柚子の香に忘れてみたきことなどを溶かしてみたい心地続きぬ
遠い日の記憶から出た人のよに思えてならぬ再会もある
突っ張りも張り手もありで満員の電車はまるで異種格闘技
師走はや半ばも過ぎて黄落に乗り遅れてる銀杏を仰ぐ
華やかな笑顔の似合うその人の今宵祥月命日偲ぶ
羽子板を手にする人も少なくてテレビばかりが目立っておりぬ
穏やかな風に包まれ年重ね生きてることの喜びを知る