夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2008年12月16日(火) シャイン・ア・ライト

 マーティン・スコセッシ監督による音楽ドキュメンタリー映画『SHINE A LIGHT』を観に行ってきた。収容人数2800のニューヨーク・ビーコン・シアターで行われたローリング・ストーンズのライブの模様を中心に構成されたドキュメンタリーだが、臨場感あふれる映像には思わず圧倒される。特に、ブルース界の重鎮・バディー・ガイとストーンズの共演のシーンには、ストーンズ・ファンならずとも大いに感動させられるのではないだろうか。
 ストーンズを撮った映画で、後にも先にもこれ以上の作品は出ないのではないか。そんな感想を抱かせるほどに、すぐれた作品である。だまされたと思って、一度ご覧あそばせ。



2008年12月14日(日) <ぐるぐる詩の輪> in jaaja

 詩の朗読会<ぐるぐる詩の輪> が本日開催されるとの情報を得、覚王山「喫茶jaaja」に沙羅とともに出掛ける。
 <沙羅双樹ふたたび>で「夢の島」(どんと)を演奏。また、マサルさんが死の直前に残された言葉に触発され、沙羅が作った詩を朗読。
 参加者はさほど多くはなかったが、日曜の昼下がりのまったりとしたひとときであった。



2008年12月12日(金) マサルさんのお葬式

   みなが同じ喜びの道を歩んでいけるように。
  心はどんな線引きもせず未来へ、ただ未来へ
  続く祈りの静かな形でいいんだ。病気よ来い!
  苦労よ来い! 仲間もたくさん集まってるぜい。
   まさる

 12月9日、歌舞伎昌三こと岡田昌さんが亡くなられた(享年47歳)。「末期ガン」の告知を受けて4年、力強く生きてこられたが、ついに命尽き、息を引き取った。冒頭の言葉は、マサルさんが最後に書き残したものだという。その言葉の重みをいま強く感じている。
 マサルさんとはさほど深い付き合いがあったわけではない。お会いしたのも、「pHー7プロデュース・ダンス公演」と数回の「ソウル・フラワー・ユニオン(orモノノケ・サミット)」ライブ、それと山口洋ライブ(in亀山「月の庭」)の時くらいだ。だから、舞踏家・歌舞伎昌三としての顔と、オーガニック・レストラン「月の庭」店主としての顔を少しばかり知っている程度とも言える。そして、末期ガンに冒されていたということも。この人のどこにエネルギーが宿っているのかと、不思議にも思っていた。もしかすると、末期ガンというのも何かの間違いに違いないとさえ思って、半ば信じてもいた。けれども、ついにその日を迎えてしまった。

 12日、葬儀に参列し、出棺に立ち会うことができた。出棺を前にマサルさんの息子・ミッキーが三線片手に歌い上げた『満月の夕』はこの上なく素晴らしく、思わずもらい泣きしてしまった。
 マサルさんが亡くなられたのは悲しいことではあるが、悲しいというだけではない。多くの贈り物を残して、マサルさんは旅立たれたのだと思っている。



2008年12月08日(月) ギブ・ピース・ア・チャンス

 東区泉「アンティーク・ノエル」で行われた、ジョン・レノン&ジョージ・ハリスンの追悼ライブ「ギブ・ピース・ア・チャンス」に行って来た。毎年12月8日前後にはジョン・レノンの追悼イベントが各地で催されるが、そんなイベントに参加してみたいとは思っていた。
 地下鉄・高岳駅から地図を頼りにお店を探しながら歩くこと約10分、「アンティーク・ノエル」に辿り着いた。カウンターに腰掛け、カクテル(本日のスペシャル「ジョン・レモン」、何のことはない、「レモン・サワー」ではないか)とピザ(ジョンの顔に見立てた「ジョン・レノン・ピザ」)を注文していると、そのうちにライブがスタート。4組のアマチュア・バンドによるビートルズ&ジョン・レノンのカバーの演奏が繰り広げられた。
 演奏に関してさほど期待はしていなかったものの、1組約40分のステージは正直つらかったな。3曲くらいまでなら素人さんの演奏もそれなりに聴く姿勢は持てると思うのだが・・・。
 ビートルズ・ナンバーの完成度の高さは今更言うまでもない。よく知られた名曲であるが故に、逆に難しいとも思う。完全コピーを目指すなら演奏力が問われるし、オリジナリティーを追求するならアレンジ力が問われてくる。
 私自身、ビートルズ・ナンバーもカバーしていきたいと思っている。完全コピーをしたい等という欲求は持たない私は、夏撃波流のビートルズを表現したいと常々思っている。まぁ、演奏したい曲はビートルズに限らず数多いが、なかなか演奏力が追いついていかないのが現状だ。衝動を力に変えて超・音楽を展開していくより能のない私である。



2008年11月27日(木) ツール・ド・ケセラ2008

 先週から風邪をひいてしまい、のどを痛めている。熱こそ出ないが、夜中に咳が出るので、体力もそれなりに消耗する。治りそうで、これがなかなか治らない。先日は本郷「アルマジロ」のアコースティックナイトにエントリーしておきながら、ドタキャンせざるを得なかった。連休も寝倒したが、それでも治りきらない。もしや不治の病(?)などと余計な心配もしてしまう昨今である。
 さて、今夜はマスクをして、中山うり(アコーディオニスト)のライブ「ツール・ド・ケセラ2008」に出掛けてきた。<沙羅双樹ふたたび>のパートナーであり、ホームメイド系アコーディオニスト(どことなく素人っぽさが魅力だったりするアコーディオン奏者ということね)でもある沙羅も一緒だ。
 アコーディオンの弾き語りで独特のメルヘンの世界を展開している中山うりのライブだが、郷愁をそそるようなアコーディオンの響きといい、包み込むような歌声といい、独自の詞世界といい、どれをとっても素晴らしい。日本人の心に思い浮かぶような幻想のヨーロッパ世界がそこに表現されているような、そんな印象を持った。それと、『生活の柄』(詞:山之口獏、曲:高田渡)のカバーも、高田渡バージョンとはひと味もふた味も違うが、この曲のよさを再発見させてくれた。
 体調はいまいちだが、楽しい一夜であった。



2008年11月16日(日) アコーディオン・フェスティバル

 今日の午後は、(われらが<四面楚歌>のアコーディオニスト・えみちゃんも所属する)中部アコーディオンクラブ主催のアコーディオン・フェスティバルに出掛けてきた。会場は、東新町のテレピアホール。休憩を3回はさみながら約5時間にわたる演奏会をすべて観てきた。さすがに疲れたが、それ以上に面白かった。
 まずは、アコーディオンの大合奏からスタート。30台以上のアコーディオンから繰り出される音楽は、大迫力。その後、アコーディオンのアンサンブルや、ギター、バイオリン、クラリネット等とのコラボレーションもあり、ジャンルもまた、シャンソン、タンゴ、クラシック、J-POP、演歌などと多岐にわたった。さらには、(アコーディオンという楽器に魅せられて音を追求した結果、大胆な改造・改良を加えて)世界に一つだけのアコーディオンを何台も創り出してきたというアコーディオン専門の楽器屋さんもステージに登場。それらのアコーディオンを使ってのアンサンブルもあった。ラストは、cobaさんによるステージ。本当に盛り沢山の内容だった。
 アコーディオン固有の魅力を感じつつ、音楽の楽しみは底知れず深いと感じさせられた一日であった。



2008年11月14日(金) <スーパー一座>終結のとき

 今朝の朝刊(中日新聞・朝日新聞)を見て、私はとても大きなショックを受けている。
 「ロック歌舞伎」や「大須オペラ」などで知られる<スーパー一座>が今年いっぱいで30年の活動にピリオドを打つと言うではないか。今夏「大須オペラ」の終了が発表されており、今回のことも決して予想外ではなかった。しかし、実際に今回の決定が発表されてしまうと、やはりショックには違いない。一時私も在籍した劇団であり、退団後も毎回の公演を楽しみにしていただけにさみしい思いはいっそう強い。
 新聞報道によれば、主宰の岩田信市さんが高齢となり、完成度の高い作品をお見せできそうにないとのこと。また、古い一座にいつまでもしがみつくのではなく、心機一転し、新たな世界を創るためにも、一座を終結するのだ、という。
 まぁ、残念と言えば、残念。だが、岩田さんらしいといえば、岩田さんらしくもある。スーパー一座の散りぎわとしては天晴れというべきか。一つの美学を貫いた形で終結のときを迎えようとしているのであろう。
 師走歌舞伎のチケットはすでに購入済み。最終公演はいつも以上に心して観ようと思っている。



2008年11月12日(水) ピアニカ初演奏

 今夜、沙羅とともに、星ヶ丘「スローブルース」の生音くらぶに参加。ソロで1曲、デュオで2曲を演奏してきた。
 まずは、この時期の定番(?)オリジナルソング『ボージョレヌーボー解禁の夜に』を演奏。次いで、『夢の島』(どんと)では、ピアニカのアドリブ演奏に初挑戦。やや緊張したが、気持ちよく演奏できた。そして、最後は『荒野の風』(ヒートウェイヴ)。沙羅のアコーディオンをフィーチャーして、私自身も気持ちよく歌いきることができた。



2008年11月07日(金) 夢見る力

 劇団pHー7の25周年記念公演『夢見る力』を、大須「七ツ寺共同スタジオ」まで観に行ってきた。
 数年前私も在籍したこの劇団の一つの区切りでありながら、さりとて単に通過点でしかないではないか、などと言ってしまっては身も蓋もないか。ごく普通にサラリーマンをやりながら、そのかたわら好きな芝居も続けて、四半世紀。それはそれで簡単なことではないように思う。菱田さんの「夢見る力」は色褪せてはいないようだ。
 ただ今回の芝居、初日の今日を観るかぎりでは、いまひとつリズムに乗りきれていないような気がしてしまった。題材は決して悪くはないと思うのだが・・・。



2008年11月05日(水) Life goes on

 伏見「ハートランド」に山口洋ソロライブ を観に行ってきた。
 今回は新たなCDが出たわけではない。新曲2曲の披露はあったが、ほとんどは他のライブ会場でも耳にしたことのある作品だ。今年は、バンド(HEAT WAVE)、リクオとのデュオ、そして今回のソロライブと、山口さん絡みのライブは3回聴いている。にもかかわらず、ライブに足を運ぶ度に新たな発見がある。何度聴いても新鮮な感動がある。だから何度でもライブを観に行きたくなる。
 山口さんのソロライブは他でも聴いたことがあるが、今回の印象はそれらのライブとも違っていた。まるでバンドのライブであるかのような迫力、力強さを感じさせられた。
 山口さんの楽曲は「負け犬ロック」などと揶揄されることもあるが、彼の楽曲に登場する人物は「世渡りが下手」だったり「ささやかなる仕事も果たせず、靴のかかとだけはすり減らす」ような、時流に乗れない人間だったりする。そうした人間に対する優しいまなざし、うまくいかないことの多い人生であっても希望を持ち続ける意志を、山口さんは歌いかける。
 私自身、気持ちが折れそうな時、山口さんの楽曲に救われたことも多い。CDは幾度となく聴いているが、やはりライブにまさるものはない。新たな感動を胸にライブ会場をあとにしたのであった。


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