夢中夜
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***この間は夢***ほかは現実です、たぶん。
たぶんいまも埼玉にある私の自転車 たぶんいまも板橋にある私の自転車
走り去った思い出 忘れ去った思い出 置き去った思い出
2004年09月11日(土) |
窓のおくのとおい景色 |
電車は秋を運んでいた。
半分だけ開いている窓の隙間から いつもの習慣で外を眺めた。 青い芝生が古い映画みたいに灰色がかっていた。 色褪せて遠い景色。
ホームの上をたくさんの人が歩いているのが見えた。 隣の電車の窓側には、私と同じように誰かが座っていて 向こうのホームを歩いている人を見ている。 その奥にはまた電車があって、ホームが見える。 合わせ鏡のように縦にも横にも空間がつながっている。 果てしなくうつろな景色。
車体が虫の音みたいにキリキリと音を立てている。 マンションの明かりが均等に並ぶ。 ひとつひとつの灯りの下に誰かの生活がある。 その距離は遠く離れているような気がした。 黒い海のなかの漁船みたいに点々として。
多摩川を越えた。
彫刻が並んでいる どれもこれもグロテスクな像をして じぶんを主張している
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きみの星はやみの夜に輝いている
(Carl Hilty)
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