酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年02月19日(日) |
『グイン・サーガ102 火の山』 栗本薫 |
グインのとっさの判断でスカールとイシュトヴァーンの戦いに水を刺し、グインはイシュトヴァーンの腹を突き刺す。イシュトヴァーンは生死を彷徨い、妄執のアリの幻影にうなされる。そして死に打ち勝って目覚めたイシュトヴァーンは憑きものが落ちたような変化を見せる。グインはイシュトヴァーンから逃れたものの、山火事に巻き込まれ、スカールとともに焼け死ぬ寸前。そこに現れたグラチウスの腹のうちにあったものは・・・
どうせ死ぬならイシュトヴァーンを殺してからというスカールの思いと、自分をあきらめようとしない執拗なイシュトヴァーン、グインが取った解決策は荒っぽい行為でありました。今回こそイシュトヴァーンがあっさり死んじゃうのかもしれない・・・と読み進めました。いやはやしかし友人の言ってた通り、まさに「イシュトはしぶとい」。彼の魅力は破滅型でありながらも生に対して欲深いところなのかもしれないなぁ。どんな卑怯な手を使っても生き延びようとしている感じがする。グインはそこを見分けているし。気になるのはスカールの病状です。彼に救いはあるのだろうか。スカールは生き残って欲しいのだけれどもねぇ・・・。
『グイン・サーガ102 火の山』 2005.6.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月18日(土) |
『グイン・サーガ101 北の豹、南の鷹』 栗本薫 |
グインはスカールと共にユラ山地へ逃げようとするが、追いかけるイシュトヴァーン率いるゴーラ軍に追いつかれてしまい戦闘となる。妻リー・ファの仇のイシュトヴァーンを討ち取ろうとするスカールを押さえ、グインが取った行動とはっ・・・!?
・・・いやはやグインってばまーたトンデモナイことを(苦笑)。101巻もスゴイと漏れ聞いていたので、また愛する誰かが死んじゃうのかとドキドキしていたので、この程度でよかったです(笑)。ノスフェラスで不治の病の身となったスカールは仇イシュトヴァーンを殺すことだけを生きる執念としていました。イシュトヴァーンはひたすらにグイン憎し、グイン愛し(欲しい)で執着しまくっています。壮大なグイン・サーガという物語の中でもしかしたら誰よりもあの醜いアリよりもシシュトヴァーンが一番救いのない人物なのかもしれません。恵まれた魅力的な人物であるにも関わらず、ひたすらに無いものをねだり欲しがり満足することがない・・・イシュトヴァーンの懊悩を読んでいると息苦しくなってしまいます。こんなオトコは愛せない。でもこんなオトコを救ってやりたい(不可能だけど)。そんな気持ちになるからトッテモ不思議。それに比べて困難に遭っても記憶が混乱していてもグインは何故だかだいじょうぶだと見守る事ができる・・・それはそれで損なことかもしれません(笑)。
『グイン・サーガ101 北の豹、南の鷹』 2005.5.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月17日(金) |
『グイン・サーガ100 豹頭王の試練』 栗本薫 |
グインを再び捕らえたイシュトヴァーンは愛憎と不信のあまり、ケイロニアをぶっつぶしてやると豪語する。グインの手当てをするイシュトヴァーンの部下コー・エンは猫の目の様にクルクル変わるイシュトヴァーンの様子に危機感を感じている事をグインに訴える。イシュトヴァーンのためにも離れてやろうと再び脱走を試みるグインの目の前に現れたのは、あの草原の男だった・・・!
うっひゃー(最近そんなことばっかり言ってるわ)、登場ですよー。あのあのあの私のダイスキなお方がぁぁぁ。ナリス様とは別の意味で惚れこんでいるお方がついにグインと出会います。考えてみれば様々な主役級クラスの登場人物がいて、100巻までグインと出会ってなかったってスゴイことですね(大笑)。なんと言うか、この方とグインというのは男としての魂に似た逞しさがあって惚れ惚れしてしまうのであります。そこから思うに私は絶対にイシュトヴァーンは好きになれない。情は湧いても惚れはしない。まぁ、物語の登場人物に対してそういう感情移入はいかがなものかと言われれば返す言葉はありませんケレドモ(苦笑)。昨日、親友と話し、100巻まで読んだ事を驚かれ(呆れられ)ました。ここまで読ませる力はあります(断言)。最初の数冊の山を越えれば、ほーら貴方もグインに夢中v
『グイン・サーガ100 豹頭王の試練』 2005.4.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月16日(木) |
『グイン・サーガ99 ルードの恩讐』 栗本薫 |
アムネリス自決により巻き起こったゴーラ(イシュトヴァーン)に反乱するハラスたちの助太刀に乱入したグインだったが、イシュトヴァーンに囚われてしまった。《不信》という病に冒されてしまったイシュトヴァーンはグインを慕うあまりにグインを信じられず、非道な行為を繰り返す。ザザとウーラの力を借り、一度は逃げ出したグインだったが、ハラスたちが気になるあまり戻ってみるとそこは・・・
・・・なんだかなぁ。悲しい悲しい巻でしたよ、この99巻ってば。イシュトヴァーンが哀れ。シルヴィアちゃんも哀れなのだケレドモ、全く違う種類の哀れを感じさせられましたね。なんと言うか、イシュトヴァーンファンの母性みたいなものを理解できたんじゃないかしらん。イシュトヴァーンの懊悩を冷静に観察&分析するグインってすごいー。でもグインはグインで混乱した記憶に動揺している訳で。そんな時にでもグインの頭脳はキチンと働いていて。今までグインが出ている時がツマラナイと感じていた(だって動きが少ないんだもの)ケレドモ、ここ数巻のグインはいい。やっぱりグインにだって人間味を見せていただかないと。今までだって人間味がなかったでもないけれどー、なーんか完璧すぎて面白みに欠ける主人公だったのー。しかし、佳境です! しかし、折り返し地点とかトンデモナイこと作者は言ってます。完結するまで絶対に死なないでね、栗本さん。
『グイン・サーガ99 ルードの恩讐』 2005.2.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月15日(水) |
『グイン・サーガ98 蜃気楼の旅人』 栗本薫 |
ノスフェラスでセム族のシバやラゴン族のドードーに引き止められるが、己は何者かを知るために旅に出る。そのグインの前に現れたのは黄昏の国の女王ザザとノスフェラスの狼王ウーラだった。ザザとウーラに助けられ、旅を続けるグインは無残に追い立てられる集団を見かけ、成り行きから助けてしまう。その集団を狩っていたのは、あの・・・
うーむ、またもや運命が大きく交錯して参りました。悩めるグインの心を大きく占めている人間がリンダとイシュトヴァーンだったってことが大変に興味深いです。やっぱりシルヴィアちゃんのことは保護欲と言うか、哀れさゆえのものだったのかもしれませんね。それはそれでシルヴィアちゃんがトッテモ気の毒なのだけど。やはりいっとう最初に出逢った運命、グインとリンダとイシュトヴァーンが大きな大きな三大柱だったのでしょうか。・・・あの時レムスくんもいたのにね(苦笑)。さてこのあとはいったいどうなってしまうのでしょう。楽しみで楽しみで。
『グイン・サーガ98 蜃気楼の旅人』 2004.12.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月14日(火) |
『グイン・サーガ97 ノスフェラスへの道』 栗本薫 |
グインを捜索するためにヴァレリウス率いる魔道師部隊の中にマリウスが無理矢理参加。そしてオクタヴィアたちのいるサイロンへやってきた。オクタヴィアやマリニアを捨ててパロへ旅立ったマリウス。彼は彼自身の生き様をオクタヴィアに義父アキレウス陛下に訴え、自分の命である歌を聴いてもらう。その歌を聴いていた耳の不自由なマリニアは、体でマリウスの歌を感じ、不器用な発声で歌を歌おうとするかのように・・・
グイン・サーガにおける三大困ったちゃんはイシュトヴァーン、シルヴィア、マリウスと私は思っています。イシュトヴァーンはまぁそれはそれと言いますか、それでも魅力的であり、まだまだ発展途上と観察中。シルヴィアちゃんはトンデモナイのだケレドモ・・・うーん何故だか理解できちゃうようになってしまったのですよね。彼女の壊れ方。だから問題はマリウス坊や。彼の場合はなんと言いますか、違う星の住人なのでしょうねぇ。普通の枠に当てはめてはいけないのかな、と今回感じました。それにしてもオクタヴィアの心を想うと可愛そう。あんな凛々しい美しい人は、ダメ男を好きになるものなのかな、ナンテ。オクタヴィアに見る目があったとも無かったとも言える関係でありました。人を好きになるって理屈ではないものねー。
『グイン・サーガ97 ノスフェラスへの道』 2004.10.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月13日(月) |
『グイン・サーガ96 豹頭王の行方』 栗本薫 |
ケイロニアから派遣されてきたハゾスはリンダと会い、その美しさと率直さに感銘を受ける。マリウス問題(笑)を協議していたリンダたちの前にグラチウスが現れ、グインの居場所を彼女達に告げる。ハゾスやヴァレリウスはグラチウスの提案に乗り、グインを探しにいくこととなり・・・
悩めるパロの聖女王リンダは、ハゾスやグラチウスと話すことにより潔く自分の身の振り方を決定します。ここらあたりがリンダやオクタヴィアの資質の美しさが際立っているところ。リギアを含め、マイ・グイン美女ベスト3ですねー。美しく気高い女は最高v グインはグインで大変なことになっちゃっていますケレドモ、これだけの多くの人間(しかも国はさまざま)に慕われ、愛されるって、そんな超人的な(笑)。グインとイシュトヴァーンってどこまでいっても対照的。主要人物が欠けて寂しい思いもしましたが、新しく魅力的な人たちもどんどん出てきています。なににしても物語と言うものはキャラクターの魅力に尽きるのかもしれませんね。
『グイン・サーガ96 豹頭王の行方』 2004.8.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月12日(日) |
『グイン・サーガ95 ドールの子』 栗本薫 |
リンダはパロの再建とマリウスの去就に頭を悩ませていた。相談に乗るヴァレリウスはマリウスのお気楽さ加減に反感を押し隠せずにいる。ケイロニアではハゾスが行方不明のグインを案じ、グインの妻シルヴィアの男遊びに心を痛めていた。オクタヴィアは愛情を残しつつも、自分とマリニアを置いてまたしても出奔してしまったマリウスに愛想を尽かしていた。イシュトヴァーンはゴーラの新都イシュタールに戻り、カメロンに疑心暗鬼の念を拭えないでいた。そして我が子ドリアンを見た時、イシュトヴァーンは激しく動揺し、取り乱すのだった・・・
グインのおかげで平安を取り戻したかと言うと、残された者たちはそれぞれの苦悩の日々が始まったようです。ああ、なんだか本当に新展開と言った感じがします。リンダとオクタヴィアはもともとの魂がしっかりした軸を持っているので、どんなに大変でもなんとか潜り抜けていけそうな安心感があります。しかしながら、不安定この上ないイシュトヴァーンとマリウス坊やにはまだまだハラハラさせられそうですね。栗本薫さんの頭の中でこれだけの多くのキャラクターが生き生きと息づいていると思うとヤッパリ空恐ろしいとしか言いようがありません。
『グイン・サーガ95 ドールの子』 2004.6.10. 栗本薫 ハヤカワ文庫
2006年02月11日(土) |
『グイン・サーガ』93・94 栗本薫 |
グインのトンデモナイ策略により、クリスタルはアモンから解放された。グインはその結果、ノスフェラスへ転送される。グラチウスに助けられ、グル・ヌーに訪れたグインは、星船の中でとうとう己の事を知ることとなる。しかし、アモンを葬るために、今再び・・・
物語が動く時というのは、一気呵成という感がいたします。登場したソノ時から絶えず「自分はいったい何者であるのか」と己を求め続けたグイン。その答えを知った時にまた・・・って栗本さん、相変わらず極悪非道ですなぁ。もう大概驚かないつもりでしたが、いやぁまたしてやられてしまった(大笑)。いずれにしてもこの物語が100巻やそこらで終らないことだけはハッキリしてますよね。現段階で既に100巻越えされてますし。いやはやスゴイ。このようなスケールのでっかい物語をあふれんばかりに書き上げていく魂ってなんなのだろう。空恐ろしい心持で読み進めております。
『グイン・サーガ93 熱砂の放浪者』 『グイン・サーガ94 永遠への飛翔』
2006年02月10日(金) |
『グイン・サーガ外伝19 初恋』 栗本薫 |
ナリス、19歳。クリスタル公となり忙しい日々を送っていた。父が王座を追われる原因となったパロ一の美女の名を欲しいままにしているフェリシアと愛人ごっこに興じている。ある夜、フェリシアに初恋もまだではないのかと言われたナリスは複雑な心持に囚われ、愚かなゲームを仕掛けてしまい、その結果・・・
本編でナリス様は人を愛したことがあるのだろうか?と思わされることが多々ありました。あまりにも自分に溺れすぎたナリス様って不幸・・・と思っておりましたケレドモ、こんな不幸なできごとがあったのですねぇ。多くに愛されながらも誰かを愛することができなかったナリス様は愛を求めて彷徨っていたのかもしれませんね。そう言う意味で言うならば、ナリス様もまた最終的にはグインを恋焦がれていたのではないかしらん。リンダもヴァレリウスも気の毒に・・・。
『グイン・サーガ外伝19 初恋』 栗本薫
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