in love with...
沙夜



 メールと、その返事

昨日の私の精神状態は最悪だった。
お盆に続く、2度目の破壊行動をしてしまった。


今朝、彼に少し長いメールを書いて送った。
しばらくして電話が鳴った。


「読んだよ」



「メールの返事、ちょうだいね。長いのをね」
「えーっ。一行じゃダメ?5文字じゃダメ?」
「なに、その5文字って」
「だって……沙夜っちのこと、大好きなんだもん。それじゃダメなの?」

「私は……言葉じゃなくて行動を見てるから」
「……」




電話を切った後
彼からは『F1と野球の応援をしますね』とメールがあって、
返事がないまま時間が過ぎた。





18時半。着信。
「これからそっちに行こうと思うんだけど」

「は?ええっ?今から?」


そっか。
それがメールの返事なんだね。
目頭がじんわり熱くなって、景色がぼやけた。




22時半。
人気のない地下鉄の改札口で彼を待つ。
昨日の自分が嘘のように、とても穏やかな気持ちでいた。






翌日、二人で「イルマーレ」を観た。
最初から最後までずっと、彼の手は私の手に重ねられていた。
こんなのって……3年振りくらいじゃない?



エンドロールで流れる歌に、涙がこぼれた。






2006年10月08日(日)
初日 最新 目次 MAIL

※my登録を「告知しない」に変更しました※