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2008年05月20日(火) メールマガジンをはじめました

このHPの内容とは少しズレるのですが、
メールマガジンをはじめてみました。

以下のHPから登録できますので、興味のある方はご購読くださいませ。
メールマガジンは、月刊です。

「少しの練習で上達する、ピアノレッスンと練習方法」 ←クリックできます


2008年04月13日(日) 4月13日のlesson de ラ・パレット…

新学期をむかえて、フレッシュな雰囲気の中での公開レッスンとなりました。
始めた当初は、小学生だった皆さんが、中学生に、そして高校生となり、
取り上げる曲も高度になってまいりました。
ピアノを学んでいる人たちの人数から考えると、小学生が圧倒的に多いですから、
中学生高校生のレッスンというと、参考にならない…と思われるかも知れませんが、
しかし、曲が高度になっても、先生がおっしゃることは、
音楽的にもピアノを弾く上でも基本的なことですので、
生徒さんの年齢やレベルに関係なく、参考になる部分は多いような気がします。
当日の曲目は下記の通りです。

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11:00~ チェルニー40番より 9番
    バッハ:シンフォニアより 4番
    バルトーク:ミクロコスモス3巻より
    ベートーヴェン:ソナタOp.2-2 第1楽章

12:00~ バッハ:平均率1巻より3番
    ショパン:エチュードop10‐4
    ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」よりパスピエ

13:00~ ショパン:エチュードOp.10-12
    ショパン:ヴァリエーション Op.12

《休憩》14:00~14:40

14:40~ バッハ:平均律2巻より18番
    ショパン:ノクターンOp.55-2 16番
    リスト:ラ・カンパネラ

16:10~ バッハ:平均律Ⅱ巻4番cis-mollBWV873
    スクリャービン:エチュードOp.42-5
    ショパン:エチュードOp.10-8
    フォーレ:舟歌5番Op.66
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今回の公開レッスンでは、音楽について、演奏について、
そして学んでいく上での心構えなど、素晴らしいお話が沢山ありすぎて、
何から書けばよいか迷うほどですが、その中でも特に印象に残ったのは、
全てのレッスンが終わってから、聴講されていた方の質問に答えておっしゃった
下のような言葉でした。

Q「レッスンで習ったこと以外の、自分がこうしたいという気持ちを、
  どうやって引き出したら良いでしょうか?」
A「少し大人になってからでないと無理だけれど、
  本人がこう弾いていると思っている”つもり”とのギャップを言ってあげると良い。
  レッスンで言う他に、他の人の演奏を聴くと、どういう音楽が良いか考える機会になる。
  子どもの時にやって戻れる基礎があると、どうやっても音楽になってしまう。
  そして、音楽が好きと思うことが大切なこと。」

というお話でした。
戻れる基礎とは、テンポ感、リズム感、指の整頓など、先生がレッスンで常におっしゃっている内容とも重なります。

他に、
「間違えないための勉強をやりすぎると、貧弱な音楽になってしまう。
 これだけ沢山音があれば、間違えるもの。
 自分の歌・リズムの勉強をするように方向転換し、
 音楽を理解すれば、指はついてくる。」
「頭の中に音楽を作ること。
 指は頭が動くからついてくる。」
3月に来日した、ピエール・レアック氏の言葉から、
「多くのピアノ学習者が、他人より上手いかどうかばかり考えている。
 自分が上手くなったかどうか考えることが大切。」
などのお話が印象に残りました。

次回は、6月1日。
お申し込みをお待ちしています。


2008年02月19日(火) 2月3日のlesson de ラ・パレット…

今年最初の公開レッスンのこの日は、生憎、東京で初めての積雪。
どこもかしこも雪景色で、どうなることかとおもいましたが、いつもよりは少ない人数だったものの、熱心で温かい皆様に聴講していただき、とても良い雰囲気の中でレッスンを聴講することができました。
曲目は下の通り。いつも以上に曲数が多く、聴き応えがありました。

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11:00~ チェルニー40番より 8番
    バッハ:シンフォニアより 2番
    ショパン:3つのエチュードより 1番
    ショパン:ワルツOp.64-3

12:00~ バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 14番 fis-moll
    ショパン:ノクターン Op15-2
    ショパン:エテュード Op10-12

13:00~ バルトーク:ミクロコスモス5 №130
    バッハ:シンフォニア №2
    ベートーヴェン:「うつろなわが心」の主題による変奏曲

《休憩》14:00~14:40

14:40~ バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 8番 es-moll
    ベートーヴェン:ピアノソナタ 第26番 Es-Dur Op.81a『告別』
    ブラームス:Op 118-1.2.3.
    フォーレ:ノクターン No 2
    ショパン:エテュード Op25-9.12.

16:10~ バッハ:平均律Ⅱ巻NO.2
    ショパン:エチュードOp.10-12,25-3
    ブラームス:ソナタOp.1
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この日の公開レッスンで、先生が度々おっしゃっていたのは、
"音楽が進む"とはどういうことか…という点でした。

最初の生徒さんのレッスンでは、
「ヨーロッパの音楽は"意志の音楽"。先に進んでいく力がないとダメ」
と、どのような演奏が良いのか、基準をおっしゃり、
最後の生徒さんのレッスンでは、
「音楽は和音でできている」
と、バレンボイムを例に出されて、
「彼の演奏は、ハーモニーのエネルギーで音楽が進む」
と、ハーモニーの重要性と、それをどう演奏するかの具体的な方法をお話くださいました。

そういった音楽的な面からのアプローチだけでなく、
演奏する意識、音楽を考える姿勢についてのお話も印象に残りました。

一つは、この日、最初の生徒さんがショパンのワルツを弾き終わった後に、
「どうだった?自分で。どこを勉強したい?」
とおっしゃったこと。
ショパンのワルツは、多くのピアニストが弾き、学習者にとっても身近な曲。
なので、ここはこう弾きなさい…というレッスンになってしまい勝ちだと思いますが、
あえて、今が伸び盛りの生徒さん自身が、どう演奏したいか…というのを
尊重されたことに、驚きと感動を覚えました。
そして、いくつかのアドヴァイスの後に、
「それでいいから、悔しいとおもってもう一度やってごらん?」
「悔しいという気持ちは、他人にではなく、自分に対しておもうこと」
「演奏は、失敗するかどうかではなく、人の前で何かが言えるか」
と、どのような意識で、日々、取り組んでいくべきか…を、示唆してくださいました。

もう一つは、全てのレッスンを終えた後、公開レッスンのような場について、
「一のを聴くって、とても大事。
相手が上手でも下手でも気付くことがある。」
と、自分自身の持っている音楽について考える場としての意味もお話くださいました。
確かに、レッスンを聴きながら、自分だったらどう弾くか…を
無意識に考えていることがあります。
そういう経験の積み重ねで、ただ弾くだけではなかなか見つけることのできない、
“自分だったらどう弾くか?”のヒントを見つけることができるのでしょう。

次回は、4月13日です。
お申し込みを、お待ちしています。


2007年10月08日(月) 10月7日のlesson de ラ・パレット…

3連休の中日、いつもより、若干少なめのお申し込みでしたが、
講座がはじまってみると、皆さん熱心に長時間聴講され、
いつも通りの熱気のある一日となりました。
曲目は以下の通り、小学4年生から大学を卒業したばかりの生徒さんのレッスンでした。

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11:00~
 ヘンデル:ブレ G-dur (プレインベンションより)
 バッハ:アンナマグダレーナより ポロネーズ
 モーツアルト:ソナ15K545  第1楽章、第3楽章
 ドビュッシー:子供の領分より ゴリウォークのケークウォーク
 チェルニー30番:9番

12:00~
 ツェルニー40番:6、7番
 バルトーク:ミクロコスモス3巻より 79番
 バッハ:シンフォニアより 8、10番
 ベートーヴェン:ソナタ Op.13 3楽章

13:00~
 ショパン:スケルツォ2番
 バッハ:平均律1巻 17番

     《休憩》14:00~14:40

14:40~
 ショパン:エチュード op.25-11 '木枯らし'
 ベートーベン:ピアノソナタ3番

16:10~
 ベートーヴェン:ソナタ第18番 op.31-3 第2楽章 第4楽章
 ブラームス:Op.119
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今回の公開レッスンでのテーマの一つは、『音楽のための練習方法』。
良い演奏のためには、そして上達のためには、練習方法が大切ですが、
その練習の目的を見失わないように勉強していくのは、なかなか難しいもの。
北川先生は、小学生の時、中学生になってから、そして、大人になって…と、
それぞれのレベルで、音楽的であることを常に考える練習方法を示してくださいました。

「下手なクセがついた時には、ゆっくり弾いて直す。これが頭の訓練になる。
これをやろうとする人が上達し、これをやらない人は上達しない」
「先生に言われたことを考えることが大切。自分で見つけることができたら上達する」
「良い譜面を使って、書いてあることをきちんとやること」
「打鍵スピードを速くする。弾いている指はしっかりするけれど、他の指には力を入れないこと」
「リズム感は小さい時から作っておかなくてはならない」

どれもこれも、シンプルですが、実際にやるのは簡単ではありません。
このような心がけを常に持っている人が、音楽的で魅力的な演奏をする人に、
育っていく…ということなのでしょう。
レッスンでは、これら一つ一つについて、実際の音を伴った具体的な指導を
示してくださり、これらが本当に良い音楽に結びつくために、
不可欠なことだということを実感することができました。

このほかに、小学生と同じことを中学生に求めるのではなく、
中学生になったら勉強の仕方を変えなくてはいけない…というお話が印象に残りました。

良いことをおっしゃってくださるレッスン・講座は他にもあるかも知れませんが、
その場限りでなく、説得力を持つものにはなかなか出会えません。
この、lesson de ラ・パレットをはじめた当初、北川先生が、
「ピアノというのは、薄皮を重ねるように、少しずつ上達していくもの」
とおっしゃっていましたが、長く続けてきたことで、ピアノを指導するということについて、
薄皮をはがすように少しずつわかってきたような気がしています。

次回は、12月2日。
お申し込みをお待ちしています。


2007年08月18日(土) 8月5日のlesson de ラ・パレット…

朝から非常に暑い一日でしたが、大勢の皆様が会場に足を運んでくださいました。
レッスンで弾いてくださる生徒さんも、暑い中で、良く準備されていて、
皆さんが本当にこの講座を楽しみにしてくださってるのを感じるのも、嬉しいことです。

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11:00~ 
 ベートーベンソナタ8番「悲愴」 第1楽章・第2楽章

12:00~
 シューベルトop.94-3,4
 ドビュッシー アラベスク2番

13:00~
 ショパン スケルッツオ3番
 ショパン エチュードop.10-4
 バッハ イギリス組曲3番より プレリュード
 ドビュッシー プレリュード1巻より アナカプリの丘

   《休憩》14:00~14:40

14:40~
 リスト メフィストワルツ第1番
 モーツァルト ソナタKV.310 a-moll

16:10~
 ベートーヴェン ソナタ第18番 op.31-3
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今回の公開レッスンを準備するに当たって、
前回、多くの曲で音楽全体を見渡すような内容になったので、
今度は、少ない曲数で、『出来ないときにどのような練習をするか』を
テーマとすることにしました。
生徒さんの年齢がいつもよりも高めで、小学生の生徒さんが居なかったこともあり、
学習者の立場で聴いて、より有用な内容であったような気もしますが、
これは、指導者は常に学習者でなくてはならない…という風に考えると、
むしろ当然のことなのかも知れません。

本番に向けての練習方法で、一番、印象に残ったのは、
「何度も何度もひく練習では、知らないうちに力が入ってしまい、
演奏会の前には、自分が上手くなったつもりでも余力がなくなってしまう」
ということです。
私自身も心当たりがありますし、きっと、そういう方は多いのではないかと思います。
「自分で考えて、どうやったら魅力的になるか」
練習のたびに、意識を持ってピアノに向かうことが一番大切。
当たり前のことのようにも思いますが、実際に常にそういう意識を持ち続けるのには、
高い目的意識や美意識が必要なのかな…という風にもおもいました。

タッチなど、音の扱いについては、
「砂の上を走っているように弾くのではなく、水の上を流れるように弾く」
「和音を余り強く弾くと、和音の色が飛んでしまう」
「オクターブは、鍵盤上に手を乗せておいて上げる」
などのお話が印象に残りました。

そして、この日のレッスンの最初から最後まで、先生が繰り返しおっしゃっていたのは、
音楽的な気持ちでピアノに向かい考えるということ。
「音楽が身体の中にあるとあがらない」
「音楽はどんな所でも歌う」
「良い音楽を弾こうという気持ちが一番大切」

これに関連して、レッスンの後の質疑応答の際には、受講された生徒さんから、
「音楽ってどうやってみつけたら良いのでしょうか」
という質問が出ましたが、それに対しては、先生ご自身が師事された
マルセル・シャンピ先生のお話を交えながらこうおっしゃいました。
「譜面の中に全部隠れている。弾かずに頭の中の音楽を聴くこと。
音楽的常識・ハーモニーなどを考えながら楽譜を見ること。
フレーズの中の、どの音が重くて、どの音が軽いかを考えること。
何を表しているか…は、余り重要ではない。」

言葉にすると、シンプルなことのように思えますが、
北川先生が、レッスンの折々に弾いてくださる一節は、
その場の空気を変えてしまうほどに素晴らしく、
音楽そのもので、これらの考えによって行き着く先を教えてくださいます。

次回は、10月7日。
お申し込みをお待ちしています。


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