今日、久しぶりに名古屋の「朗読会」に参加した。八事「POPCORN」での朗読イベント「詩のあるからだ」(司会が若原光彦さんになって初めてのイベントだ)。 12月8日といえば、古くは「太平洋戦争開戦の日」(つまりは「真珠湾攻撃」の日)であり、最近(と言っても、20年以上経ってしまったのだね)では「ジョン・レノンが凶弾に倒れた日」ということだが、それらとは関係のない自作の詩を「朗読」した。 大阪のイベントでも発表したなかから、「夏撃波のテーマ・棘はずっと刺さったまんまだ」「夏撃波版・映画予告編『愛の讃歌』」をやった。すると、その後すぐにISAMU作・若原光彦朗読による「夏撃波の夜は更けて」なる詩が詠まれた。なかなかよく練られた「笑える詩」だった。内輪受けで終わらないためには、私自身もっと有名にならなくちゃいけないかな。でも、単純にうれしかった。 八事「POPCORN」はとてもいい空間なので、あの場所を生かした表現がもっともっと生まれてくるといい。私自身も表現に磨きをかけていかなくては、と思っている。
| 2004年12月06日(月) |
<ラブハンター熱い肌>礼賛 |
昨日のイベント「今日は濃い日だ!原液の逆襲」で共演した、昭和歌謡のお色気2人組「ラブハンター熱い肌」を礼賛する詩を作りました。題して、「今日は濃い日だ!原液の逆襲〜<ラブハンター熱い肌>礼賛〜」。
大阪・新世界の夜に舞い踊る 闇を彩る 蝶々のきらめき 妖しげな光を放ち 今宵も 僕らを幻惑させる
ラブハンター 突然夏がやってきて 花は いつしか狂い咲き
どこまでもどこまでも 堕ちていく 君らは なんて罪な女(ひと) 匂い立つよな 熱い肌 今日は濃い日だ!原液の逆襲
| 2004年12月05日(日) |
今日はとっても濃い日だ! |
大阪「COCOROOM」でのイベント「今日は濃い日だ!原液の逆襲」の当日を迎えた。今日は、大阪観光にも出掛けず、昼まで休息をとり、午後は最後の練習に費やした。 午後4時すぎに「COCOROOM」に入り、早めの夕食をすませた。5時30分からのリハーサルを終えると、あとはリラックスして7時30分からの本番に備えるばかり。他の出演者(ZUDAZUDA、ラブハンター熱い肌、クギミヤ)のリハを眺めたり、ラブハンター熱い肌のAYA様、EVE様とおしゃべりしているうちに、大阪の詩人・永井ますみさんがいらっしゃった(今日が初対面)。
午後7時30分、飛び入り参加者による詩の発表の後、いよいよ私の出番がやってきた。 まずは、マジックホース(?)とカズーで「サマータイムもどき(?)」を演奏。続けて私の持ち歌(?)「朝日楼」(「朝日のあたる家」の日本語バージョンで、むかし浅川マキが歌ってた)をギターやカズーの演奏、またホーミー(モンゴルの独特の歌唱法)もどきも入れながら歌った。照明の関係でお客さんの顔がステージからは見えないのだが、まずはいい感じで盛り上がってきたように思われた。 自作詩の朗読パフォーマンスで2篇「夏撃波のテーマ・棘はずっと刺さったまんまだ」「現代能『隅田川』」を演り、井上陽水「東へ西へ」をヴァリエーションを加えながら「朗読」し、<格闘詩シリーズ>から3篇(「疾走する夏・我闘姑娘篇」「疾走する夏・しなしさとこ篇」「ラウンド・ワン」)を朗読した。THE BOOMの「帽子の行方」を演奏したところで、時間を確かめると「あと10分」とのこと。石原吉郎の詩から「脱走」を朗読。 ラストは、<夏撃波版「映画予告編」シリーズ>より「愛の讃歌」を発表。何のことはない「予告編」風の詩に続けて、シャンソンの名曲「愛の讃歌」を熱唱して終わった。 自分としてはいい手応えを感じながら客席へ向かうと、数人のお客さんから「すごくよかったですよ」との言葉をいただけた。 客席に着き、「後は他の出演者のパフォーマンスを楽しむだけ」と気を楽にした。 お色気2人組「ラブハンター熱い肌」のステージは、大阪・新世界の夜にはピッタリの妖しげなパフォーマンス。お色気たっぷりに、ちょっと古めの歌を歌っていた。ふたりの妖しさ加減がちょうどいい感じで、私はすっかりラブハンのファンになってしまった。来月9日に、今池の「TOKUZO」でライブがあるとのことなので、今度は早めに行って、カブリツキで観ようと思っている。 続いての登場は、「クギミヤ」。ストリートパフォーマー然としたいでたちというのか、インディーっぽいノリだが、これはこれで固有の世界を築いているとの印象を持った。 で、今日のトリは、おやじ3人組「ZUDAZUDA」。メンバーはそれぞれに活動しているが、3人での演奏は初めてだという。でも、3人の息はピッタリ合った感じ。コンピュータ・サウンドも取り入れつつ、生の楽器もいろいろと使われていた(手作りと思われる楽器もあった)。音楽的にも斬新なアイデアがふんだんに盛り込まれていたが、一方でパロディー精神も旺盛で笑いをとる場面もあった。 今回の出演者みんなに共通して言えるのは、パロディー精神の旺盛さ、そして独自の世界を強く持っているという点であろうか。今日のイベント・タイトル「今日は濃い日だ!原液の逆襲」にちょうどピッタリだったと思う。
明日の朝、一番電車で名古屋に戻り、そのまま職場へと向かう。きついけど、でも、この2日間は何物にも代え難く、充実した日々であった。
近鉄特急に乗って約2時間、大阪までやってきた。明日のCOCOROOMブッキングナイトに備えて、というわけではないが、一日前に大阪入り。 COCOROOMのホームページを見ていたら、私の出演日の前日に「インド古典音楽と舞踊」なるイベントがあるではないか。とても興味を覚えた私は、それも観てやろうじゃないかと、まあ、そういうわけで今日上阪したっちゅうわけや(なんでか大阪弁になってもうた)。 サーランギ(インド・ラジャースタン地方で発祥した弦楽器)とパカワジ(両面太鼓)の演奏をバックに、村上幸子さんがオリッシィダンス(東インド古典舞踊)を踊る。寺院などの彫刻が動き出したかのようなイメージの踊りだが、繊細な動きのなかにも力強さが感じられた。インドの古典舞踊をじっくり観るのは初めてだったが、どこかしら伝統あるいは奥行きとでもいうべきものを感じさせる趣があり、これはこれでまた何度か観てみたいという感想を持った。
さて、公演を観終わった私は、明日に備えて「秘密練習」をみっちり行った。 「大阪プロレス」も観てみたい気はしたが、今日テレビで「K-1」を観なくては、と思い、夜7時くらいにホテル(?)へと引き上げていった。 COCOROOMで紹介してもらったホテルは、ドヤ、一杯めし屋、立ち飲み居酒屋などが立ち並ぶ一角にあった。思いっきりディープな街だ。 フロントでキーをもらって入った部屋は、3畳一間、安っぽいベッドにテレビが置かれただけの小さな部屋。でも、これで十分だ。1泊1800円というのもいい。 「K-1」でも観たら、あとはゆっくり休んで明日に備えよう。明日はとにかく思いきりやるだけだ。自分自身、楽しんでいこうと思う。
12.3みちのくプロレス(後楽園ホール)のメイン・イベントのことがずっと気になっていた。 プロレスの未来を担うであろう2人の10代対決<フジタJr.ハヤト vs 中嶋勝彦>。みちプロ期待の新星として今日デビューを迎える現役高校生・フジタ選手(18歳)、対するは最年少レスラー・中嶋選手(16歳)。 フジタ選手の父親は、障害者プロレス「ドッグレックス」の現役レスラー・ゴッドファーザー選手だ。ゴッドファーザー選手は好きなレスラーの一人であり、「ドッグレックス」とは私も少なからぬ因縁がある。今年の6月には、「ドッグレックス」のリングに上がったフジタ選手を観る機会もあった。だから、フジタ選手に対しては思い入れもあった。 後楽園ホールまで足を運びたい気持ちはヤマヤマだったが、仕事との兼ね合いや出費のこと等を考え、今回は断念した。まあ、このカードはいずれまた観る機会もあることだろう。 で、試合結果については、インターネットで早速調べてみた。フジタ選手は果敢に攻め、山本KID徳郁選手から伝授されたフロントスリーパー(KID)も繰り出したが、最後は中嶋選手の逆片エビ固めの前に無念のタップアウト負けを喫した、とのこと。 現在、プロレス人気は低迷している。特に、プロレス界の盟主ともいうべき新日本プロレスの迷走ぶりは目を覆わんばかりである。それでも、私はプロレスでしか味わえない感動があると思っているし、実際に素晴らしい試合も少なくないのだ。 フジタJr.ハヤト 選手の今後に大いに注目していきたい。
| 2004年12月02日(木) |
豊橋「ホテル日航」にて |
今日・明日と、研修のために豊橋「ホテル日航」に来ている。福祉施設の職員研修だが、職場を離れて、ふだんの自分たちの仕事を見つめ直す機会とはなった。 でも、勉強会とはいいながら、リッチな雰囲気のホテルといい、立食パーティー形式の夕食といい、リフレッシュの意味合いも強く感じられ、楽しい部分も大いにあった。で、振り返って施設利用者のことを思うと、彼らはこんなふうにリッチな気分で時を過ごすなんて経験はほとんどしてきていないのではないかと思う。それ以前に、社会的経験が圧倒的に不足しているのだ。そして、そのことが社会で生きる上での大きなハンディキャップになっているのだとも思うのだ。
| 2004年11月30日(火) |
太朗と、上田假奈代と、世界の果てに |
鶴舞「K.D.Japon」で開催されたイベント「太朗と、上田假奈代と、世界の果てに」を観てきた。 OHPと照明を用いて太郎のダンスが紗幕に映し出される。なるほど、なかなかいいアイデアだ。まるで影絵芝居でも観ているかのような印象を持った。 そして、バンド「世界に果てに」をバックに朗読される上田假奈代の詩世界。トレードマークともいうべき和服姿は美人演歌歌手をも思わせるいでたちながら、彼女の描き出す世界は演歌とはイコールではない。さりながら、じわじわと情念が伝わってきそうな、そんな彼女のパフォーマンスは、日本のソウルミュージック<演歌>を思わせる。<演歌>というよりは<艶歌>かも知れない、確かに假奈代さんの声は艶っぽいよな、と思いながらも、それだけではないような気がしてきた。大阪・新世界に店(「COCOROOM」)を構える彼女だけに、その表現の背景には新世界があるのかもしれない、などと勝手に想像してみた。 来る12月5日、私・夏撃波は上田假奈代さんのお店「COCOROOM」でライブを行うことになっている。
| 2004年11月28日(日) |
「フィリピン・ベッドタイム・ストーリーズ」 |
東京へ日帰りで行って来た。燐光群がフィリピンの演劇人とともに作り上げた芝居「フィリピン・ベッドタイム・ストーリーズ」を観るために。 この芝居、3篇の戯曲(「離れられない」「ドゥルセの胸に1000の詩を」「代理母ビジネス」)からなるオムニバスだが、演出(吉田智久)が意図したとおり「笑える芝居」「いかがわしい芝居」「衝撃的な芝居」が実現していた。<ベッド>をモチーフに様々な<関係>があぶり出され、観る者に不思議な印象を与えた。燐光群らしく「社会派」的テイストを感じさせつつも、クスッと笑いが出るような場面も見られた。日本語とタガログ語と英語が交錯する芝居は、時に荒唐無稽な展開も見せながら、観る者の想像力を大いにかき立てるような芝居づくりがなされていたように感じられた。
「フェスゲー」って何のことだか、浪花っ子でもない限り、わかりませんよね。8階建ての建物に立体遊園地、各種飲食店、ゲーム施設、ショップ、シアター・コンプレックス等が入った複合施設「フェスティバルゲート」、それを略したら「フェスゲー」になるみたいやでぇ。その「フェスゲー」は、大阪のシンボルでもある通天閣の立つ「新世界」にあるそうや。日本一の寄せ場・釜ヶ崎も目と鼻の先、大阪のなかでもとってもディープな場所っちゅうわけや。今回泊まったのも、「新世界」にある素泊まり2500円の「ビジネスホテル」。ホテルの隣のキリスト教会では、ドラムスの演奏に合わせて説教が行われていて、まるでゴスペルで説教したりするニューヨーク・ハーレムの教会みたいなイメージやね。なんや知らんけど、さっきから、わいは「にわか大阪人」になってしもうたんかいな。まあ、生粋の大阪人とは違うんで、これ以上くどいのはやめときます。
ところで、今回大阪までやってきたのは、来月初めに「COCOROOM」(フェスゲーの4階にあるお店)で開催されるイベントの下見というのがひとつ、それと本日「db」(フェスゲー3階にあるアート・スペース)でのダンス公演(大野慶人「魂の糧」+金満里「ウリ・オモニ」)を観るという目的もあった。 「COCOROOM」代表の上田かなよさん(自ら「詩業家」を名乗る)とは、8月に名古屋で行われた詩の朗読イベントで知り合った。かなよさんが中心になって経営している店「COCOROOM」でいつかライブをやりたいと思っていたのだが、今回それが実現することになった。8月に一度お会いしただけのかなよさんだが、こちらは旧知の友人くらいの気持ちで、イベントについても気軽に相談させていただいた。 本番前に一度店を見てみたいと思っていたところに、フェスゲーの3階で、大野慶人さんと金満里さんのダンス公演があるとの情報を得た。で、これはもう行くしかないと、大阪にやってきたわけだ。「db」には、かなよさんともう一人のキモノ美人さんと連れだって出掛けてきた。
さて、肝心の公演の感想だが、金満里さんの舞踏には圧倒されたね。身障者であり、在日コリアンでもある満里さんだが、そのルーツが圧倒的なまでの力をもたらすのかな。満里さんが代表を務める「劇団態変」も優れた舞踏集団であるが、ソロダンスは満里さん自身の自在な身体表現をより鮮明にさせた。「身体障害者」であるはずの、金満里さんの身体表現の何と自由なことか。まったく「障害されていない」ダンスを目の当たりにして、あらためて舞踏家・金満里、そして演出家・金満里の表現力の大きさを感じさせられた。 一方の、大野慶人さんのソロ・ダンスはいまひとつキレの悪さが感じられたが(私にはそう映った)、満里さんとのコラボレーションでは互いのダンスがプラスに作用し合って二人のよさが引き出された舞台であったと思う。それぞれが<個>でありながら見事にシンクロしている感じ。 ダンサーの肉体から発せられる気が観客にいかなるメッセージとして受け取られるのか。多くの場合、ダンスは直接的に言語を発しないが、優れた表現というものは非言語のなかにも豊かな「言語」が内包されているものなのだろう。そして、それは「存在の在り方」、もっと言えば生きざまというものとも無関係ではないと思う。
| 2004年11月21日(日) |
自らを讃える詩「夏撃波よ!」 |
夏撃波よ 吹きすさぶ嵐のなかで 君は 暗黒の世界に投げ出された
果てしなく広がる荒野にひとり この闇を照らす光はなく ただひとつ 言葉だけが そこに残された
言葉は 君に与えられた唯一の武器だ さあ 武器を手に取り 闘うがいい
格闘詩人よ 暗黒の詩人よ 今まさに 君の時代が訪れたのだ 決して朽ちることのない 完全無欠の 黒の時代が
|