報道によると、マンション開発最大手の大京が産業再生機構の下で経営再建されることになった。大京はUFJ銀行グループの大口債務者であり、債務超過と言われるほど、経営は悪化していた。簡単に言えば、大京は国家により管理されることになったのだ。 次はいよいよ、ダイエーの番だ。ダイエーは大京と同様、UFJ銀行グループの大口債務者だから、大京が産業再生機構に入った以上、同じ道を歩む可能性が高まったと見られる。一企業が国家管理される(税金が投入される)以上、その企業の経営実態が明らかにされる。すなわち、球団経営の実態も透明化されるはずだし、球団運営に関連して行われた不動産投資の実態も明らかにされる。かりに球団経営に関連して不正が発覚すれば、ダイエーホークス存続の大義はない。 過去はともかく、今後のダイエー経営と球団所有の関係に限定するならば、球団経営は小売業経営にプラスになる、という考え方があることはよく、知られている。優勝セールや球団グッズ、選手のサイン会等で店頭に客が集まり、売上アップに貢献すると言うものだ。しかし、一見ありそうな話だが、球団所有のコストが売上増に見合っているか計り難い、というよりも、球団所有コストの方が売上増による粗利益増を上回るのではないか。なくていいものなら、買い手があるうちに譲渡したほうがいい、という考え方もある。 経営に窮している企業が年俸億単位の選手を抱えること自体、誤りであるという価値観もある。私は国家管理される企業が球団経営をすることに反対だ。プロ野球は「国民文化」だという詭弁があるようだが、プロ野球は人気スポーツだが、倒産して税金の支援を受ける企業が宣伝材料で所有することは到底許せない。それよりも、ダイエーは球団を所有しない時代、すなわち、小売業の原点に戻り、地道に売上増、利益増に励むべきなのだ。売上を上げ、経営が軌道に乗った時点で、球団所有を検討すればいい。 ついでに言えば、私は選手会がストを敢行したとき、反対だとこのコラムで書いた。繰り返せば、年俸にして億を超える選手と一般勤労者が、たとえ法的には同じ「労働者=組合員」であったとしても、選手会が自分達の年俸を既得権として言及しないのならば、選手会の「スト」は、一般勤労者の労働組合運動の現実とは乖離している。一般勤労者の組合は、雇用の確保を優先するとき、経営者側の賃金カットの要求に応じているのが現実なのだ。 かりにダイエーが産業再生機構の下で球団所有するならば、選手の年俸は国民が納得できる水準でなければならない。その額は、平均1,000万円台を超えることがあってはならない。その水準以下が一般勤労者の年俸の現実なのだから。 低年俸ではやっていけないと選手会が主張するならば、ダイエーは全選手を自由契約とすべきであり、その結果球団が消滅することは正しい選択であって、「文化破壊」ではない。社会は、プロ野球という「国民文化」を守ることよりも、一般勤労者の生活をかけた組合運動をこそ支援すべきだ。Y新聞を除く日本の大新聞は、プロ野球選手会のストを支援する報道キャンペーンを張った。ならば、大新聞は、市井の労働者のスト及び労働組合運動をあまねく支援すべきだ。私はプロ野球選手の生活と同様に、すべての勤労者の生活が守られるべきだと考える者である。大新聞がそれをしないのならば、その報道姿勢は著しく歪んでいる。「文化」よりも勤労者の生活の方が大事ではないか。
|