夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2004年04月08日(木) 「イラクの日本人人質事件」に思う

 イラクで3人の日本人民間人が拘束され、「自衛隊の即時撤退に応じなければ殺害する」との脅迫がなされた。「大義なきアメリカのイラク介入」とそれに追随する「自衛隊派遣」がこのような事態を招いたのは明白であるが、そのことについて小泉首相はじめ政権側にいる人間は責任をとろうとしていないようだ。
 「テロに屈しない」「自衛隊の撤退は考えていない」などと強気の発言の一方で、解決の手だては見いだされていないようだ。このままでは、民間人3人(草の根の人道支援をされてきた「日本の誇り」ではないか)を見殺しにするだけではないか。小泉首相や政権側にいる人間には彼らなりの考えはあるのかもしれない。けれども、今回の人質事件では何より人命がかかっている。小泉首相には「自衛隊の即時撤退」という「苦渋の決断」を強く望みたい。自国民の生命と安全を守れずして、「イラクの復興支援」などということはありえないのだと、心してほしいものである。



2004年04月06日(火) プロレスリング・ノア

 今日、仕事はお休み。朝から昼過ぎまで眠ったにもかかわらず、まだだるい感じが残っている。
 それでも、夕方には、名古屋国際会議場イベントホールへと出掛けていった。そこで、三沢光晴率いるプロレス団体「ノア」の興行が行われていた。
 メインやセミ・ファイナルでは、三沢光晴、小橋健太、秋山準といった「ノア」を代表する選手たちが熱戦を展開。全部で7試合あったが、どれも見応えのある試合ばかりであった。第1試合では、故・力道山の次男、百田光雄(55歳)もなかなか熱いファイトを見せていたよ。
 今月は、まだこれから「大阪プロレス」や「闘龍門」も観戦するし、総合格闘技の試合(「DEEP」)も大阪で観る予定にしている。こんな頻度でプロレスや格闘技を観る経験ははじめてだけどね。そういえば、芝居にしたって今年はいつにないハイペースで観ている。ここまできたら、「依存症」的と言ってもいいくらいだ。その分、アルコール摂取量は大幅に減ってるから、う〜ん、やはり「依存症」と言うべきか。でも、たとえ「依存症」であろうと、私はそれを「治療」しようなどとは決して思わないのだ。その「病気」を自分のなかでうまく飼いならしていけばいい、と考えている。まあ、半分開き直りに聞こえなくもないだろうけどね。



2004年04月04日(日) 「雨の柳ヶ瀬」(?)、そして「澱の匂い」

 岐阜在住の詩人・みおよしき氏より誘いを受け、岐阜までギター持参で「花見」に出掛けた。「満開の桜の下で詩を詠もう!」ということだったが、あいにくの雨のため、「花見」の宴は断念。予定を変更して、カラオケボックスでポエトリー・リーディング等を行うことになった。
 参加者5人での宴会で、私はギターかき鳴らしながら歌い、また、「雨の柳ヶ瀬」なる妄想的即興詩を詠んだりもした。「花見」が満足にできなかったのは残念だったが、楽しいひとときを過ごすことができた。

 夕方、名古屋に戻り、「劇団pHー7」稽古場へ。今夜、舞踏劇「澱の匂い」公演に向けての「衣装・メイク合わせ」を含めた「通し稽古」が行われた。期待をはるかに上回る出来で、本番が楽しみになってきた。まあ、好き嫌いははっきり分かれる芝居だと思うが、「アングラ芝居」や「暗黒舞踏」が好きだという方なら(そんなに多くはないかな?)お薦めできる作品だと思う。できるだけ多くの方に観ていただきたいものである。



2004年04月03日(土) 映画『ふくろう』

 年度始め、職場は体制も一部変わり、少しバタついていますね。季節の変わり目ということも相まって、私はちょっと疲れ気味です。
 と言いながら、夕方、名駅・シネマスコーレに映画『ふくろう』を観に行ってきました。「新藤兼人監督(91歳)が、満州引揚者の、その後の入植先になった開拓村を舞台に撮った」とされる映画です。国策に翻弄された母娘が出てきますが、悲惨さを前面に出すことなく、ブラックユーモアたっぷりの「復讐のコメディ」として描かれていました。何より大竹しのぶの存在感に支えられた映画だったと思います。



2004年03月30日(火) 窓の外は雨

 桜が一気に花開き、「早く花見をしなければ散ってしまうじゃないか」と焦っている私である。今日はあいにくの雨で花も少し落ちてしまいそうな・・・。
 仕事のほうは早番だったので、いつもよりは早めに職場を出て一度帰宅。準備をととのえ、朗読会「詩のあるくちびる」会場へ。この朗読会を主催してきた葉月さんが仕事の都合等で参加できなくなり、一度休止されるとの話だったので、今回は特に渾身の朗読を、との意気込みで乗り込んだ。でも、原田さんという方がこの会を引き継いで主催してくださるとのことで、貴重なポエトリー・リーディングの場は残ることとなった。
 今晩の朗読会のトップ・バッターとして、塔和子さんの詩から2篇(『鯛』『力』)と、自作1篇(「夏撃波のテーマ」ともいうべき詩『棘はずっと刺さったまんまだ』)を読んだ。マイクを通しての朗読と、マイクを通さない場合と、もうちょっと表現の仕方を工夫すればよかったかな、などと反省した。
 今晩の朗読会では、他の方の朗読からもいつも以上に熱気が伝わってきたように思った。降りしきる雨の中を出てきて本当によかった。

 ところで、今後の私の予定だが(未定な部分が多いが)、詩の朗読イベントとして、いろいろと計画中である。5月にみおよしきさんと「詩のセッション」を行う予定(正式に決定されたら「記者会見」を開くつもり!?)。その後、7月頃ソロでの朗読ライブ第1弾『花も嵐も踏み越えて』を行い、来年の冬あたりに「ひとり詩劇」(ソロライブ第2弾)を上演したいなどと考えている。
 今年は自分でも予想がつかないような展開を見せそうな、そんな期待を持ちながら、気分のよい春の宵を過ごしている。



2004年03月28日(日) 春はあけぼの?

 昨日のK-1で、曙はまたまた見せ場をつくれないまま負けたね。ボブ・サップもいまいち不完全燃焼みたいだったし(ボブ・サップは今日新日本プロレスのマットにも上がるようだが)。まあ、私はK-1よりもPRIDEのほうが好みだけど。
 さてさて、今日はまず午前中だけ、pHー7稽古場の片付けを手伝いに行った。
 で、その後、昼下がりのひとときは、熱田神宮近くの喫茶店にて開催の詩の朗読会「ぽえ茶」に参加。今日は、ギターかき鳴らして3曲(さだまさし『飛梅』、浅川マキ『朝日楼』、中島みゆき『永久欠番』)歌ったほか、塔和子さんの詩集から選んで詩を朗読したり、自作の「詩」をも含んだ「3月10日の日記」(当HPの)を朗読した。反省点がないわけではないが、満足のいく「朗読」(?)ができたように思った。今回は、友人のYさんも観にきてくれてた。
 「ぽえ茶」終了後、「反省会」及び「日本手酌の会」などと称して2次会に突入。第2ラウンドは楽しかったが、ちょっと笑い疲れたね。皆と別れて、Yさん宅におじゃました。Yさんは私のギター演奏について「想像してた以上に上手かった」と感想を言ってくださり(どんなのを想像してたのかな?)、「ギターで教えてほしいことがあるから、ウチに寄ってって」とのことだったので、しばし寄せていただき、ギターで遊んだ。私のギターなど自己流もいいとこで(「夏撃波流」家元?)教えられる「技術」などもさほどないのだが、「極意」としては「とにかく(技術的にどうであれ)自分で気持いいと思える演奏を」という一点に尽きる。その後、Yさんに車で送っていただいた。

 そうそう、ここでひとつ告知を。現在、塔和子詩選集『いのちの詩』を販売中!
私・夏撃波のところに10冊弱在庫があるので、ぜひご購入いただきたい(1,890円のところを1,800円で販売)。なお、塔和子さんについては、当HPの「1月25日の日記」「1月26日の日記」で紹介しているので、ご参照のほどを。



2004年03月27日(土) pHー7稽古場にて

 宿直明けの今日、夕方まで寝て過ごしてから、自転車でお出掛け。春らしい陽気に包まれ、頬に当たる風が心地よい。
 まずは、今池の上海風マッサージ屋(決して、いかがわしい店ではないので、誤解なきよう)で全身オイルマッサージと足裏マッサージを受ける。足裏マッサージは痛きもちいいよ。足裏のある部位を刺激された時に激痛が走り、思わず声を上げると、マッサージ師いわく「肝臓が疲れているみたいですよ」。「最近酒呑んでないんだけどな」「ストレス疲れかな」などと、ひとり思案。でも、だいぶスッキリした感じ。
 そこからまた自転車走らせて、久しぶりにpHー7稽古場兼「地下劇場」へ。稽古場は、4月公演(舞踏劇『澱の匂い』)のセットがすでに組まれていた(完成というわけではないが)。いつものことながら、客席よりも舞台の面積のほうが広い。舞台上には特設プール(?)も設置されているからね。出演しないとホント気楽だよね(でも、状況が許せば、舞台に復帰したいな〜)。稽古終了後、話をしているうちに、明日午前中に稽古場の片付けを手伝うことになった。



2004年03月25日(木) 『彩花がおしえてくれた幸福』、など

 山下京子さん(神戸連続児童殺傷事件の被害者・山下彩花さんのお母様)の「6年後」の手記『彩花さんがおしえてくれた幸福』を読み終えました。
 事件後6年間の出来事、彩花さんとの思い出やご家族のこと、アメリカの犯罪被害者遺族や阪神大震災遺族との交流、そして少年Aに対する思いや、少年Aの両親に会われた時のこと、などが綴られています。ひとことひとことが重く心に響いてきます。そのなかから一節を紹介します。

  絶望が消えて希望に変わっていくことなど
 ありません。絶望を抱えたまま、地獄の苦悩
 を抱えたままで、それでもなお希望を生み出
 していくことが人間にはできるのです。

 この手記の文章の端々から、娘さんを失った悲しみが伝わってきますが、同時に娘さんやご家族への深い愛情、絶望のどん底にあっても人間への信頼や希望を見いだそうとする力強い意志のようなものが感じられ、深く感動いたしました。

 今、私は土師守さん(神戸連続児童殺傷事件の被害者・土師淳さんのお父様)による手記『淳』を読んでいるところです。事件の受け止め方については山下さんと若干異なるところはありますが、無惨な形で愛する我が子を失った怒りや悲しみという点は共通してると思います。
 そして、山下さんも土師さんも共通して語られていたのが、「犯罪被害者・遺族」に対する「報道被害」のことです。事件直後、ただでさえ傷ついているのにもかかわらず、マスコミの心ない取材攻勢にさらに心を深く傷つけられた、という点です。「人権」「権利」というものに対する意識を一般市民が高めていく必要があるのではないかとも感じています。



2004年03月22日(月) 人権て一体何だい?

 「週刊金曜日」「AERA」等の雑誌で、「オウム前代表三女の大学合格取り消し」との報道があった。

  先月、東京地裁で死刑判決を受けたオウム真
 理教前代表、麻原彰晃こと松本智津夫被告の三
 女が、東京・和光大学人間関係学部の入学試験
 を受け合格した。しかし、先週末の大学教授会
 の結果、教職員の大半も反対し「同大学に迎え
 ることができないという結論になった」という。
(「週刊金曜日(2004年 3月19日号)」より)

 三橋修学長は、入学取り消しの理由について「他の学生たちに平穏な環境を保障したい」などと言ってるようだが、まったく説明になっていない。三橋は『差別論ノート』(読んだことはないけどね)などの著作もある、人権問題の専門家らしいが、あまりにお粗末ではないか。三橋は、入学取り消しについて、次のようなことも言ってるようだ。
 
  彼女の選択肢の一つを奪っただけで、生きる
 権利、学ぶ権利を全部奪ったわけじゃない。

 もう呆れるしかない。そんなこと、「学者」が語る言葉じゃないよね。あまりに思想がなさすぎるよ。『差別論ノート』(何を書いてるか知らないが)なる著作も書かれた御仁が、「差別」以外の何者でもない行為にこれほどまでに無自覚とは。
 試験に合格し、本人に通知も出していたにもかかわらず、入学手続き書類で家族構成を知り、入学取り消しに至った、ということらしい。でも、「松本被告の三女」(「子は親を選べないんだぞ!」)ということが入学取り消しの「正当な理由」になるはずもない。そんなこと、「日本国憲法」を斜め読みすれば十分わかることじゃないか(裁判になったら、大学側は負けるよ)。
 「オウムに対しては何をしてもいい」(「オウム」を「北朝鮮」と言い換えてもいいかも)とでもいうような世俗的な感覚はあまりにヒステリックだし、とても危険だ。そんな危険な空気に対して警鐘を鳴らすのが知識人てもんだろう。
 河野義行さんを少し見習ったらどうだ。あの方は「松本サリン事件」の被害者でありながら、決してヒステリックにならずに、常に冷静な目を持ち続けてきたのだからね。
 「専門家」と呼ばれる人の「知」がこの程度のものだということも認識しておいたほうがよいかもしれない。「一般市民」は自らの頭で考え行動するという鍛錬を日頃からしておいたほうがよい、とあらためて思った。



2004年03月20日(土) 覚王山・やまのて音楽祭

 覚王山もなかなか面白い町です。日泰寺の門前町ということもあってか下町的な雰囲気も醸しながら、一方でおしゃれな山の手の香りを感じさせる町ですよね。
 今日は、その覚王山の至るところで「音楽会」があるというので出掛けてきました。実ははじめから目当てがありまして、と申しますのは、「東山給水塔」で行われるカポエイラ・ヴァジアソンの特別公演を観てみたくて、自宅から自転車を走らせた次第です。
 今日は、最近の暖かさを思えば非常に肌寒い一日でしたが(関東方面では雪が降ったそうな)、カポエイラ・ヴァジアソンによる「演武」(たぶん「演武」とは言わないと思うが)はとても興味深く、寒さを忘れさせてくれるものでした。
 カポエイラは、アフリカからブラジルに連れてこられた黒人奴隷たちが編み出した護身術です。護身術であることを悟られぬよう、ダンスに見せかけて密かに練習したと言われています。楽器や歌に合わせて二人が「闘う」(相手に直接技を当てることはない)その姿は異彩を放っています。のびやかな音楽に合わせ、しなやかな身体の動きを見せるカポエイラからは大らかな雰囲気が感じられ、その陰に黒人奴隷たちの厳しい歴史が隠されているなどとは想像できませんでした。カポエイラ、ちょっとやってみたくなりましたね。
 カポエイラ・ヴァジアソンの特別公演の後、名古屋大学エーデルレーテ・ジャズオーケストラの演奏がありました。決して上手な演奏とは言えませんでしたが、ビッグバンドによるジャズの楽しさは十分に伝わってきました。
 本当は、他の場所での演奏(津軽三味線の演奏もあったようです)も聴いてみたかったのですが、小雨がぱらつき始めたので、本降りになる前に帰ろうと、家路につきました。


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