| 香山リカ 2008年02月11日(月)
高校生の頃、迷宮を漂っていた私にとって、香山リカさんの本はバイブルでした。
境界性やら演技性やら自己愛性人格障害という大きな括りはあれど、
それらを少しソフトに、ポップに、現代の若者向けにアレンジしてあるような、
今となっては、そんな印象を受ける本。
当時の私にとって、その本の中に描かれているのは、
間違いなく自分の中の葛藤や矛盾にもがく、まぎれもない「私」であり、
本の中に自らを見いだして、そこからの突破口を見つけてもがいていたように思う。
そんな香山リカさんの本は、大学生になってからもたまに読むことはあったけれど、
この頃は、ずいぶんと疎遠になっていました。
そんな折に、改めて読み返してみた結果、
「本の中に描かれている姿とは、かなり一定の距離をおいている自分」
を感じました。良くも悪くも。
時を経るごとに、見えるもの・見えないもの、実に色んなことが変化する。
自分の捉え方・モノの見方がゆっくりでも変化してきてるんだな、と。
小さい頃から、妙に「一生懸命やってる自分」「怠けてる自分」「笑ってる自分」「怒ってる自分」これらの自分を、どこか一歩ひいて、もうひとりの自分が冷静に観察しているような感覚に陥ったり、という冷静で生意気な部分はあったけれど、最近、そんな一歩ひいてる自分が少しだけ理性的に作用するようになってくれました。さらには、一歩ひいている自分もすべてひっくるめて自分なんだな、と。
さらに、周りにいてくれる人に対しても、許せないことがあると、「無理だ」と心の中で一刀両断する傾向にあった。心が狭いから。「なんで私は許せないんだろう」とか「なんでいつもあの人はこういうループに入り込むんだろう」とか、ちょっとだけその構造を考えてみると、それはすごく重層的で、でもひとつひとつバラバラにしていくと、どれもこれもすごく人間らしいことだな、と感じることが多くなった。
とはいっても、まだまだひょんなことから、香山リカワールドに、着のみ着のままとび込むこともあるけれども。それはそれで、自分をそのまんま感じるいい機会なんだろうな。
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