8/12(土) 嫌われるオレ・その4。
「はい、もしもし、お電話変わりました」
声は平穏を装ってるものの、手は怒り心頭でガクガクと震えとりますよ。
だってさ、目の前で彼女が理不尽な理由で泣かされてるわけだし、
オレが何をしても逆手にとって嫌悪感に変えるわけでしょ。
さすがのオレもこの母ちゃんには、はらわたが煮えくりかえるほどムカついてんのよ。
するとまずは開口一番、「あの子(彼女)はちょっとおかしいんです」と。
・・・おかしいのは1000%おまえの方だろうがよ!
そもそも自分の娘のことを赤の他人に「おかしい」なんて言う時点で、
てめぇの狂人ぶりを晒してるようなもんだと思うがいかがなもんか。
「あの子は事実を歪曲して伝えるところがあって・・・」
一瞬何を言ってるんだかわからなかったが、
要は、自分は何もおかしいことなど言っていないと。
その事実を曲げて伝える彼女のせいで、オレは母ちゃんを誤解していると。
・・・いやいや、電話口からあんたの罵詈雑言ははっきりと聞こえてましたよ!
自分の娘を虚言癖扱いにまでして自分を正当化しようとするあんたは間違いなく狂人ですよ!
なんでそう思えるのか常人には理解出来ないんだけど、
こんな人間性で、自分が嫌われるタイプの人間だとは思えないようなのな。
だから嫌いなオレにまで、わざわざ自分を弁解したくて電話を替わってくれと言ったわけ。
ちなみにさ、ここまでの数分間の会話でさえ、
母ちゃんが一方的にまくしたてるだけで、
オレが少しでも「ええ、でもそれは・・・」なんて口を挟もうとすると、
「うるさいわね!黙って聞きなさい!」なんて言う身勝手極まりない人だよ。
それでどうして自分が好かれる側の人間だと思えるのか逆にお聞きしたい。

その後もさ、BSの件をネチネチと話すのな。
「それはあなたたちが勝手にやったことで、
ありがとう、と感じるかどうかはこっちの問題」だってさ。
そりゃそうだろうけど、それでも困ってたのは事実だろ?
だったらまずは常識として「ありがとう」でしょうよ。
その後、「でも直したんなら直したって言ってよね」ならまだ話はわかる。
それがどうして「ありがとう、と言ってもらえると思うのは
あなたたちの思い上がり」になっちゃうのかわからんですよ。
だったら今後、あんたに感謝されるようなことは誰も一切しないでOKってこと?
誕生日に娘たちが祝ってくれないってだけで激昂するあんたが言えた義理?
要は、話に整合性なんてこれっぽっちもなくてさ、
その場の気分だけで感情的になる浅はかな人間なのよね、わかってたけど。

で、一番驚いたのは、母ちゃんがこんなことを言い出したとき。
「あなたとは直接お話したことがないからわからないでしょうけど・・・」
・・・え? 話したことがない? アルツハイマー発病 !?
「いえいえ、以前に教会に連れて行っていただいて、
その後、家でお食事もごちそうになりましたよ」とあわてて訂正するオレ。
「はぁ(溜め息)、・・・あなたバカね。メンタルな部分で話をしてないってことよ」
ハァ〜? ここにきていきなり宗教人ライクな電波発言?
つーか、人の親とそんなコアな話って出来んの?
特にオレと「彼女の親」って立ち位置のあんたとは百年経っても無理だろうし、
そもそも人の話を一切聞かないあんたと普通の話すら出来ないんだけど?
ましてや自分の言葉の足りなさには一切非を認めず、
その難解(というか電波系)な意を汲み取れない相手をバカ呼ばわりするあんたとは。

でさ、そんな言われたい放題の一方的な会話が十分以上も続いて、
最後に「あなたたちは常識がない」ときたもんだ。
・・・もうホトホト呆れてね。
こんな母ちゃんに好かれたかねぇやと思った瞬間、
とうとうオレも最後の一歩を踏み越えちゃったね。
「・・・いや、常識がないのはお母さんの方ですよ」
今まではさ、「メンタルな部分で話が云々」なんて言っておいて、
結局は「娘の彼氏」で、オレの立場が弱いことをわかってて、
上から見下す視点で言いたい放題暴言吐いてたわけでしょ。
それがいきなり抗戦の構えを見せたもんだから、母ちゃんは驚いて絶句よ。
「・・・・・何ですって !?」
「だから、お母さんの方が常識のない人だと言ってるんですよ」
「あなた・・・卑しくもそれが彼女のお母さんに対して言う言葉 !?」
だったら今まであんたが言ってきたことも「娘の彼氏」に対して使う言葉かっての(笑)。
今まで好き勝手に暴言吐いといて、ちょっと言い返されたらこれですよ。

結局はね、偉そうに「メンタルな部分で話が云々」なんて言って、
今まで都合のいい解釈だけ受けて生きてきた人なんだろうなと。
みんなさ、彼女の元カレや家に遊びに来たことのある友達は、
「おまえの母さん、かなりキツいよな」なんて言ってるわけ。
そりゃそうだ、少し接すればわかるもんね。
でも人の親にそんなこと直接言わないでしょ、普通。
それどころか、多少はヨイショすらするでしょ。
オレだって、こんなくそみそに扱われさえしなければ、
表面上はずっとイエスマンを演じきってただろうし。
娘たちも、母ちゃんの機嫌の悪いときの極端な言動を知ってるから、
家では基本的に母ちゃんの機嫌を損ねないよう接してるわけで。
それは母ちゃんからすれば「メンタルな部分で交流出来てる」と。
でも、母ちゃんの気分が乗らない相手(オレ)とは「メンタルな部分で交流出来てない」と。
要は自分の心が開いてるかどうか、気分がいいかどうかだけで、
こっちの感情なんて全然お構いなしなのな。常軌を逸した身勝手ぶりですよ。

最後は「とにかくあなたと話が出来て良かったわ」とあからさまな嫌みで言われ、
「ええ、こちらこそ」と嫌みで応戦して十数分に及んだ電話は終了。
後日、予想通り彼女にはオレのことを今まで以上にボロクソに貶してた模様(笑)。
これで母ちゃんとは完全に訣別しちゃったなあ。ま、構わないけど。
この母ちゃんが自分に対して客観性を持てる日はいつか来るんだろうか。
この歳でこれならもう無理なんだろうなあ・・・。


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written by オレ 

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