今夜、中京大学市民文化会館に中国障害者芸術団の公演を観に行ってきた。私が現在勤めている福祉施設に招待券が送られてきており、私も行くことになったのだ。なかで「千手観音」の演目がよく知られたこの芸術団だが、二十数名の聴覚障害者による一糸乱れぬ「千手観音」の踊りは圧巻だ。他の演目も、十分に鑑賞にたえうるレベルだったとは思う。だが、いまひとつ感動が湧いてこないのは何故なんだろう? 公演内容そのものへの評価というより、「障害者を持っていながら、あそこまでできるのは凄いね」とでもいう点が評価されている、そんな印象を強く持ってしまったからだろうか。 「障害者」ということで言えば、先頃ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した全盲のピアニスト・辻井伸行さんが、最近巷でも話題になっている。確かに「全盲の」が枕詞のように使われてはいるが、あれは障害がどうのこうの言うレベルではないだろう。テレビで演奏している場面を見た時の私自身の感想は「あの指使いは、信じられない」「凄いとしか言いようがない」といったもの。楽器の演奏に何らかかかわる人間からすれば、あれは神業として映るのではないだろうか。今はまだ「全盲の」という言葉が前面に出ているが、いずれ「全盲」であることよりもピアニストとしての力量が大いに語られる日が来るのではないだろうか。 レイ・チャールズやスティービー・ワンダーといった世界的アーティストは、その音楽性がそのまま正当に評価され、彼らが「視覚障害者」であることは半ば忘れられているように思う。彼らの音楽の持っている力、その背景には「視覚障害者」として生きてきたということも多分に含まれてはいるのだろうが、音楽そのものが評価されているのは、彼らの音楽がきわめて高いレベルに達しているからだろう。 音楽活動を細々と続けている私には、レイ・チャールズやスティービー・ワンダーのような才能もない。けれども、私の低いレベルであっても聴いている人に何らかの感動を届けられたらと思う。才能がないのなら、あとは捨て身でいくしかないのだろうな、きっと。
三沢が死んだ! プロレスリングノアの社長兼プロレスラー・三沢光晴(46歳)がリング上で、試合中の事故で・・・。あらためて、死と隣り合わせの闘いが日々繰り広げられてきたことを思う。 三沢選手を生で観たのは2回。三沢コールとともに登場し、熱い闘いを展開してきた三沢。46歳ってことは私とさほど変わらないんだよな。見た目は「おっさん」然とした三沢だが、リングに立つと誰よりも輝きを放っていた。心からカッコいいと思った。もうあの勇姿を観ることはないんだな。 衝撃と共に、プロレスラー・三沢光晴の死を受け止めきれないでいる。
2009年06月07日(日) |
アート・ロック・ナイトin名古屋 |
今日は夜勤明けで疲れ気味ではあったが、「アート・ロック・ナイトin名古屋」なるイベントを観に、新栄「クラブ・ダイアモンドホール」に行って来た。コピーバンド7組によるライブだ。 コピーバンドと言ってナメてはいけない。世の中には演奏力に優れた素人が結構いるもんだ。アイアン・メイデンやキッスはサウンド的に好みではないがそれなりに面白く聴けたし、サザンオールスターズはさすがに曲がよく知られており、客席もそこそこ盛り上がっていた。ソウル畑からもシュープリンムスのコピーバンドが登場し、ロックバンドとは違った空気をつくり出していた。 この日、特にいいと思ったのは、プログレッシブ・ロック・バンド「エマーソン、レイク&パーマー」のコピーバンドだ。ELPのコピーをすること自体、すでに高い演奏力が求められているわけだが、その演奏を聴いてあらためてELPを聴きなおしてみたいと思った。 それと、トリをつとめた「レッド・ツェッペリン」のコピーバンドだが、何と言ってもボーカルが素晴らしかった。還暦に近い年齢の方が思いっきりシャウトする姿はなかなかよかったよ。 隔月くらいにこんなイベントをやっているらしいので、また覗いてみようと思う。
連休2日目、ホテルをチェックアウトした足で、二条城を見学。昼食を済ませてから、新幹線で名古屋に戻ってきた。 ひと休みした後で、今夜は愛知県芸術劇場(大ホール)に出掛けた。美輪明宏・主演の舞台『毛皮のマリー』を観に行ってきた。そのむかし寺山修司が美輪をイメージしながら書き下ろしたとされるこの作品だが、今回は麿赤兒(舞踏家、「大駱駝艦」主宰)、若松武(元「天井桟敷」役者)といった共演者の名前に惹かれてチケットを購入していた。よく考えてみると麿を生で観るのは今回が初めてだったが、その存在感には圧倒されるものがあった。だが、この芝居でよかったのはそれぐらいで、美輪やその相手役の新人の演技は決してよくはなく、期待を大いに裏切られた気分だ。 カーテンコールの際、客席前方のお客はスタンディングオーべーションをしていたが、どう考えてみてもそれほどの好演には思えない。「カルト宗教の集会か?」と思ってしまったよ。自称「美輪ファン」たちが結果として美輪を甘やかしてしまったところもあるのではないか。私だって美輪ファンに違いないけれども、いやファンだからこそ「よくないものはよくないのだ」と(「いいものはいい」とも)言いたい。ファンであればこそ、美輪を「裸の王様」のままにしておいてはいけないのだ。1万円以上の決して安くないチケットを買っているから、なおのこと厳しく評価しなくちゃいけないのだとも思う。
2009年06月04日(木) |
HEAT WAVE TRIO |
ヒートウェイヴを追いかけて、京都のライヴハウス「拾得」までやってきた。昔の蔵をそのまま利用したライヴハウスは、暖かみのある空間で、とってもいい雰囲気を醸し出している。ステージと客席の一体感もいい感じ。 ここ2〜3年、ヒートウェイヴ絡み(というか山口洋絡み)のライヴには6回ほど足を運んでいる。1回ごとにライヴの印象も異なり、引き出しの多さというか、懐の深さを感じさせるヒートウェイヴ。今回はバンドのフルメンバーが揃ったわけでなく、細海魚(キーボード)を除いた3人(山口洋:ギター&ヴォーカル、渡辺圭一:ベース、池畑潤二:ドラムス)によるライヴだ。トリオでの生演奏は初体験だったので、とても楽しみであった。 期待通り、いや期待以上の、トリオならではの緊迫感あるステージに、気持ちは大いに解放された。酔い覚ましにホテルまでの道のり、夜風に吹かれながら帰ってきた。
2009年05月25日(月) |
竹田の子守唄(元唄) |
今夜は、本郷「アルマジロ」の「アコースティック・ナイト」に<沙羅双樹ふたたび>として参加してきた。 まず、1曲目はミンミン2本で『竹田の子守唄(元唄)』。赤い鳥で有名になった京都地方の民謡『竹田の子守唄』の元唄とされるもの(ソウル・フラワー・モノノケ・サミットのCDに収められたものを参照した)を演奏してみた。 2曲目は、めおと楽団ジギジギの曲『小舟』をカバー。ギター:沙羅、ピアニカ&ボーカル:夏撃波で演奏。 3曲目では、ギター:沙羅、ギター&ボーカル:夏撃波で、ブルースの名曲『NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN & OUT』を演奏。 課題はあれど、まずまずの演奏はできたかと思う。
今日は、俺の誕生日。誕生日プレゼントとして、沙羅から『忌野清志郎ギターソングブック』をもらったよ。 それと、今夜は今池「得三」で行われた「鍵盤女」なるライブに出掛けてきたよ。出演は、中ムラサトコ(足踏みオルガン・太鼓・歌)&鈴木亜紀(ピアノ・歌})の二人。それに、リクオ(ピアノ・ピアニカ・歌)がゲストで参加。 リクオのピアノにはあらためて圧倒されたが、他の二人の演奏が期待以上に素晴らしかった。楽器の演奏力といい、ボーカルといい、それぞれに個性的なステージングといい、どれをとっても素晴らしかった。「鍵盤女」、すっかり気にいっちまったよ。 ワインもたくさん飲んで、ほろ酔いのいい気分で家路についた夜だった。
2009年05月20日(水) |
ノーバディー・ノウズ・ユー |
今夜は、沙羅とともに星ヶ丘「スローブルース」の生音くらぶに参加してきた。 まず、1曲目は沙羅のピアノソロ。ジャズの名曲『I REMEMBER CLIFFORD』を披露。2曲目は、ギター・沙羅、ピアニカ&ボーカル・夏撃波で、『小舟』(めおと楽団ジギジギ)を演奏。3曲目は、ブルースの名曲『NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN & OUT』を2本のギターで演奏。この曲、実は6月28日に沙羅がピアノの発表会で演奏予定の曲だが、今回はギターで披露。課題はあれこれあったが、ひとまず何とか終えてホッとひと息。でも、次回はもっとうまく演奏できるといいなぁ。
2009年05月09日(土) |
新型インフルエンザの衝撃 |
このところ新聞紙上を賑わせている新型インフルエンザについて。 これまで「水際対策」なるものが展開されてきたが、国内外での人の往来が頻繁になっている現代において、それだけの対策ではやがて破綻するであろうことに、政府は気づかなかったのだろうか。最悪な場合もシミュレーションした上で、いかに冷静に対処できるかが問われているのだと思うのだが、あらゆることが空回りしているように思えてならない。 最悪のケースというのは、ある程度新型インフルが流行した場合のことである。そうした場合の医療体制が一番に懸念される。適切な治療が施されることによって問題を最小にすることもできると思うのだが、仮に診療拒否という事態があちらこちらの医療機関で起こってきたとしたら、さらに最悪な結果がもたらされるのではなかろうか。これは単に医療機関だけの問題ではない。政治・行政の対応いかんにかかっていることは間違いないが、国民の意識の持ち方ひとつで事態は変わってくる。確かに大変な状況に違いないが、ここでパニックに陥らず、いかに冷静になれるかが問われているのだと思う。
毎年この時期楽しみにしている原智彦プロデュースの「ハポン劇場」を観に行ってきた。今年は『草枕』、夏目漱石の『草枕』をモチーフとした舞台作品だ。 芝居を観るのも久しぶりだが、鶴舞高架下の「K.D.Japon」の空間で繰り広げられる濃密な舞台に酔いしれた。原さんの存在感は今更言うまでもないが、今回共演された伊藤みづめさん(原さんとともに「スーパー一座」の創立メンバーであり、その後「名古屋むすめ歌舞伎」でも活躍された)の参加により、締まったいい舞台になったのではないだろうか。 早くも来年が楽しみな「ハポン劇場」であった。
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