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■ マジメ≠カシコ
学生が相談にやってきた。
某予備校のパンフレットを手に 「先生、この国試直前講習に行った人の 合格率ってどれぐらいですか?」 「それを知ってどうするの?」 「率がよかったら受けようかなって」 「そんなデータ、出してないと思うよ」 「うちの学校の人だけでもわからん?」 「誰が行ってるか把握してないから 残念ながら、わからんのやけど 率がええってどのぐらいの事言うてるの?」 「うーん、8割とか9割ぐらいかな?」 「ほな、その不合格の2割に入らんという 自信はあんねんね?」 「えー、わからん・・・」
「行けば受かる」という お墨付きがほしいというのがそもそも軟弱。 受かるかどうかわからんから コツコツ努力するもんじゃないのか? 自分なりに「どうやったら国試に受かるか」 一生懸命考えた結果が 「合格率の高い予備校の講習に行く事」とは。 これは受身なのか、はたまた 主体的に考えて行動してると言うのか。
「受かるかどうかわからんけど できるだけの準備をと思って講習に行く」 というのならまだしも 率が低かったらやめようかなって、ねぇ。 データがあったとしても なんで合格率8割なら良いのか 残りの2割に自分は入らないと思ってたり 基準はあやしい。
仮に去年全員合格したとして だから今年も全員合格だなんて保障は どっこにもない。 失敗はしたくないけど どうしたらいいかわからなくて 数字で結果が出てたら 何となく説得力があるからとそこを信用する。 で、不合格になったりしたら 「確率は8割って言ってたのに・・・。」と ぶつぶつ言ったりする。 判断の責任はどこにある?
何を信じて努力するかは その信じる対象を信じると決めた 自分を信じることなんだと思う。 結局学生は自分を信じる事ができてない。 「科学的根拠に基づいた看護を提供できる人材」 を育てたいと教育理念にうたってるけれど 何が科学的根拠か、それもあやしい。 どっかの新書で「医学は科学ではない」 みたいなのがあったけど 医学のデータはほとんど「確率」という数字で 「確率」には結構トリックがあったりする。 数字で出る結果が真実とは限らない。
世間ではTV番組にだまされて 納豆を沢山買ってしまった人たちが怒ってるけど 結局自分の判断で納豆を買ったのに 自分の判断は棚に上げて文句を言ってる。 普通に考えて納豆だけで痩せるか? そりゃ、1日3食納豆だけなら痩せると思うけど 他のものも食べてんでしょ?
昔からココアとかにがりとか寒天とか TVで取り上げられたモノに人が殺到してるけど 鵜呑みにすると結構罪作り。 盛り上がって話題にして楽しむだけならまだしも 臨床時代に毎日修行のようにココア飲んだり 寒天食べてる先輩がいて、私も色々勧められた。 生理学と栄養学の知識がある看護師ですら こうなのかと驚いた事がある。
マジメとカシコの違いを感じる。
2007年01月21日(日)
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