混乱のJリーグ前期は、磐田の優勝で幕。後期開幕まで再度中断に入った。欧州の各国リーグが開幕する時期に閉幕するという、この間のぬけた日程をなんとかしてほしい。 2002年のJリーグ前期を総括することは難しい。何度も繰り返すとおり、W杯優先でズタズタになったリーグ戦だった、という一語に尽きる。昨年J2落ちになりそうだったところからチームを建て直し、磐田と最後まで優勝を争った横浜マの健闘を称えるべきなのだろうが、その横浜がリーグ戦でどんな戦い方をしたのか記憶にない。 中断前、JリーグにはW杯代表を目指して懸命だった選手達の姿があった。それは自分が所属するチームを優勝に導くというよりも、代表になりたいという野心に満ちたものだった。やがて、W杯が終りJリーグが再開したのだが、W杯で活躍した代表選手たちの調子が悪い。肉体のみならず、精神のスタミナまでも使い果たしたのである。そんななかで、病気で代表落ちした、高原が悔しさを叩きつけるように、リーグ戦で活躍した。両者はメダルの裏表、W杯という一元化された価値観に支配されたJリーガーの姿である。 日本サッカー界がリーグ優先の価値観を確立し、選手達がリーグ戦をまっとうした後、W杯に集中できる環境を早く、整備する必要がある。競争の激しい欧州では、W杯の予選を毎回突破できるとは限らない。あのオランダも予選敗退したくらいだが、だからといって、国内リーグの人気に影響はない。欧州ではむしろ、日本と逆の現象が起きている。W杯予選出場をめぐって、リーグが国と対立するのである。欧州では、代表よりもリーグのほうが優先されることもある。どちらがあるべき姿かを一概には言えないが、リーグが成熟した欧州と、W杯一辺倒の日本と、サッカーの歴史に大きな差があることだけは確かである。 さて、三都主がプレミアに決まりそうだ、という喜ばしいニュースが報道された。まずはめでたしである。三都主も再開後、調子の出ない代表組の一人だった。三都主の飛躍のためには、環境を変えるしかない。これが決まれば、さらなる進化が期待できる。あとは、柳沢と戸田か。
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