妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2002年05月25日(土) |
『プラチナ・ビーズ』(小) |
【五條瑛 集英社文庫】
これもやはり、読んでから読んで欲しいですねぇ。 分厚いし、スパイもので倦厭したくなるとは思うのですが、全然スパイものという感じはしないですし、とても読み易いので。
まず、著者の略歴を見て、何者なんだ…と思いましたね。 大学卒業後、防衛庁に就職、情報・調査専門職に就き、主に極東の軍事情報および国内情報の分析を担当。退職後はフリーライターとして活躍。 で、この本は作家デビュー作なわけです。
おもろかったです。 久しぶりに、つーづーき〜〜っ!!となりました。 早く、続きを文庫化してください。集英社さま。
何が面白いって、キャラクターたちがとても魅力的です。 私はいつもキャラのこばかり言って、ちゃんと内容をわかってないんじゃないかと思われそうですが、内容が面白いからこそのキャラクターなわけですよ。
葉山さん、日本に受け入れられないことを嘆いていますが、内面はこれ以上ないほど日本人です。安心しろ!!(慰めになっていない)
この本の見所はやはり、エディの葉山苛めですね。 実に楽しそうに葉山さんを苛めます、仕事の息抜き以上の意味を感じます。 エディに限らず、葉山さんは苛めたくなるんですが。 みんなに可愛がられているんです。 間違いありません。
そして、米泥棒・サーシャ。フェロモン男(本当に作中こう呼ばれているんだから仕方ない)の正体は米泥棒。 サーシャもまた、葉山さんを苛め隊の一人であると認識いたしました。 神出鬼没さには驚きです。ゲイバーにだって現れる。 次はどこに現れるかが楽しみです。
銃を片手に乗り込む坂下に「人には向けるなよ」と大真面目に注意してしまう、そんな葉山さんが好きです。 (忠告空しくあっさり撃ちまくる坂下…。仕方がない。坂下だもの)
しかし、図らずもタイムリーさを感じずにはおりませんでした。 北朝鮮問題が絡んでいるので。
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