夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2010年04月21日(水) 「竹田の子守唄」尽くし

 今夜、星ヶ丘「スローブルース」の「生音くらぶ」に<沙羅双樹ふたたび>として参加。『竹田の子守唄(元歌)』『竹田こいこい節』『竹田の子守唄』の3曲を演奏した。出来はいまひとつだったな。演奏のスタンバイをしている際に、ミンミンのストラップがはずれ、ミンミンの音がだいぶ狂ってしまうアクシデントが発生。その場での調整は困難なため、応急処置を施して、演奏に突入。だが、それですっかり動揺してしまい、集中力を欠いた演奏になってしまったので、とても悔やまれた。
 さて、今夜演奏の『竹田の子守唄』だが、京都の竹田地方のいわゆる被差別部落に伝わる民謡を1970年代に<赤い鳥>というフォークグループが取り上げたことで有名になった曲である。一般によく知られた『竹田の子守唄』は現代風にアレンジされているが、哀調を帯びたその旋律はとても美しく、心に沁み入ってくる。「同和問題」に抵触するとして、一時期「放送禁止歌」(放送局が放送を自粛した曲)とされたが、名曲として多くのアーティストに取り上げられた曲でもある。
 この『竹田の子守唄』、子供をあやす歌というよりは、守り子が自らの境涯を嘆いている歌であり、恨み節であり、ワークソングでもある。ある意味でブルースと言ってもいい。貧しい家の幼な子が口減らしのため奉公に出され、奉公先の赤子を子守するわけだが、子供にとっては辛い日々の生活を強いられ、逃げ場がない。そのギリギリのところから口をついて出てきた言葉が歌となり、口伝えで民謡として広まってきたのだろう。
 俺たちが好きな日本のロックバンドのひとつ<ソウル・フラワー・ユニオン>が現代風の『竹田の子守唄』の他、元唄とされる『竹田の子守唄(元歌)』と、そこから派生したとされる『竹田こいこい節』も取り上げているのだが、今回その3曲をやってみようと意気込んだ。今回の出来はあまりよくなかったが、今後も歌い続けていきたい3曲である。
 



2010年04月14日(水) クラリネット専門店

 ネットサーフィンしていたら、名古屋市瑞穂区内にあるクラリネット専門店「ハーモニー」のホームページに行き着いた。好奇心旺盛でもある私は、ホームページでの情報を頼りにお店を探し歩いて、だいぶ迷ったあげくに探し当てた。店内から聞こえてくる美しい音色にうっとりしながら、店に入る。店主のワンポイント解説を聞きながら、楽器はどれも奧が深いと思ったね。



2010年04月13日(火) <姥捨>再演

 ハポン劇場プロジェクト公演『姥捨』(作・演出・主演:原智彦)を観に、鶴舞「K.D.Japon」に出掛けてきた。今夜は初日の舞台で、知久寿焼(元「たま」)による弾き語り付きだ。5年前のハポン劇場プロジェクト結成時に初演の『姥捨』が、今回再演された。知久さんの生演奏も含め、原さんの独得の世界観が展開され、単純に観て楽しい作品だ。能の『姨捨』や深沢七郎の『楢山節考』などともオーバーラップしてくる。この夏はインドネシアでも公演するそうな。
 それと、言い忘れてはならないのは、知久さんの生み出す音楽の力の大きさだ。やわらかなギターにのせて知久さんの歌声は空間をやさしく包み込んでいく。この人の創り出す空気は他に替えがたい。
 ハポン劇場プロジェクトは、年末には、名古屋能楽堂でパンク歌舞伎『マクベス』の公演も予定されているとのこと。この時の音楽担当は豊田のロックバンド<タートル・アイランド>ということで、それもまた楽しみだ。
 



2010年03月28日(日) 女だらけのアコースティックライブ

 本郷「アルマジロ」で行われた<女だらけのAcoustic Live!>を観に行ってきた。
 出演は、樋口智美、ピロリルラビーン、gako、ichiko、プリンセスフラワーズの5組。
 なかで樋口さんの存在感は際立っているが、今回最も印象に残ったのはgakoさんの楽曲。自らの故郷に対する心情を歌った『ひろさきの唄』はgakoさんを印象づける名曲だと思えたし、『マタニティー』は妊娠5ヶ月という現在のご本人の思いがストレートに伝わってくる作品だ。何よりひたむきに歌う姿勢に好感が持てる。
 今回出演の5組全体について思ったことも綴っておこう。まずは、皆さん、それぞれにいい声をしてらっしゃると感じたね。それと、男性では醸し出すことのできない女性ならではの、やわらかさだとか華やかさだとかいった雰囲気は共通性がある。その一方で、それぞれに個性は感じられ、その違いを楽しむこともできたね。会場全体もいい雰囲気で、とても楽しいライブだったよ。



2010年03月16日(火) 山口洋&細海魚

 今夜、山口洋&細海魚ライヴを伏見「ハートランド」に観に行ってきた。ヒートウェイヴの、ギター&ヴォーカル担当と鍵盤担当の二人によるライヴだが、フルバンドとも山口ソロとも違った雰囲気を十分に楽しんだ。山口&リクオのデュオともまた違った印象だったな。あえて言うなら、山口ソロに細海が色を添えた感じとでも言うのかな。
 ヒートウェイヴ関係のライヴはここ数年は年2〜3回観に行っている。それでも毎回新たな発見があり、決して飽きることはない。何よりヒートウェイヴの曲が好きなんだよな。生きるのが下手な人間の日常をスケッチしたかのようなタッチの曲、だけど決して絶望することなく生きていこうじゃないかとやさしく語りかけているような曲の一つひとつに共感を覚えるんだ。いい曲がいっぱいあるのに、人々にあまり知られていないのが残念でならないな。



2010年03月14日(日) マリンバ、ビブラフォン、チューバ

 昼間は、CBC八事ハウジングのイベント会場で行われた【MALLET×PIT】(マレット・ピット) の野外ライブを聴きに行ってきた。宅間善之・宅間政彰による、兄弟マリンバ&ヴィヴラフォンデュオの演奏だったが、いずれの楽器も間近で見るのは初めて。とても美しい音色であるが、時に情熱的に奏でられ、聴き応えのあるステージだった。観覧無料ということで気軽に聴きに行ったわけだが、1時間弱のステージを十分に楽しんだ。
 一度帰宅し、夕方からは御器所「なんや」で行われた関島岳郎チューバ・ソロライブを聴きに行った。脇役的イメージの強いチューバをソロでどのように演奏するのかと思いながら出掛けていったのだが、低音でありつつ重く迫力ある響きを感じさせるこの楽器の魅力を十二分に堪能した。関島さんは<渋さ知らず><シカラムータ><栗コーダカルテット>等のバンドにも参加、あらゆるアーティストとも共演されている実力者である。グレートバスリコーダーなる珍しい楽器も演奏された。いわゆる低音の魅力ってやつに感応させられた夜だった。



2010年03月10日(水) 友部正人&三宅伸治

 今池「TOKUZO」に友部正人&三宅伸治ライブを観に行ってきた。独得の詞世界を確立している友部さんに、忌野清志郎さんとも親交のあったロックンローラーの三宅さんがいかに絡むのかが楽しみのライブだったが、意外な組み合わせもなかなかに味わいがあったよ。
 友部さんは詩人としての評価も高い人だが、彼の生み出す詞世界とともに、彼の醸し出す雰囲気が人々の心をやわらかく包み込んでいるような印象をあらためて感じた。彼の存在そのものが詩ではないかと思ったね。
 思わずふたりのライブアルバム『ロックンロール、やってます』も買ってしまったよ。



2010年03月08日(月) ミニ琴

 名古屋市内のある文化教室の体験講座に行って来た。表題のとおり「ミニ琴」。文字通り琴のサイズを小さくしたもの(約半分)を弾いてみようということなのだが、簡単すぎてつまんないというのが率直な感想。すぐに曲弾きできてしまうというのも、いまひとつ張り合いがないし、習う動機づけはまったく得られなかった(習うつもりもあまりなかったけどね)。まったくの楽器初心者には取っつきやすいとは思うけど、既に何か楽器をやってる人にはおすすめできないな。どうせやるなら、琴に挑戦してみたほうがいいと思うよ。まあ、あくまでも個人的な感想ではあるけれども、ね。



2010年02月25日(木) どん底

 愛知県芸術劇場(小ホール)に、俳優館公演「どん底」(原作:ゴーリキー、演出:鐘下辰男)を観に行ってきた。原智彦さん(元「スーパー一座」座長)も出演されていたので観に行ってきたのだが、とても見応えのある舞台だったよ。
 20世紀初頭のロシア、木賃宿を舞台に吹きだまりに暮らす貧困層の生きる哀しみを描ききったゴーリキーの戯曲が、鐘下辰男演出で見事なまでに再現されたと言っていい。ためいき、つぶやき、嘆き、怒り、悲しみ・・・、負のエネルギーがうずまく真っ只中にありながらも生きていかねばならぬ「どん底」の人々の姿が浮かび上がってくる舞台。これほどまでに感動的な舞台作品は久しぶりな気がしたな。



2010年02月23日(火) 朝日楼

 今夜は、一人で本郷「アルマジロ」のアコースティック・ナイトに参加。『−10℃の恋だから』(オリジナル)、『限りない欲望』(井上陽水)、『朝日楼』(浅川マキ)の3曲を演奏。
 先月浅川マキさんが亡くなられたということを後々知ってショックを受けた俺。寺山修司に見いだされた彼女だが、日本国内に於けるアンダーグラウンドを主体とした音楽活動の第一人者として、圧倒的な存在感を持っていた。ものすごくかっこよかった。憧れのアーティストの一人だったな。今はただご冥福を祈るばかり。


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