夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2004年07月12日(月) 参院選の結果を受けて

 気分的には非常に消極的なのだが、いつも私は選挙権を行使することにしている。これ以上世の中が悪くならないように、という思いだね。今回の参院選では、「コイズミにNO!」「自公政権にNO!」のせめてもの意思表示のために、と先日「期日前投票」を済ませてきた。
 今回、「自民党敗北、民主党躍進」という結果に終わり、二大政党の間で「公明党がキャスティングボートを握る」という構図がさらに強まったように思う。自民の敗北そのものはいいとしても、民主党には疑問符も多く、権力にすり寄るだけの公明党が少なからぬ影響力を持つというのはいかがなものか。それに共産・社民両党はやせ細るばかりで、少数意見はますます反映されにくくなっていくのではないだろうか。別に共産支持でも社民支持でもない「無党派」の私だが、多様な意見が尊重される社会であってほしいとは思っている。
 民主公認で初当選の喜納昌吉さんには「すべての武器を楽器に」という理想の実現に向け、議員活動を展開していっていただきたいと思う。ちなみに、私が投票したのは、選挙区では共産党公認候補(消去法で)、比例代表では中村敦夫さん(みどりの会議・代表)だった。
 



2004年07月10日(土) 冗談か? 芸術か?

 センチュリーホールに、トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団(「トロックス」の名でも知られる)の公演を観に行ってきた。
 一目でそれとわかる女装とメイクアップで「白鳥の湖」「瀕死の白鳥」などが演じられた。クラシック・バレエの大胆なまでのパロディは無条件に面白いが、それも確かなバレエ技術の裏付けがあればこそ。
 クラシック・バレエと聞けば、敷居が高い印象もあるが、トロックスのステージを観れば、バレエの面白さを発見するはずだ。何よりも演じているダンサーたちがいきいきと楽しそうに演じているのが伝わってくる。
 トロックスは今年で創立30周年。1982年より毎年のように日本公演を行い、今年で20回目の来日公演となるらしい。彼らが長年にわたって支持されているということでもあろう。息長く、しかも質の高い作品を発表し続けることは至難の業である。「冗談か? 芸術か?」はトロックスのキャッチフレーズだが、見事なまでの芸術であると私は思っている。



2004年07月04日(日) 二度裏切られた

 二度裏切られた。一度目はガッカリ、二度目はビックリ。これだけでは、何のことか、わからないよね。

 今日の目当ては、横浜ボートシアター『小栗判官照手姫』の再演(千葉県・松戸市民会館)だ。
 横浜ボートシアターの代表作ともいうべき『小栗判官照手姫』を、以前テレビで観たことがある。これが私の好みでもあり、作品としても素晴らしかった。いつか横浜ボートシアターの公演を生で観てみたいと思い続けて、今年2月初めて観た。だが、その公演、3つの短編からなるオムニバス『神だのみ』の出来は最悪だった(1編だけは鑑賞にたえうるレベルだったが)。まるで下手な学生演劇を観ているかのようだった。今にして思えば、あの公演は本公演というよりは、新人公演とか実験公演という性質のものであったのだろうが、それにしても酷い芝居だった。
 そんなわけで、今回の公演『小栗判官照手姫』を観るのがこわくもあった。そんな私の不安を吹き飛ばすかのように、『小栗判官照手姫』の出来は素晴らしかった。2月の公演が嘘のようだった。
 説教節『小栗判官照手姫』、日本の古典がアジア的な装いで見事によみがえった。ガムランが鳴り響くなか、芝居はテンポよく進み、観る者を飽きさせることはなかった。約2時間半の上演時間が決して長くは感じられなかった。

 公演終了後は、東京駅に出て「のぞみ」で名古屋に戻った。楽しい連休は終わりを告げ、急速に日常に引き戻された。



2004年07月03日(土) 息をのむ瞬間、一瞬の夏

 またまた東京にやってきた。
 
 まずは、上野「東京文化会館」にて『山田耕筰の遺産 よみがえる舞踊詩』公演(日本楽劇協会主催)を観た。クラシックの演奏と、H・アール・カオスのダンスとのコラボレーションだ。H・アール・カオスの表現する世界にはいつもながら目を瞠るものがある。卓越したダンス・テクニックに裏打ちされた舞台は超一流だ。ただ、H・アール・カオスの単独公演と比べると少々「薄味」な印象はあった。まあ、H・アール・カオスを知らない方々、普段コンテンポラリー・ダンスを観ない方々に、H・アール・カオスのダンスを知らしめる機会にはなったと思うが。

 公演終了後、ディファ有明に急行。総合格闘技「DEEP 15TH IMPACT」を観に行った。今回行われたDEEPウェルター級トーナメント1回戦はなかなか見応えがあった。でも、個人的に一番の注目は、しなしさとこvsシム・ス・ジョンの女子格闘技日韓対決。総合格闘技無敗のしなしに、キックボクシングでは実績のあるシムがどう絡むかが注目された。蓋を開けてみれば、しなしの完勝(1ラウンド一本勝ち)、あっけなく勝負はついた。
 全試合終了後、しなしさとこ祝勝会場へ。楽しいひとときを過ごした。



2004年06月28日(月) 新市村座

 市村正親のワンマン・バラエティーショー「新市村座」の公演を愛知県厚生年金会館に観に行ってきた。音楽講談、マジック、芝居仕立人情噺と、通常の芝居とはひと味違った市村の一面を見た。それはそれで悪くはないのだが、やはり通常の芝居で見られるような緊迫感というようなものはなく、そこが物足りないと言えば物足りないのだ。
 それにしても、市村ファンというのが多数存在しているらしく、市村登場シーンから会場は大いに盛り上がっていた。確かにいい役者だとは思うのだが、会場のノリには最後まで乗り遅れたまんまの私だった。



2004年06月20日(日) 『キューティー・ハニー』&「PRIDE」

 午前中は、新宿の映画館で、佐藤江梨子主演の『キューティー・ハニー』(永井豪・原作)を観た。カンヌやヴェネチアに出品されるような芸術的な作品が好みの私だが、単純に楽しい映画も好きだ。で、『キューティー・ハニー』だが、佐藤江梨子がキューティー・ハニーのキャラクター(明るい色気を感じさせる美少女戦士)に合っていてよかったと思う。まあ、原作者・永井豪のキャラクターづくり、ストーリー展開とネーミングのうまさが何よりも素晴らしいのだが。映画も、原作のエッセンスをうまく抽出していたように思う。

 映画を見終わって新宿駅までの道すがら、たまたま入った楽器店で軽量小型のギター(エレ・アコ)を衝動買い。あっという間に5万円弱が私の財布から消え去った。愛用のギターとは音の質は違うが、持ち運びには便利。ちょっとしたライブにはこれで対応しようと思っている。

 で、思わぬ出費にちょっとした荷物ができてしまったが、PRIDE GP2回戦を観るためにさいたまスーパーアリーナへ向かう。本日の観客動員約4万3千人だそうな。スタンド席の比較的前のほうで観戦。
 会場が最も盛り上がったのが、小川直也の試合の時だった。私は、小川も好きだし、思わず「ハッスル、ハッスル」もやってしまったのだが、一方でそれほど興奮するほどのこともないだろうと醒めた目でも見ていた。
 今日の一番の注目は、ヒョードルvsランデルマンだろう。優勝候補の筆頭・ヒョードルに対し、ミルコをマットに沈めた男・ランデルマン。この勝負のゆくえに1秒たりとも目が離せなかった。王者・ヒョードルの前に敗れ去ったランデルマンだったが、彼が放ったバックドロップは凄まじく、ミルコ戦のKOシーンとともに、記憶に残るシーンとなった。
 興奮醒めやらぬままに東京駅へと急ぎ、新幹線で名古屋に戻った。
 明日からまた日常が始まる・・・。



2004年06月19日(土) 旅から旅

 この1週間、瞬く間に過ぎ去った感じやね。
 宿直あり、職場の旅行あり(下呂温泉)、合間に「詩の夕べ」もあって寺山修司の詩「ロング・グッドバイ」を朗読したりもして・・・。結構身体は疲れているはずなのに、その疲れを引きずりながら俺は再び東京にやってきた。

 で、昼下がり、三軒茶屋「シアタートラム」にて「水と油」パフォーマンス公演(「スケジュール」)を観た。マイムを多く取り入れたパフォーマンスは国内外で高い評価を受けているようだ。非日常的なシーンもあれば、お笑いの要素もあって「Mr.ビーン」を髣髴させるシーンもあった。確かに面白い。ただ、これは好みの問題ではあろうが、「また観てみたい」というほどの気持ちにはなれなかった。何が足りないのか、と考えてみた。たぶん「官能性がほとんどない」「中途半端に無機質」ということではないだろうか。美意識の違いということかな。

 「水と油」を観終わってから新宿に移動、しばらくホテルで休息し、歌舞伎町「ロフト・プラスワン」に出かける。そこで今夜「SM & ストリップ・ショー」を観た。これが結構面白かったんだよね。この種のイベントを低俗だとか言って斥ける考えは、俺にはない。俺は「表現者」の端くれとして常に自問していきたい。オンナのハダカ以上に人々の心揺さぶる表現を俺自身できているのか、と。
 もちろん、オンナのハダカが観られればそれでいい、というわけではない。ショーとしてのクオリティーは問題にしたい。そこには美学がなければならないと、俺は思う。アラーキーが撮る花々の写真のなかにあふれんばかりに映し出されるエロス、それ以上のエロスが漂ってこなければならないのだ、と。過剰なまでの生命力で俺を大いに揺さぶっておくれ、とそんな思いで俺はあらゆる種類の舞台を見続けてきたのだろう。
 何ともエキサイティングな夜だ。血が騒ぐぜ。そして明日、俺はさいたまスーパーアリーナへ、総合格闘技「PRIDE」を観に行くことになっている。



2004年06月12日(土) 全日本プロレス

 最近はすっかり「道楽日記」になってしまった私の「日記」だが、それも「必殺仕事人」ならぬ「必殺遊び人」である私の「日記」なのだから致し方あるまい。これでも定職には就いているんだよ。でなきゃ、遊ぶための資金調達ができないからね。
 でもって、今日もまた「道楽日記」だ。仕事の疲れが出て(いや、遊びの疲れかな?)、今日は一日ウダウダと寝たり起きたり。夕方から、「全日本プロレス」の試合を観に愛知県体育館へと出掛けていった。
 残念なことに今日の試合に武藤敬司(社長兼レスラー)は負傷欠場。だが、今回タイトルがかかった試合も多く、息詰まる攻防が展開され、思いのほか盛り上がっていた。グラン浜田や天龍源一郎といった50代のレスラーたちも若手に混じって闘志を表していた。
 「新日」「全日」「ノア」のビッグ3はさすがに一流の選手を揃えている。だが、大事なのは試合内容だね。それと、プロレスの場合、リングと客席の一体感がどの程度得られたのかという点が大きい。先月観た「新日」はやや一体感に欠けていたように感じられたが、今日の「全日」は観客をしっかり引き込んでいたね。
 今年に入ってからプロレスを観る頻度が非常に多くなってきた。格闘技も多く観るようになった。これも、女子格闘家・しなしさとこさんの影響だね。約1週間後には「PRIDE」(総合格闘技)を観に行く予定だ。



2004年06月11日(金) UA

 今夜、友人とUAのコンサートに行って来た。
 タイ料理屋で夕食を済ませ、開演30分前に会場(愛知県勤労会館・大ホール)に入り、コンサートの始まりを待つ。席は9列目、ステージも近い。
 夜7時開演。バンドの前奏が始まり、舞台下手よりUA登場。30代の、確か1児の母なのに、野性的な少女の顔立ちをしている。UAの醸し出す雰囲気が何ともいい。深い森のなかで聴く鳥のさえずりがイメージされる。繊細だが、力強い感じだね。で、やはりUAの声自体がすごくいい。どんな凡作であっても名曲として聴かせられるだけのパワーを感ずる。いつか私・夏撃波の詩を歌い上げてくれないかな。UAと共演できたら最高だよな。などと、ひとり妄想に耽っていた。
 UAのコンサートは今回初めてだったし、実は曲をそれほど知ってたわけでもないのだが、十分に楽しめた。UAの歌声の素晴らしさはあらためて言うまでもない。今回、ジャズのテイストも感じられた演奏であったが、演奏者ひとりひとりも光っていたように思う。

 コンサート終了後は、友人とはしご酒。音楽談義に花を咲かせた。
 最後に行き着いた酒場(「隠れ家」的な雰囲気)にはギターが置かれていた。言うまでもなく、ギターを手に取り、弾き語り。夜が更けるのも忘れ、夜中の2時まで過ごし、タクシーで帰宅。タクシー代、どえりゃ〜かかってもうた。

(追記)
 ソウル・シンガーのレイ・チャールズが亡くなられたことを、スポーツ紙の表紙で知った。あらためて言うまでもなく、偉大なアーティストだった。彼が盲目であることなど、普段意識することは少ない。彼に関してはその音楽性だけで十分すぎるくらい偉大だったがために、「盲目のソウル・シンガー」などと呼ばれることはほとんどなかったように思う。誠に残念ではあるが、ご冥福をお祈りしたい。



2004年06月10日(木) 夏撃波、中島みゆきを歌う

 今夜は、八事「POPCORN」で開催の朗読会「詩のあるくちびる・サランサラム」に参加。今回、自作詩の朗読はせず、専ら中島みゆきの詞の朗読と演奏に終始した。今回も参加者は少なく、一人ひとりがたっぷりと朗読した。
 帰り際、「POPCORN」のマスターが「こんど、ウチでライブやってよ」などと声をかけてくださり、すっかり上機嫌になって家路についた。
 その余勢を駆って、しなしさとこさん(女子格闘家)をイメージした詩を作る。アッという間に出来上がった。「俺って、もしかして天才か」と錯覚さえ覚えた晩であった。


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