酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年05月03日(火) |
『ギブソン』 藤岡真 |
日下部はゴルフのお迎えに早朝上司の家までお迎えに。しかし上司は現れない。高城を慕う日下部は失踪の謎を追いかけることになる。上司が向ったのは右?左?それとも正面の道? 謎の消防車、拳銃の発射音、ストーカー、消えた老人、上司の愛した女の娘・・・さまざまな不思議なピースを拾い集め、日下部が見つけた真実とは?
あぁ、これは面白いです。東京創元社さんのミステリ・フロンティアシリーズはあなどれないですねぇ。上司の身にいったいなにが起こったのか? 不思議な出来事や奇妙な人々に振り回されながら、日下部の辿り着く真実は意外なものでした。テンポもいいし、翻弄されまわったと言う感じ。悪くないねぇv
「なにもかもが信じられなくなったとき、呑むのに相応しいものがいいな」
『ギブソン』 2005.4.15. 藤岡真 東京創元社
2005年05月02日(月) |
漫画『ハチミツとクローバー』 羽海野チカ |
友人に薦められて7巻まで一気に読みました。登場人物たちのキャラクターが非常によくて、エピソードになつかしさを感じて大ヒットのわけがよくわかりました。あの頃の若くて真っ直ぐで悩みだらけな毎日が愛しく思い出されました・・・。不覚にも泣ける漫画。かなりオススメですv
2005年05月01日(日) |
『へんないきもの』 早川いくを |
へんなものズキにはたまらない図鑑です。本当に生存する珍妙な生き物をイラストと軽快なトーク(?)で紹介していて笑える。笑える。ベストセラーになったことも頷けるし、第二弾もかなり期待して待ってしまうv 異様な生き物のイラストに添えられた文章で笑えたものをいくつかあげてみましょう。まずはタコブネ。貝殻入りのタコで交尾の時にペニス足を挿入すると「挿入後ブツリと切断されてしまう」んですって(笑)。いやタコブネさん♂には切ないことなんですが、妙に笑けちゃいました。これがファーストなので掴みはOKと言うところ。ちまたで大人気のウミウシですが、仲間のウミウシを食べちゃうと言うイシガキリュウグウウミウシを「軟体の鬼畜」とネーミング。うまいっ。しかもこの生物なんて見たことないわよう。面白い造詣だなぁ。しみじみ。最高に笑ったのはトビイカの紹介文。このイカは酔狂で飛んでいるのではなく、飛びでもしなければマグロに食われちゃう! しかも飛んだら飛んだでアホウドリにさらわれたりしちゃうんですって(笑)v 笑っちゃいけないが過酷な自然の現実。妙に癒される図鑑なのであった。オススメ。 あられさん、教えてくださってありがとー。かなり受けました〜v
『へんないきもの』 2004.11.9. 早川いくを バジリコ株式会社
2005年04月29日(金) |
『犬夜叉』11〜15 高橋留美子 |
いつの間にか仲間が増えた犬夜叉とかごめ。愉快な(?)仲間たちと砕け散った四魂の玉のかけらを集め続ける。その先々で現れる宿敵・奈落。そして桔梗。奈落と桔梗の間に起こった因縁とは・・・?
うーむ。この路線っていつの世にも健在なのよね。仲間が集っていくってたまらん感じが好き。しかし私がかつて愛したアノ漫画に激似な気もするけれども(苦笑)x
お気にいりキャラ6:タヌ公 なぜだか弥勒の使いっぱな狸がキュートv お気にいりキャラ7:刀々斎 犬夜叉と殺生丸の刀をつくったじいちゃん
2005年04月28日(木) |
映画『Shall we Dance?』 |
周防監督との出会いは『ファンシィダンス』でした。主人公の修行僧を本木雅弘(漢字あってるかしら)が演じて、彼の役者としての魅力にハジメテ気づきました。それまでモックンはジャニ出のただ顔がいいだけの奴って感じていた事はヒミツです(笑)v そのあとそのモックン主演の『シコふんじゃった。』で俄然周防監督に興味を持ったのです! ジャァーン! そして『Shall we ダンス?』で周防監督にノックアウト喰らっちまったのでありました。ふふふ、前振り長いな(苦笑)v その『Shall we ダンス?』がハリウッドでリメイク。主演はあのリチャード・ギア。いくつになってもダンディなリチャード・ギアが素敵で素敵で。もうめろめろにめろりんぱ。リチャード・ギア扮するジョン・クラークは家庭でも職場でもチャーミングな男性だが、心になにか足りないものを感じていた。その彼がめぐり合った美しい女性と社交ダンス。恥ずかしいとコソコソしていたジョンが次第に生き生きと輝いてきて・・・この輝きっぷりが絶品。あぁっ、思い出しても身もだえしちゃう〜。 日本版とハリウッド版は微妙に異なるシロモノです。日本とアメリカの違いを見ることができます。中でも男と女の形。日本の女性がよその国の男性に熱をあげる意味がここでも垣間見る事ができると言えましょう。そこのところこの映画で研究したまえ、男性諸氏。 続けて2回観ましたが、2回とも泣いた。泣いた。泣きましたぁ〜。映像のため息がでるほどの美しさや登場人物の心の動きやユーモアに泣けたの。中でもラストの薔薇からは圧巻。泣きっぱなしでした。超オススメv
2005年04月27日(水) |
『犬夜叉』6〜10 高橋留美子 |
半妖怪の犬夜叉は50年前に巫女・桔梗の手によって封じられていた。桔梗の生まれ変わりらしいかごめの手によって封印を解かれた犬夜叉は砕け散った四魂の玉のかけらを集めている。桔梗は何故50年前に犬夜叉を裏切り、封印したのか・・・?
今回7巻でまたまた美しい兄じゃ殺生丸が復活。やっぱりこの手のキャラは必要よねぇ。犬夜叉がどんどんかごめに手なづけられていく様が笑えます。あと桔梗と犬夜叉のはかない恋が哀しいなぁ・・・ 顰蹙かもしれませぬが、実写の時にはキムサマに犬夜叉を演っていただきたい(ポポポ)w
お気に入りキャラ3:弥勒 C調なお坊さま 笑えますv お気にいりキャラ4:珊瑚 きりりとした美少女。うっとりv お気にいりキャラ5:雲母 こんなペット欲しいなぁ。
2005年04月26日(火) |
『犬夜叉』1〜5 高橋留美子 |
日暮かごめ15歳。神社の娘のかごめは隠し井戸から落ち、戦国時代にタイムスリップ。かごめは封印されていた半妖・犬夜叉を解き放ってしまう。犬夜叉はかごめが手にした四魂の玉の力で完全な妖怪になろうと・・・?
おもしろーい! 親友の娘(小学生)から貸してもらった犬夜叉。母親から私の話を聞いて観察していたらしい娘が私にはコレをと貸してくれた漫画。いやーこんなに面白い物語だったのね。妙な笑いがプププっと出てしまうところがよいでするーv
お気に入りキャラその1:殺生丸 犬夜叉の兄ちゃん かっこええーv お気にいりキャラその2:七宝 キツネの七宝ちゃんかわええーvv
2005年04月25日(月) |
『君たちに明日はない』 垣根涼介 |
村上真介三十三歳、日本ヒューマンリアクトというリストラ業務を請け負う会社の面接官。さまざまな会社に出向き、いろいろな人々を辞めたい方向へ追いこむ。不景気な御時世にリストラされてはたまらない人たちとの攻防戦、リストラ対象者の女性との恋愛。かつてバランスを取りながら、いい加減に仕事をし、リストラされた過去を持つ真介の新しい生き方・・・
これはすっごく面白かったですっ!(鼻息荒くてよ、フンフンフンッ) 垣根涼介さんは個人的には当たり外れの大きい作家さんだなってイメージがあります。でもこれは絶賛だった『ワイルドソウル』に負けないくらい好きでしたねー。登場人物の心情が非常によくわかるから。働くって本当に大変なことなんですよね。うんうん。またヒロインの名前が‘陽子’だったものだから、すっごく感情移入して読んじゃいました(笑)v かなーりオススメvv
実を言うと陽子は小心者だ。自分でも分かっている。そして小心者には、意外に怒りっぽい人間が多い。あれこれとロクでもない想像をついアタマの中で先走りさせ、その妄想に感情が振り回されるからだ。
『君たちに明日はない』 2005.3.30. 垣根涼介 新潮社
2005年04月24日(日) |
『さよならの空』 朱川湊人 |
オゾン層は有害な紫外線を防いでくれるバリアー。フロンなどの影響でオゾン層に穴があき、オゾンホールとなる。そのオゾンホールの拡大を防ぐために開発された化学物質ウエアジゾン。しかし人類を救う代わりにウエアジゾンは夕焼けを消し去ってしまう? 開発者テレサは日本へ向かい、やらなければならないことを密かにはたそうと・・・
夕焼け。見ていると哀しくてせつなくて、家に帰り母の顔を見ると安堵する。そんな小さな頃のことを思い出しました。有害な紫外線から地球を守るために開発された化学物質が夕焼けを消してしまう・・・化学物質を開発した科学者自身も夕焼けの思い出と過去に思い悩み日本で無謀な行動を起こす。そこから不思議な事件に巻き込まれていくのですが、・・・泣きました。私も会えるのかしら。うう。
二十七歳の夏、突然人恋しくてならなくなった夜。 死んだ恋人は、生身の自分を抱き寄せてくれる腕を持たない。死んだ恋人は、写真の中で同じ笑顔を浮かべ続ける以外のことは、何もしない。それが苦しくなる時が、肉の体を持つ人間には確かにある。 「誰だって、きれいごとばかりじゃ生きていけないのよ」
『さよならの空』 2005.3.25. 朱川湊人 角川書店
2005年04月23日(土) |
『聖者は海に還る』 山田宗樹 |
梶山律はひとり息子を抱え、陵光学院で養護教諭(保健室の先生)をしていた。校長の方針の有名大学に入れてみせるという惹句にひかれ、エリートたちが集まっている。律は前に務めていた学校の生徒達の荒れ方を見ているだけに、ここの生徒達の聞き分けのよさは不気味ですらあった。ある日、生徒の一人が切れ、教師を射殺し、自分も自殺。衝撃を受けた学校側は、カウンセラーを招聘する。彼によって生徒や学校スタッフは救われるのか・・・?
面白かったです! ちょっとだけひっかかる部分も無い訳ではないのだけど・・・それでも展開のうまさにドキドキしました。ま、私はとにかく山田宗樹さんはかなり注目してますからv 心ってなんでしょう。壊れた心、壊れていく心、でもその基準値はどこにあり誰が決めるのだろう。生きてる人だけ心はあって形も色も違うハズ。その心を治すとか癒すとか救済するとか、果たして人間に可能なのでしょうか。うさん臭い宗教を盲信してしまう心もわからないではないのよね。自分の心の形や色やありようを考えてしまったのでありました。オススメv
言葉はね、人を傷つけることもあるけど、人を救うこともできるんだよ。わたしたちは、人を傷つけたり、傷つけられたりするけど、どこかでそれを補いながら、背負いながら、生きていくしかないんじゃないかな。それで、いいんじゃないかな。
『聖者は海に還る』 2005.3.25. 山田宗樹 幻冬舎
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