夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2007年01月03日(水) 『獄窓記』『累犯障害者』

  鬼となり この手で消した 命の火
   明日は命日 遺族を思う

  残されし 母は世間の 中傷に
   耐えつつわれを 励ましに来る

  以前より 優しい目付きに なったねと
   面会の母 われ見て微笑む

  出所日の 話題弾める 人の輪を
   そっと離れる 無期囚のわれ

  ハハキトク たった五文字の 電報を
   何度も眺める われは無期囚

   (山本譲司『獄窓記』より)


 年末から年明けにかけて何冊かの本を乱読しているが、なかで山本譲司(秘書給与事件で実刑判決を受けた元衆議院議員)の著作は衝撃的で、一気に読み上げてしまった。
 『獄窓記』(ポプラ社.2003)は、著者自身の獄中体験を通じて刑務所の実情や秘書制度などについてリポートしたドキュメンタリー。冒頭に記載した短歌は、刑務所内の機関誌に掲載された受刑者たちの作品だ。『獄窓記』では、障害を持つ受刑者の実情にも触れられている。

  「(前略)山本さん、俺ね、いつも考えるんだけど、
  俺たち障害者は、生まれながらに罰を受けてるよう
  なもんだってね。だから、罰を受ける場所はどこだ
  っていいのさ。また刑務所の中で過ごしたっていい
  んだ」
   (山本譲司『獄窓記』より)

 著者が獄中で出会った障害者の語ったショッキングなひとこと。その言葉からは障害を持つ人たちの深い孤立感、絶望感が伝わってくる。
 また、最新作『累犯障害者』(新潮社.2006)では、「障害者が起こした事件」の現場を訪ね歩き、「ろうあ者だけの暴力団」「親子で売春婦の知的障害者」「障害者一家による障害者の監禁致死事件」など驚愕の事実にスポットを当てている。何故に犯罪を犯さずにいられなかったのか、障害者をめぐる社会の側の問題があぶり出される。福祉の仕事に従事する私たちに対する警告の書とも言える。
 問題解決は決して簡単ではなく、非常に重い現実を突きつけられた形となったわけだが、そうした現実から目を逸らすことなく見つめていきたいと思った。



2007年01月01日(月) 明けまして、2007年

 新年あけましておめでとうございます。
 と言っても、あまり正月という気分でもない。何せ元旦の今日、私は午後から仕事だ。
 勤務先である知的障害者入所施設には、正月もそこで過ごす十名ほどの入所者が残っている。それぞれに事情はあるが、施設で迎える正月を彼らはどんな思いで過ごすのだろうか。近所の神社に初詣に出かけたりはするものの、他にこれといって予定はなく、元旦の午後は静かに流れる。
 私は三が日とも仕事になっているので、気持ちの上でゆったりできるのは4日以降ということになろうか。
 ともかくも、2007年はスタートした。



2006年12月31日(日) さらば、2006年

 29日から今日まで、郷里の山梨に帰っていた。帰省中には、いつも様々なことを考えさせられる。どんどん年老いていく両親を目の前にして、自らの今後の人生を思わずにいられない。でも、先々のことは考えられないな。
 新年はどんな一年になるのだろうか。過ぎゆく2006年にいま別れを告げる。



2006年12月28日(木) ヒートウェーブ最新CD

 待望のヒートウェーブ最新CDが手元に届いた。
 このCDは、従来とは違う方法によって制作された。それは、レコード会社の資本に頼ることなく、自らの手により制作前から、アルバムを熱望するファンから賛同金を募り、制作資金に当てて作品を作り上げるという画期的なプロジェクト。
 ヒートウェイヴはこれまで、メジャー/インディーを問わずレコード会社の資本により音源を制作してきた。しかし、従来のやり方では自身の楽曲を自由に使用できないという制約があった。例えば初期のアルバムを新たなファンにも聞いてほしいのに提供できない、また発表している全ての楽曲を配信したいのに叶わないなど。そこで今回、独立した形で音源を制作したいという考えに立ち至り、このプロジェクトを立ち上げた。そして数多くの賛同を得て完成した作品が、今回のアルバム『land of music』。私たち<沙羅双樹ふたたび>も賛同者として名を連ねている。
 というわけで、一回聴いてみたのだが、その出来はまずまず期待通りといったところか。これから何度か聴いていくと、また違った印象を持つかもしれない。
 2006年の暮れに、ステキなプレゼントが届いた。



2006年12月24日(日) 全日本総合ハンドボール選手権大会

 今日は、愛知県体育館で行われた「全日本総合ハンドボール選手権大会」の決勝(男女各1試合)を観に行ってきた。
 なぜかメジャーになりきれないスポーツだが、昔から私はこの競技が好きだ。とってもエキサイティングで面白いスポーツだと思うのだが。
 実際に会場に足を運んで観戦してみたところ、面白さをあらためて実感できた。スピーディーかつ迫力あるゲーム展開に一瞬たりとも目が離せないのだ。
 白熱した好ゲームの結果、男子は大同特殊鉱、女子はオムロンが、それぞれに優勝した。



2006年12月20日(水) 2006年の歌い納め

 2006年もあと10日ほどだが、年末という実感が未だにない。とはいえ、まぎれもなく、年の瀬。「スローブルース」の「生音くらぶ」出演も、今日が今年最後となりそうだ。
 で、今回は沙羅とのユニット<沙羅双樹ふたたび>で出演。1曲目は、『夏撃波のクリスマス・メドレー〜キラキラ星ヶ丘バージョン』。2曲目は、ピアノ・沙羅、ボーカル・夏撃波で『雪の華』(中島美嘉)。3曲目は、ピアニカ&ボーカル・沙羅、ギター&ボーカル・夏撃波で『そら』(ソウル・フラワー・ユニオン)。細かな点で気になるところはあったが、気持ちよく演奏でき、観客の反応もまずまずだった。
 毎回、参加者によって雰囲気は少しずつ違ってくるが、今回もいい演奏が続いていた。他の人の演奏から学ぶことも多く、また単純に楽しめるのが「生音くらぶ」のいいところだろう。来年、さらに進化した夏撃波、そして<沙羅双樹ふたたび>を見せていきたいと思う。



2006年12月16日(土) pHー7忘年会

 今日の昼は、私の勤め先でもある福祉施設で「クリスマス会」が開かれたのだが、そこで思わぬ再会を果たした。ゴスペル・グループがボランティアの形で「クリスマス会」に参加してくれたのだが、グループの中心メンバーのまきえいこさんとは以前ポエトリー・リーディングのイベントで一緒になったことがあった。まさかそのような形でお会いするとは思いもよらなかった。

 「クリスマス会」が終了してから、急いで「劇団pHー7」の忘年会会場へと向かった。より正確には「劇団pHー7地下劇場」を支える人達の忘年会だが。
 「pHー7」主宰の菱田さんからは事前に「よかったら、みんなの前で演奏してみないか」との話もいただいており、デュオ・パートナーを伴って、「劇団pHー7地下劇場」へと出かけていった。
 『そら』(ソウル・フラワー・ユニオン)の演奏と『嵐を呼ぶ男〜山本秀雄の場合〜』(夏撃波・詩)の朗読をデュオで、『星ヶ丘ロケンロール』(オリジナル)の演奏と『力石徹よ』(寺山修司・詩)の朗読をソロで行った。「面白かった」「『嵐を呼ぶ男』を聴いている時、小沢昭一の語りを思い出した」(これって、最高の誉め言葉だよな)などという感想も聞かれ、単純に喜んだ。
 それとは別に、自主制作映画の監督から出演依頼もあり(と言っても「チョイ役」みたいだが)、いよいよ「映画デビュー」することになりそうだ。
 来年「劇団pHー7」やその周辺にどのような変化が見られるかはわからないが、私もそれらの動きとも関わりつつ、自らの活動自体のより一層の充実を図っていこうと思う。



2006年12月10日(日) 『将門伝説 後日の旗上』

 スーパー一座のロック歌舞伎『将門伝説 後日の旗上』を観てきた。今年は25年ぶりに生演奏つきで上演されるという点でも楽しみだった。
 今回の芝居はいつも以上にスピーディーな展開、そのテンポに生演奏もよく合っていた。一人ひとりの芸をじっくり味わうという点ではやや物足りない感じもあったが、息をもつかせぬ展開に身を乗り出すように見入った。鶴屋南北の原作を元に構成された約2時間半の芝居はとても観やすい内容でもあった。



2006年12月09日(土) 『カトルカール』

 本日、藤が丘「WEST DARTS CLUB」にて、日常朗読企画「本読ム夜」第2期の最終回として『Quatre quarts(カトルカール)』(リーディングライブ) が開催された。水尾佳樹、岡本はな、若原光彦、林本ひろみの四氏が出演されるというので、観に行ってきた。
 四人四様の朗読であったが、ライブ会場の雰囲気を生かすにはもうひと工夫ほしいところだった。林本さん・作の朗読劇は、面白かったけどね。若原さんとの絶妙の掛け合いで、笑えた。
 ライブは一時間ほどで終了。まあ、妥当な長さではあったが、正直なところ物足りない感じもあった。



2006年12月06日(水) みゆき、林檎、そして朗読

 今夜もまた、星ヶ丘「スローブルース」の「生音くらぶ」に参加。参加者の年齢層は少し高かったが、なかなかシブい演奏が続いた。
 私は、『同じ夜』(椎名林檎)、『二隻の舟』(中島みゆき)を演奏。また、数年前に出演した芝居(『幻想ヒポカンパス〜太陽と王権〜』)の一部を朗読した。それにしても、表現力に定評のある女性アーティスト(中島みゆき、椎名林檎)の曲はなかなか難しい。自分のものにするにはもっとステージで鍛える必要がありそうだ。


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