夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2005年01月15日(土) 家畜人ヤプー

 今年初めての上京。月蝕歌劇団公演『家畜人ヤプー』を観に行く。戦後文学最大の奇書とも言われる沼正三の『家畜人ヤプー』(三島由紀夫、澁澤龍彦、寺山修司らも絶賛!)が、高取英・演出、J.A.シーザー・音楽(シーザーの呪術的な音楽はもう最高!)で再演される、とのことで、楽しみにしてたのだが・・・。
 役者が、ね。役者についてはさほど期待してなかったけど、それにしても、ね。無茶苦茶ひどかったわけじゃないけど、原作は「戦後最大の奇書」だからね、ましてJ.A.シーザーの音楽が入るんだから、もっと役者の力で観客をゾクゾクさせてほしかった。
 まず、主役の第一声、全然声が出ていなかった。これが致命的といってよかった。しょっちゅう芝居を観ている私には、芝居が始まってから2〜3分で、その芝居のおおよそのレベルが推測できる。冒頭で観客をどこまで演劇世界に引き込むことができるか。それによって、芝居の評価は大きく左右されるものだ。今回の「月蝕歌劇団」の芝居では、最後まで醒めた目で観劇する結果となった。後半盛り返した感もあったが、物足りなさは最後まで残った。とてもよいホンを取り上げていただけに残念に思う。

 今回は本編の他に、詩劇ライヴ『奇譚少年の詩』も観てきた。3組のライブ、そしてライブの合間々々に繰り広げられる「月蝕」女優陣による小芝居、という構成。こちらのほうは余興みたいなものだったので、お気楽な気分で楽しめた。遊び心いっぱいで、なかなかよかったとは思うのだが・・・。やはり本編のほうで「真剣に遊んで欲しかった」と思う。
 ところで、今回特別ゲストとして、PANTA(元・「頭脳警察」)のライブがあった。2曲だけしか歌わなかったけど、しゃがれた声がとてもシブかった。本編と詩劇ライブの全体を通じて、PANTAの歌がいちばん印象に残ったが、それは演劇人の側からすれば「敗北」ではないか。
 複雑な思いを胸に、私は劇場をあとにした。



2005年01月14日(金) 永遠の美空ひばり

 テレビ東京系で放映の「誰でもピカソ」という番組で「美空ひばり特集」をやっていた。演歌というジャンルにとどまらず、ジャズのスタンダードやポップスを歌わせても天賦の才能をいかんなく発揮した美空ひばり。生前は大衆に大いなる支持を受け、死後15年を経てなお根強い人気を誇る美空ひばり。やはりスケールが違うよ。芸能界でステータスを築いてなお、自分をひとつの枠に留めず、あらゆるものを吸収していったわけだからね。
 美空ひばりのようなスーパースターになろうなどと大それたことは考えていないが、私も表現者の端くれとして枠にとらわれず、進化を遂げていきたいと思っている。



2005年01月13日(木) シェークスピア、能舞台、白石加代子

 シェークスピアと能舞台は相性がいい、と思う。格調高い能の様式美に、シェークスピアの重厚な物語世界とは、何とも欲張りな組み合わせ。だが、そのような舞台がととのっても、役者の出来いかんによっては、つまらないものを見せられる可能性もある。
 今日、名古屋能楽堂に、白石加代子主演の『リア王〜影法師〜』を観に行ってきた。今年に入って初めての観劇となるが、大変面白く観ることができた。
 今日の舞台は、何よりも白石の名演に尽きると言っていい。白石の発する一言ひとことに、劇場全体が呑まれていた。そんな印象を持った。さすがは日本を代表する名優だ。うまい役者であると同時に、いい役者だと思った(「うまい役者」=演劇的な技術に優れている、「いい役者」=観ている者を大いに感動させられる、というニュアンスで私はとらえている)。「うまい」と「いい」が両立する役者は少ないと思うが、白石はその数少ないひとりであろう。
 今年初めての観劇がとても素晴らしいものであったことで、私はすっかり気をよくしている。



2005年01月12日(水) ノロウイルスの襲来

   この冬相次いでいる感染性胃腸炎の集団発生が
  昨年11月以降、全国の高齢者施設など236施
  設で報告され、発症者は計7821人に上ること
  が12日、厚生労働省の中間集計で分かった。
   死亡例は感染との因果関係が不明な人も含めて
  12人。ノロウイルスを検出したか、感染が疑わ
  れた人はそのうち5371人と全体の69%を占
  めた。
   集計は、広島県福山市の特別養護老人ホーム
  「福山福寿園」などで発症者が相次いだのを受け
  て都道府県が把握している分の報告を求め、12
  日正午時点でまとめた。
   下痢や嘔吐などの症状を集団的に訴えたケース
  が対象で、高齢者施設だけでなく小中学校や病院、
  障害者施設なども含まれる。
   集団発生は宮城、栃木、高知、佐賀各県を除く
  43都道府県で把握されており、発症者が最も多
  いのは北海道の1422人。次いで大阪府676
  人、千葉県597人など。
  (共同通信) - 1月12日19時47分更新

 わが職場(障害者施設)でも決して無関係ではない、ノロウイルスの猛威。施設において、今回のノロウイルスのみならず、感染症は一気に伝染する。ただでさえ体力があるわけではない高齢者や障害者が過密状態にある空間のなかで生活することの弊害のひとつとも言える。
 そんなことを思うと同時に、今回の感染症のことについて冷静さを保っていきたいとも思う。感染症と差別との関係も微妙な問題であるからね。



2005年01月09日(日) 今池の夜に酔いしれて

 おとといに引き続いて、またまた今池のライブハウス「TOKUZO」に行って来た。本日は、「花吹雪!歌謡花魁珍道中!(アングラ編)」というイベント。出演は、ラブハンター熱い肌(京都・「お色気昭和歌謡2人組」)、爆乳シスターズ(名古屋・「お色気トリオ」)、野村麻紀(京都・「フォーク演歌系歌手」)、ホット・ハニーバニー・ストンパーズ(名古屋・「ごった煮大衆音楽11人組」)の4組。
 それぞれに味わいがあって楽しかった。何より出演者が楽しんでやっている感じが伝わってきて、会場もノリがよかったし・・・。「ラブハンター熱い肌」のAYA様、EVE様とは12月の「COCOROOM BOOKING NIGHT」(大阪)にたまたま一緒に出演したという縁もあって、1ヶ月ぶりの再会であった。彼女たちのパフォーマンスは不思議なドキドキ感があって、12月以来彼女たちのファンになった。
 で、「ラブハンを讃える詩」第2弾を披露しよう。

  冬の夜空に星ふたつ ギラギラ光る金の星
  今池の夜を妖しく照らす 君の瞳は1万ボルト

  目も眩むほどに魅惑の女(ひと)
  ダイナマイトAYAに セクシーEVEよ
  不思議なブレンド 極上のカクテル
  <今池の夜>に酔いしれて

 さて、今年は、私も様々な表現活動に挑戦していきたいと考えている。いろんな人から刺激を受けながらもっともっと先へ進みたいとも思う。



2005年01月07日(金) こまっちゃクレズマ

 サックス&クラリネット奏者・梅津和時率いる楽団「こまっちゃクレズマ」のライブ(今池「TOKUZO」)に出掛ける。ユダヤの祝祭音楽であるクレズマを中心に演奏。ジャズのインプロビゼーションのような即興演奏はノリがよく、自然にカラダが揺れる。こんなステキな演奏を間近に観られるなんて贅沢だと思う。と同時に、一流の演奏が世間一般では決してメジャーでないのが不思議でならない。まあ、おかげで迫力ある演奏がダイレクトに伝わってくるから、いいと言えばいいのだけれど。ともかくも「超キモチいい〜」今池の夜を過ごした。



2005年01月06日(木) カンフー・ハッスル

 新年1月も早6日、正月気分は既に抜けている。というか、正月気分なんてほとんど味わってないな〜。
 3日から5日まで仕事。今日は休みだったので、映画を観てきた。あまり難しいことは考えずに笑える映画が観たかったので、周星馳(チャウ・シンチー)監督・主演による中国映画『カンフー・ハッスル』を観た。前作『少林サッカー』同様、バカバカしい面白さが満載されていて単純に楽しかった。インドのマサラ・ムービーに通ずるB級の笑い、結構好きなんだな。腹の底から笑いたい方にはお薦め!



2005年01月02日(日) 「奈良女児誘拐殺人事件」

 2004年の最後に「奈良女児誘拐殺人事件」の容疑者逮捕のニュース。事件が事件だけに過熱報道が予想されるが、過熱報道は事の本質を見失わせる。どこかに冷静さを保っていきたいものである。



2005年01月01日(土) 大阪で年明け

 新年明けましておめでとうございます。
 大阪で年明けを迎えました。午前中はナンバ周辺を散策。行列に並んで、屋台のたこ焼き買って食べたりしながら、ね。で、昼に「COCOROOM」に寄って上田假奈代さんらと近所の寺社に初詣。てな具合で、日がな一日のんびりして名古屋に戻ってきました。あとはもう寝正月でした。



2004年12月31日(金) 2004年のカウントダウン

 大阪にやってきた。大晦日の今日、大阪ドームで開催される格闘技イベント「K-1 Dynamite!!」を観るために、ね。
 近鉄特急に揺られて2時間、大阪に到着。「COCOROOM」に立ち寄り、上田假奈代
さんやスタッフの皆さんにご挨拶。来年はライブに力入れていこうと、心に誓いながら。
 その後、大阪ドームに直行し、「K-1」の全11試合を観戦。ボブ・サップや曙は観るも無惨な試合をしていたが、実質的な「メイン・イベント」とも言うべき、魔裟斗vs山本KID徳郁の試合は白熱した好試合だった。
 全試合終了後、ホテルに戻り、もうひとつの格闘技イベント「PRIDE男祭り」をテレビ観戦(「男祭り」という発想が時代錯誤的とは思えるが)。はっきり言って「K-1」よりも「PRIDE」のほうが断然面白い。まあ、そんなことは格闘技ファンの間では「常識」だけど、ね。今回私が「K-1」を観に行ったのは、目当ての選手(山本KID、藤田和之)が参加していたからというだけのことだ。
 ということで、大阪で年越しだ。元旦は、ナンバや新世界あたりを歩いてみる予定。


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