The color of empty sky
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赤ちゃん出来ました。まだ2ヶ月。高齢出産だし、無事に産んであげられるだろうか。籍は入れない予定。頑張るよ、頑張る。
一緒に暮らしている男は帰りが遅い。 それを待ちながら私は、本を読み洗濯をしパソコンを弄って、天ぷらを揚げてキッチンで一人酔い潰れる。 しんどいので別れて下さいと告げたら、好きだから別れたくないと抱きしめられて返す言葉がない。 このまま一緒になり、家庭を築き普通の幸せを手に入れることになるんだろうか。 何人の人とこういうやり取りを繰り返したのかもう忘れてしまったけれど、実を結ぶことはなかったというのが唯一残る事実。
何の為に人を愛し尽くすのだろう。 人と触れ合うたびにその疑問が私の心を不穏にする。信じるということを私は忘れたのか、そもそも知らないのだろうか。
割と満ち足りて暮らしている気がし、
自己完結し過ぎていて、誰も幸せにはしていない気がする。
もう少し、何気ない日々のことを大事にして行かなきゃね。
気まぐれに優しくされたり必要とされることが心地よくあり辛くもある。
誰しも辛くて癒しを求めているのだという背中を、こちらに晒すのはやめて欲しい・・・
急に思い出した。 エンピツさんで日記を書き始めたのは、12年前のオリンピックのあったある日、雨の降る夜だったことを。 あの頃からいろんな事があった気もする、でも思い返してみたら大したことは何もなかったとも言える。
旅に出て美しい景色を眺め、恋に落ち手を握り見つめ合う時間を過ごし。 そしてその足元に朽ち果てた枯葉のような、後悔と悲しみが降り積もり腐りゆく。 これからもこうやって、実りなき根無し草の日々を送っていくのもいいかもね。
部屋に閉じこもって昔のことを思い出している。 今まで何も積み重ねて来なかったしこれからの先何も残す予定はない。 いつでも消えられるのだと思うと少し気持ちが落ち着いてまだもう少し頑張れそうな気になる。
遠くまで車を走らせて、知らない景色の中を通り過ぎながら、ぼんやりとする。 この景色は現実なんだろうか?
この頃たまに、自分の現実と非現実の境界が曖昧になることがある。 十代の頃は生きるのが辛かったし、二十代の前半は酷い生活をしていたし、後半も楽しい日々ではなかった。 思い返したくない気持ちが、過去の記憶と空想を歪めて繋げてしまっているんだろうか。 辛い事を思い出さない代わりに、今を生きている実感も感じなくなってしまった。
知ってるようで知らない街を車で通り過ぎながら、いつこの夢が終わるのだろうかとぼんやり考えている。 死にたくないけど生きたくもないまま、どこまで行くんだろう。
いつもお盆に梅酒を漬ける。 もいで食べられるぐらいに熟した梅で漬ける梅酒は、まったりと甘く長期熟成向きなのだが、先日実家に帰ったら去年のものがもう全部母に飲まれてしまっていた。 この頃は年だから、夕方に少し梅酒かワインを飲まないと食欲も出なくてご飯も作れなくてねという。
私が憎んでいた「親」だとか「家」というものは多分、姉と一緒にどこかに消えてしまったのかもしれない。 残っているのは、親の葬式を出すまではどうにか生き続けよう、という弟との約束だけ。
生き続けるのにきっと理由はいらなくて、生きているという一瞬を程々の感覚で続けて積み重ねてゆくだけなんだろう。
ぱたりと音を立てて冬が終わったみたいだ。 途端に積もっていた雪が溶けてゆき、湿った土が顔を出しにょきにょきと水仙の芽が並んで生え出している。 会社に行く途中、ふと道の脇に目をやると福寿草が咲いていた。 ひとつ見つけて歩き、違う庭でまた見つけ足を止めるの繰り返し。 春はなんだか楽しい。
先輩がB市に出張に行くという。 遠いなぁ行きたくねぇなぁと言いつつも、行ったことがないというから少しは楽しみでもあるらしい。 B市には姉が赴任していた時に何度か行った。何もない海と丘の果ての街。 いいなぁ、お土産はまんじゅうでいいですよ、とお願いしたら先輩は分かったよと笑っていた。
命日なのでお団子を買って実家に帰った。 私はもうあなたよりも年を取っているのに遺影に向かい合うとやっぱり子供に戻った気分になってしまう。 生まれ変わったらまたあなたの妹になります。でも今度はわがままばっかり言って甘えないであなたがあなたらしく生きられるように支えたい。だから今生はしばし別れて修行しますね。
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