君は、石川さゆりの『天城越え』を生で聴いたことがあるかい? 何の因果か、俺は石川さゆりの歌声を聴くこととなった。と言っても、彼女の単独コンサートででもなければ、演歌のイベントででもない。紛れもないロック・フェスの場で、何故か石川さゆりのステージを観ることとなった。 実は昨日、京都・梅小路公園で行われた「京都音楽博覧会」なるロック・フェスティバル(くるり・主催)を観に行ってきた。出演は、ふちがみとふなと、ベン・クェラー、矢野顕子、ボ・ガンボ・スリー(フィーチャリング・ラキタ)、奥田民生、石川さゆり、くるり。 まずは、石川さゆりの話題から。知名度の点では他の出演者を遙かに凌いでいる(好みは別として、日本に住む人で石川さゆりの名前を知らない人のほうが少ないんじゃないかな)が、恐らく彼女を一番の目当てに「音博」に出掛けた人はきわめて少なかったろう。くるりファン、矢野顕子ファン、奥田民生ファン・・・、それぞれ一定の人数はいて、目当てのアーティストのステージを楽しみに集まってきたのだと思う。目当てのアーティストの出番ではステージ近くで立って聴き、それ以外の時には後方でビニールシートに腰掛けて聴くというような使い分けを、多くの人はしていたのではないだろうか。くどいようだが、石川さゆりを一番の目当てにして来た人は皆無に近いと思う。でもね、恐らくフェスティバルで一番の盛り上がりを見せたのは、石川さゆりが『天城越え』を高らかに歌い上げた瞬間であった。他のアーティストのステージの時には見られない盛り上がりが確かにあった。「こんなところで石川さゆりのステージを観ることができて、ちょっとラッキーかも」、そんな気分を多くの聴衆が抱いたのではないだろうか。俺自身がそんな気持ちだったからね。 まぁ、それはそれとして、個人的にいちばんよかったと思ったのが、ボ・ガンボ・スリー(フィーチャリング・ラキタ)。1990年前後のバンドブームの頃、どんと(故人)をリーダーとしたロックバンド<ボ・ガンボス>は、アメリカ南部のテイストを感じさせる独得のサウンドで、バンドマンたちの憧れの存在であった。1995年にバンドは解散、2000年にどんとは他界するが、未だにコアなファンは少なくない。ボ・ガンボ・スリーはどんとを除く3人のメンバー、それに今回はどんとの息子であるラキタがギターで参加。演奏されたのは<ボ・ガンボス>の曲。どんとの偉大さは一方で感じながらも、かつての<ボ・ガンボス>とはまた違った味わいを醸すことに成功している彼らに大きな拍手を贈りたいと思った。それと、あらためて聴いてみて、<ボ・ガンボス>の音楽の素晴らしさというか、優しさのようなものを感じたね。 あと、奥田民生やくるりは、それぞれマイペースながら彼らの独自のサウンドを展開。奥田さんや岸田さん(くるり)の声って、結構好きなんだな。というか、心から音楽を愛しているっていう雰囲気が伝わってくるのもとってもいい感じだね。 雨の心配もあったけど、何とか一日天気は大きく崩れることなく、野外の秋フェスは盛況の裡に終了したよ。
で、今日は、三十三間堂を観てから、駅ビルで昼食を済ませて、さぁ帰るぞ、という時に吹奏楽が聞こえてきて・・・。駅ビル内の広場で関西の各大学の吹奏楽部が順番に演奏をしていたので、しばらく階段に腰掛け、聴くことにした。クラシックではなく、ポップスだったが、聴き比べると演奏力の差なども見えたりして、ちょっと勉強になったかな。
ロック・フェス込みの旅行というのも、これはこれで楽しい経験だったよ。
2009年09月11日(金) |
メイン・ビーチのならず者 |
8月下旬に<ソウル・フラワー・モノノケ・サミット>のライブを観に行ったばかりなのに、今日は<ソウル・フラワー・ユニオン>のライブを大須「E.L.L fits ALL」に観に行っちゃった。 ギタリストが河村博司から高木克に替わったことで、バンドの色彩も若干変化してきたような、ロック色がやや強くなった気がした。けれど、大まかに言って民謡やルーツミュージックとロックの融合とでもいうべきバンドの性格というか根本は変わっていない。メッセージ性の強さは持ちつつもエンターテイメントに徹したステージングという点も変わっていない。いつ聴いてもソウルフラワーはたまらなくカッコいい。 これぞ、日本のロック! 日本が世界に誇るべき現代の日本文化であると、私は思っているのだが・・・。 最新アルバムと最新マキシシングルを買って、メンバーのサインをもらってから家路につく。しばらくは、ライブの余韻に浸っていたい。
裏庭企画公演『女子のアナ』を、新栄「pHー7地下劇場」に観に行ってきた。出演者はすべて女性だが、灯乃湿の脚本じたいが女性中心のキャスティングを前提としており、独特の世界観を映し出している。「劇団pHー7」とはまた違った感じのアングラ芝居だね。 昔「劇団pHー7」で共演した女優・真貴誉がいい感じで弾けていたのが印象的だった。
実は、昨日から短期集中の「シナリオ実作講座」(NHK文化センターと愛知淑徳大学の提携講座)を受講している。「シナリオ」もしくは「戯曲」を実際に書いてみようということで、昨日から今日にかけて宿題も出ていた。昨日の夜は遊び歩いていたので、今朝早起きしてとにかく書けるだけ書いてみた。今日の講座では、受講者全員の作品を取り上げ、批評を言い合うということが行われ、気づかされることもあった。 で、一番に思ったのは、まずは書き始めないことには何も始まらないということ。それは至極当たり前のことだ。実は書き出す前から「書けない」と無意識的に思い込んで足踏みしていたんだ、とあらためて思った。最初から成功作なんて書けなくていい。とにかく失敗作を数多く書くなかで学んで行くしか、他に近道はないのだろう。 何であれ創作には「産みの苦しみ」が付き物だ。もうすぐ芸術の秋、その「産みの苦しみ」を味わってみるのも悪くない。苦しみがいつか喜びに変わることを信じながら。
2009年08月28日(金) |
モノノケ & 新良幸人withサンデー |
今日は待ちに待ったソウル・フラワー・モノノケ・サミットのライブの日。壮士演歌、労働歌、民謡、昔のはやり歌などをレパートリーにしたチンドン編成だ。来月前半に本体のソウル・フラワー・ユニオンのライブに行くことがかなり前から決まっていたので、当初は「今回のモノノケのライブはパスしよう」と思っていた。けれども、新良幸人withサンデーがゲスト出演するというので、思い切ってこちらも電話予約してしまったというわけだ。 モノノケも最高だったけど、今回は新良幸人の三線に魅せられてしまった。あんな三線は聴いたのは初めてだ。最初のバチさばきで完全にやられちまったよ。最後、モノノケ&新良幸人withサンデーの全員で『満月の夕』が演奏された時には、もう気持ちの高ぶりをどうすることもできなかった。とても素晴らしい夜だった。
2009年08月22日(土) |
POEDSHI リターンズ |
みおよしきさんから久しぶりに連絡をいただいた。「今日<POEDSHIリターンズ>に出演するので、よかったら来て欲しい」旨。仕事を早めに切り上げ、今池「TOKUZO」に急行。開演時間に何とか間に合った。出演は、桑原滝弥、加久裕子、若原光彦、葉月之寛、鈴木陽一レモン、姫ひょっとこ、野口あや子、ISAMU、江藤莅夏、みおよしき。 みおさんはトップバッター。「家庭用核兵器」の詩が面白かったな。 あと、ISAMUさんの、亡くなられたお父さんを詠んだ詩は泣かせるぜ。 それと、若原光彦さんの醸し出す独特な世界、いつも思わず聞き入ってしまう。 詩人達と会うのも久しぶりだった。俺自身、詩作からは離れてしまっているが、また気が向いたら書くよ。
今日は、5連休の最終日。中川区(名古屋市)にあるうなぎ屋(音楽仲間のやっさんのご家族が経営している店)に行き、うなぎ料理を食べてきた。私が注文したのは、相盛丼(普通のうな丼に、さらにうなぎの肝焼きが入っている)。明日からの出勤に備えて、精をつけていたゼ!
昨日から山梨に帰省中の私。去年のこの時期にはお隣のおばさんが亡くなられて、厳しい暑さの中、葬儀に出たよな。あれからもう一年経ってしまったんだよな。ホントに一年なんて、アッという間だね。 今日は、叔父の家族と連れだって、新道峠という所に行って来たよ。ここからの眺めはサイコー! 正面にクッキリと夏山の富士、眼下には河口湖。ホントに絶景だった。 それにしても、お盆の帰郷って、いろんなことを考えさせられる。普段は忙しさに紛れて忘れていることもいろいろとね。ぶどうをついつい食べ過ぎてもしまうんだけど。
2009年08月12日(水) |
盆・イン・ザ・スローブルース2009 |
世間では既にお盆休みになってる方もいるみたいだけど、我が職場はローテーション勤務なので最大でも5連休がいいところ。明日は仕事なんだけど、今日は休みだったので、夜は星ヶ丘「スローブルース」の「生音くらぶ」に参加。まっちゃんからも「今日、『生音』に行きます」と連絡が入ったので、まずはまっちゃんと沙羅と私とで星ヶ丘の居酒屋で乾杯。20時前に「スローブルース」に乗り込む。 まっちゃんは、カーティス・メイフィールドやサム・クックの曲をカバー。と言っても原曲のカバーではなく、彼らの曲を友部正人さんや島袋優さん(ビギンのギタリスト)が日本語訳にしたものをカバーしていた。友部さんや島袋さんの音楽はその人柄が滲み出てとても味わい深いものとなっているが、まっちゃんの奏でる音にも同様のことが言えて、いい感じだったな。 <沙羅双樹ふたたび>は、今夜も3曲演奏。まずは、夏撃波ソロで『トランジスタ・ラジオ』(RCサクセッション)。いつもは間違えたことのないところでミスをしてしまったよ。2曲目は、沙羅のピアノ、私のボーカルで『愛は私の胸の中』(喜納昌吉)。3曲目は、沙羅のギター、私のピアニカ&ボーカルで『夢の島』(どんと)を演奏。まぁ、まずまずってところかな。 他の方もハイレベルな演奏を展開。いや、「生音」はホント、レベルが高いよ。明日の仕事は憂鬱だけど、気持ちのよい夜だったよ。
今日は、初めてのレッスンの日。何を習い始めたかは、今のところ秘密にしておこう。いつかその成果を発表できる時がきたら、打ち明けるとしよう。 初めてのものは何事も難しいが、いつか自分の思い描くような形にしていけたらいい。そのための第一歩をようやく踏み出したということだね。
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