えない。日本を含めたアジアでは、彼の馬力は図抜けているので決定機を個人的に切り開くことは大いにあり得るし、もちろん、セットプレーで威力を発揮することも多い。事実、昨シーズンはJの得点王に輝いた。だが、2年連続となると黄色信号がともる。実際、ちょっとレベルの高いDFにマークされると、威力半減どころの話ではない。Jの各チームが厳しく彼をマークすれば、今年の得点は昨年の半分程度に落ちる可能性も高い。つまり、浦和はワシントン個人頼みの得点獲得以外の得点源を構築することが急務なのだ。

そのワシントンがペルシク・ケディリ戦、途中交代を命じられてキレた。ユニフォームを投げ捨てて露骨な監督批判のパフォーマンスを演じた。あいにくテレビ画面に映像は入らなかったが、その様子を実況アナ氏が伝えてくれた。交代だけでワシントンが怒るはずがない。浦和内部で何が起きているのか・・・発足したばかりのオジェック体制だが、意外と短命に終わるかもしれない。


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