かなしいうわさ
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早川義夫 「生きがいは愛しあうことだけ」
8月に出て買って、読まずに積んでいたものにやっととりかかる。 早川義夫の文章にはどうしようもなく心揺さぶられる。 盟友、佐久間正英さんについての文章が、もう...
あんなに好きだった読書も、通勤時間が25分になり電車に乗っている時間が 10分程度になったことでめっきり読む量が減ってしまった。 なんだか不甲斐ない気もするし、趣味というものはその程度の距離感でいいんじゃねーの、とも思う。 まぁ、日々の生活優先で。育児に家事に妻との会話。あと猫。 そこへいくと、音楽は暮らしに溶け込みやすいからいい。 まだ言葉も話さずひとりで立てない娘とカリプソで踊ったりもできるし。 木津茂里 /Shigeri Bushi
現役の民謡歌手による新譜。 気に入ってよく聴いている。
はじめは粗さのない薄味な歌に思えてしまったのだけど、しっかり音と向き合えば 心の凹凸にちょうどいいカタチをした歌がスッ、スッとはまっていくような、 あるべきところにあるべき声であるべき節で歌われているような、そんな歌だった。 青柳拓二や細野晴臣による沖縄風、レゲエ風...等々の洒落たアレンジも 「気が利きすぎている」気がして逆に物足りなさを感じたんだけれど、繰返し聴くうちに ていねいな歌をサポートするようにしっかりと寄り添っている音だと気づいた。 青柳拓次の名曲「つきのにじ」や、細野+キヨシローによるド名曲「幸せハッピー」等々も もちろんとてもいいけれど、本流の民謡曲に、心が吸い込まれていくような力を感じる。 次はこちらに寄った作品も聴いてみたいな。 試聴と解説、幸せハッピーの振り付け等はこちらより。 http://www.tuff-beats.com/shigeri_bushi/
2014年09月26日(金) |
ALBUM D’OR DE LA BIGUINE |
娘がハイハイするようになったので、部屋を大改革。 結果として、DJブースの真下に猫のトイレが配置されました。 かぐわしい薫りにむせびながらミックスするのもオツなものですが ウンコの上にレコードとか落とさないように気をつけます... なんかここ再開してから掲載してるジャケットの大きさがやばいですね。 勘が戻らなくてねぇ 今後は気をつけます ノ(´ー`) ORCHESTRE DE BIGUINE / ALBUM D’OR DE LA BIGUINE
気をつけました。 1930年代にキューバで流行った「ビギン」という音楽。 「おれわた」でカズ君に教えてもらって買いました。 『1966年暮れのある日、倉庫を改造したスタジオでラム酒を飲みながら一晩で録音された』とか書かれると興味湧かざるを得ないっすよ。 昔のキューバ音楽は「フィーリン」とか、古臭いけど強烈に新しくて格好良いものが多くて、 なかでも個人的にはこれが極め付けだと思う。 底抜けに明るくて、ときおりグッと切なくて、それでいて腰の揺れを止められない。 Quanticが今打ち込みでやってることと地続き、というか全く同じ。 クアンティックの「You Will Return」はもちろん、 デタミネーションズの「Under My Skin」とか ミュールトレインの「Almost Like Being in Love」と繋げてかかったらフロアで泣き踊ると思う。
コンピも結構な種類出てるみたいなので、今後「ビギン」掘ってみようかな。
音楽は求めるものを飽きさせないね。ほんとありがたい。 やなか珈琲のリキッドで作ったカフェオレを呑んで、おやすみなさい。
出勤時にカーティス聴くとカラ元気ではないやる気が湧いてくるし、帰宅時に聴くとやさしく疲れを溶かしてくれる。 若い頃は裏声で気持ちわりいな、とか思ってた。
南部サウンドはクソダルいなと思ってたし、 ブルース単調過ぎて飽きると思ってたし、 オールマンのフィルモアはテク垂れ流しだから敵だと思ってた。 今は南部サウンドファンキーなのにじわじわ泣けるし、 ブルース超スリリングで死ぬまで踊れるし、 フィルモアはどこまでも気持ち良い。 こういうのを、リスナーとして成長したとか言う人いるけど、 それよりも、経験と加齢からくる志向の変化だと思う。 歳とると魚や漬物が旨くなるのと同じ。それでいい。 歳とるのいいよ〜 Ry Cooder /Paradise and Lunch
図書館で借りたロック名盤ガイドで必ず出てきたライクーダーは高校生の俺には渋すぎて (だってパリテキサスのサントラとかが筆頭に挙がってんだもん、渋谷陽一この野郎) その後じわじわきて、40歳前にしてやんわり避けてきたこのアルバムまでやっと辿り着いた次第。 あぁ、わかりました、こうスポンジに染み込むようにジョワジョワ入ってくるね。 テックスメックスやハワイ、ブルーズ、ニューオリンズ、いろんな音楽のテイストが 「気持ちよさ」という価値観のもとにごった煮になってる。 ジャムバンドな耳で聴けば、気持ちよく大空へもぶっ飛べる。 意味わからないタイトルやジャケも「たしかに天国と昼メシとしか言いようがねえな〜」と思えてしまう。
あ、でもライのなかで一番好きなのは、ごった煮度は低めに スカッとヌケのいいブルーズをしみじみと演ってる「Boomer's Story」 あれは仕事から帰る時とかに聴くと、体の疲れがドバーっと蕩ける。
2014年09月01日(月) |
ハンバートと変なクンビア |
ハンバートハンバート/むかしぼくはみじめだった
キュートなところと容赦ない怖さが同居しているのがこのバンドの魅力だよなぁと思ってたんだけど、 「かわいさ」は残んなくてももう良いか、と吹っ切れたような、ド真ん中剛速球なアルバム。 打ちのめされた。 音楽的には依然ポップなフォークだけど、俺の頭ん中ではRage Against The Machineとかの近くの棚に置いてある。
Viento Callejero /Viento Callejero
うおーカッケー!燃える! ダラダラしたところが魅力のチカーノ・バットマンから ダラダラ成分を塩抜きしてダンス対応にアップデートしたような、適度にガレージな、踊れるクンビア。 ロス・ロボスがダビーなラテンやってる時に似てる。つまり最高。 永遠に腰触れるし、嫌いなわけない。 今一番ライブ観たい。
2014年08月29日(金) |
Sam Ahia /Sam Ahia |
Sam Ahia /Sam Ahia
渋谷タワレコでハワイの棚ボーッとみてて発見。 オールドタイムなハワイのスラックキーSSWと、リチャード・ナットを繋ぐ人 というような紹介のされ方だったので、衝動買い。結果、大当たり。 リチャード・ナットには所謂ハワイっぽさはほとんどないけど、 この人はあぁハワイで歌ってたら似合いそうだなぁ...と思わせるチルっぷり。 「これだ!」というキメ曲はないけど、イイ塩梅の曲が並んだナイスなアルバム かっこいい!じゃなくて、ちょっとダサい。適度にダサい。エエ具合のダサ味。 これから夏になったら、いや他の季節でも、たまに思い出したようにずーっと聴くと思う。 通販サイト見ると廃盤になってるけど、まだ店頭に1枚あったよ。お好きな方は是非。
ハワイものSSWっていまいち手がつけられないんだけど、どんな具合なのでしょう。 TONYとかアウディ・キムラとか、気になる。 アウディ・キムラはルックスも気になる。
娘が布団の上をゴロゴロ転がるのを直して、おやすみなさい。
2014年08月25日(月) |
Moreno Veloso /Coisa Boa |
妻、娘、猫をひたすら愛する毎日を経て、 広島の土石流で多くの被害者が出たり、日々発生する凶悪な事件をテレビで受けて 身を引きちぎられるようなつらさを感じるようになりました。 Moreno Veloso /Coisa Boa
ブラジルの至宝、カエターノ・ヴェローゾ。 その息子、モレーノ・ヴェローゾによる初のソロアルバム。 カエターノがメロウな気分に浸って、トロットロにとろけてる数枚に近い作風。 つまり、とてもいい。 カエターノの美声に敵うべくもないけど、どこか淋しげで、頼りなくも心にしみる、捨てがたい声をしてる。 魔法がかかったレベルの突出した1曲は無く、しみじみと良い曲が並んだ地味なアルバムになっていて、 その地味さが彼の雰囲気に合っていて、これがまたいとおしい。
ところで、最近同じnrtレーベルから出たLeo Tomassiniの「Arpoador」というアルバム、 よりトロトロカエターノに近い甘々な声質で http://www.nrt.jp/leo_tomassini/release_information_22.html (チェット・ベイカーやジョアンあたりも引き合いに出されてますね) 楽曲、演奏、アレンジ、全てにおいてすんばらしークオリティ、もう言う事ない名盤。 なのですが、 モレーノの隙が残ってる感じ、はかなげな感じ、そういったものに、より惹かれちゃうんだよな。 俺「地味」なアルバムが大好物だからな...ちょっと採点甘めかも...いやでもマジでいいです。 ところでラストに収録されているボーナストラック、はじけててメチャ格好良い曲(クラブで踊りたい!) なんだけど、アルバムの流れに全くそぐわず、超蛇足。でもいい曲。 カエターノがトロットロにとろけたアルバム、てのは例えばこれです。
今なら再発盤が1000円!タダみたいなもんだよウリャー
幸水を食べて、おやすみなさい。
2014年08月17日(日) |
よく聴いているアルバム |
Taxi Saudade /JA-BOSSA
買ってから必ず毎日聴いてる。 60歳の現役タクシードライバーのボサノバ。 めちゃくちゃいい。声がいい。本当にいい。 美声じゃないけど、この音にはこれしかないだろ、という声。 日本語でボサノヴァしてる人は、バタくさいか、オシャレ過ぎるか、歌謡曲ぽいものがほとんどで、 「それが良いんだよ〜」ということもあるんだけど、この人は全くそうではなく、 そのまんまなボサノヴァで...たとえばジョアン・ジルベルトを聴くのと同じように聴けてしまう。 この人の歌声には、本場ブラジルの老サンビスタと自然とシンクロしちゃったような味わいがある。たとえば、カルトーラとか。 歌詞はほぼ日本語。ボサノヴァの名曲を自ら日本語に訳して歌っていて、その訳もめちゃくちゃいい。 こちらも、名訳という感じでもない普通の言葉なんだけど、 キザで鼻につくよな感じもなく、オシャレさが全面に出た薄っぺらさもなく、おっちゃんの言葉そのまんま。 もう、こういうナマなまんまで迷いのない才能溢れちゃってる人には、かなわない。かなわないよ。 かなわないので、ひたります。
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