2005年07月20日(水)  書き殴り感想。

■邂逅の森      著・熊谷達也

秋田のマタギvs大熊in山の神(オーバーソウルしてるのな)
直木賞と山本周五郎賞、受賞作品。
どんだけすごい賞なのか知らないけど、のめり込んで読めた。
これ、イイ。たくさんの人に読んで欲しい。北東北魂が溢れている!!
極寒の中でも、私たち、生きてるんです!
いやぁ、地元帰りたくなったりした…(グスン)


■幸福になるメキシコ   著(?)水木しげる

メキシコの仮面を買いに行く水木氏の珍道中。
すごいアグレッシブで、お年を感じさせない方である。
「ペヨーテ」っつうのは「神の肉」という意味らしい。
カラベラ人形はかわいいが、水木氏の買った仮面はグロッキーだった。
メキシコ、行きたい。


■祈りの回廊   写真・野町和嘉

チベット・メッカ・バチカン・エチオピアの各宗教都市の写真。
チベット鳥葬の写真がすごい!!バラされている少女の写真が…
著者はこっそり隠れて撮ったらしく、物陰から微かに見える程度なんだが。
「人体の不思議展」で見た、筋肉標本のまんま…。
あと、イスラム圏の写真が、幾何学的でキレイだった。
すごい写真集です。弟子入りしたい…!!!


■トルコの昔話   著・児島満子等

イスラムの色が結構濃い。そんでもって、残虐。
40回包丁で殴られるかor40頭の馬に引っ張られるか…。
どっちも死ぬぜ。
とんちの一休さんみたいな「ホジャ」さんと言う方がいて、面白かった。
「一件落着!」という、大岡越前的締めでスッキリサッパリ(なんだそれ)


■バレット・モンク(米映画)

チベット僧がメインなのでドキドキしたが、そうまた仏教仏教してない。
しまいには、アメリカ人に秘伝を口伝する始末。
反アメリカな私はブーイング。
只、ヒロイン役が露マフィアの愛娘という設定はおいしいと思った。


■さらば、我が愛――覇王別姫(香港映画)

レスリー・チャンだよ。京劇だよ!!美麗だよ。
ここ何十年かの中国歴史の濁流が垣間見れた…気がする。
色々歴史的な出来事を知ってから見たら、面白い(母談)
きちんと勉強して、もう一回見たいと思う。


■女王フアナ(西班牙映画)

愛故に狂ったお姫様のお話。
原題は「狂女フアナ」では?ちなみにR-15指定。
それほどでもなかったな。
フェリペ公は濃すぎて好かん(そういう問題ではない)
いつの時代も、女の人は道具なんですなぁ…。
政略結婚する程の家庭じゃなくてよかった。


■コーラス(仏映画)

不良学校の悪ガキ共が音楽と出会い、更生してゆく。
仏版金八先生。
よさこいソーランではなく、合唱で皆、一つになってゆくのだ。
こういう先生と出会っていたら、音楽の授業も楽しかったんだろうな。
合唱なんて苦痛でしかなかったよ、私は!!
孤児の子役がかーわーいーいー!!!
最近、子役にハズレが無い映画ばっかり見てるなぁ…。



以上。
書籍に関しては、そのうち真面目に感想書くかも。


2005年07月12日(火)  「麦撃機の飛ぶ空」 神林長平

■麦撃機の飛ぶ空     著・神林長平

表題作でもある「麦撃」が面白かった。飛行好きな事もあるけれど。
ソドムとゴモラをもじったような、砂漠の中の小さな村同士の戦い。
どちらの村も「麦」しかない村で、飛行機の材料も燃料も麦。
皆の食い物も「麦」。なんでもかんでも麦で形成されている。
お互い生命線である麦畑を叩くのが戦法。

しかし、食料でもある為、そうまた逐一襲撃できるモノでもない。
ちなみに、なぜそこまでいがみ合っているのかは定かではない。
あまりに長い時を経過しすぎて、薄れたんだかなんだか…。
それにしても凄惨な戦争風景ではある。麦畑っていうので一見のどかなんだが。
相手の操縦士を生きて捕まえたら、村中総出で石つぶての刑を執行。
その後はきちんとおいしくいただき、明日の活力に。

そんな中、メインの若者2人が敵の村に乗り込むが、
襲撃成功後、帰投中に不時着してしまう。
飛行機はおシャカ。飛んで村には帰れない。むしろ、敵の村の方が近い。

とにかくなんとかしよう、と言う時、麦燃料が目に入る。
なんで食えるのかが不思議だが、2人はこれを乾かして食べる。
そして、今まで経験した事無いほどの満腹感を得る。
ここらへんが、貧しさを強調していて泣けてくる。
その後、敵捜索機に見つかり、あぁ、どうしよう。って所で終わってしまう。

まぁ、多分、おいしくいただかれるのだろう。

かなりの絶望感を味わえる作品だった。


「敵に食べられる位なら、仲間に食われたい」とか、「やつらは俺らを食用動物にしたいんだ」という台詞から、日常茶飯事で食人行為が為されているのが分かる。
戦闘妖精雪風でも後部座席の人がシチューになっているが、この作品の他、他の短編でもかなりカニバリズム傾向が見られる。

「射生」という作品でもそうだったな。
冒頭のシーンは、主人公がヘルメットの中の肉片をむさぼり食うところ。

この作品は、性的絶頂感を迎えると、脳みそ爆発してしまう星、その星に取材に来た人間――と言っても機械とシンクロできる様改良された人種で、その特技の変わりに生殖機能や性欲の一切合切を失っている――の話。

その星には囚人が送り込まれる様で、つまりは流刑の星。
しかし、何も檻の中で生活するわけではなく、殺し合って生き抜くのだ。
生きるか死ぬかの時に、性的快感求めてられないですな、確かに。
幾つかの集団に分かれ、永遠に続くゲリラ戦を繰り広げる。
配給される少ない食料を巡り、奪い、戦い続ける。ちなみに敵も重要な食料。
その中の一つの集団に主人公は入るのだが、記者扱いはされず、コンピューターを操れる特技をかられ、兵士として戦う。

夢精して死んだ人はシチューにされたり、囚人一掃の為、フェロモンを出す船が来て、それに当てられ全滅したりする。
あほらしいけど、地獄絵巻である。
不感症は幸いである(そういう問題ではない)

ネタバレすると、男性器に見立てた核爆弾が、女性器に見立てた救助船に向け「発射」されてお終い。
主人公はその核爆弾のシステムとシンクロしており、自分を助けに来た船に向けて打つ瞬間(もちろん止めようとしたが無理だった)、絶頂を経験して果てる、と言った内容。
エロ(性)は生きる為に必要なんだなぁと思った(意味不明)

本文に書いていたが、「官能と無縁な美は存在しない」と言った人がいるらしい。
これは、大いに分かった。エロと芸術は切っても切れませんね。
美の女神ヴィーナスの子供はエロス(キューピッド)だものね。
ヴィーナス自体も、愛情=肉欲の化身かねる事も有るしね。
じゃなきゃ、ボッティチェリの名画は、裸でいる必要はない!

服着ろ!服を!!


…カニバリズムからやや(?)脱線しましたな。エロに走った。
なんにせよ、珠玉の短編集でした。
恐るべきは、現在のネットウイルス弊害や、ブロードバンド闘争を暗示させる作品が、20年も前に書かれていたと言う事。
すげぇっす、神林さん。

余談ですが、戦闘妖精・雪風がやっとOVA完結します。
メイヴのプラモを今の内に買っとくべきかな…。
あれ以上のかっこいい飛行機、見た事無い!!
現実でも2次元、3次元でも。
カラーリングが渋いよな~、シルフよりメイヴだな~。


2005年07月09日(土)  映画「Zガンダム映画 ―星を継ぐ者―」

池袋のメトロポリタン映画館で鑑賞。

かなり早い展開で、あんまり付いて行けず、多少消化不良。
と、いうのも、原作を深く鑑賞していないが為。
…ネットやりながらDVD鑑賞とかしてましたので。
それでも、予習していって良かったと思う。
全く知らなかったら、さっぱり面白くなかったと思う。


特筆すべきは、やはり、新たに描き起こした部分の展開かと。

原作の流れを説明するかのような展開。
たとえば、エマさんがシャアについて講釈する点等。
知っている人に言わせると、「なんだよ、そんなこと」というのも、
朧気にしか一年戦争を知らない私には、案外ありがたかった。
初代、見てないのですよ、私…。
だから、シャアのシャアたる由縁もイマイチわからないし、
アムロがどんだけすごいのかもわからない。

ゼータの見所は、ジェリドのヘタレ具合だと信じて疑っていないのだ。
…あと、ハマーン様の雄大華麗さね!

それにしても、今回の編集で、ジェリドとライラの関係が、
カットにつぐカットで、あんまり描かれてなかった事が残念。
あの2人の間には、もっとこう、いろいろ有ったのに…。
「勉強だけできてもお馬鹿な子っているんだよね」とかいうライラの台詞には、
諸手で拍手したいところだが、原作の名台詞も聞きたかったなぁ。
大人の漢になれよ、とか、そういう感じの台詞。残念。

あとは、ヤケに新シャアがいい男で腹立たしい。
あやうくヒストリカの横顔アップに乙女心開花しそうだったぜ。
金髪碧眼の王子様だなんて、おいしすぎるご身分ですぜ…。
ヘルメット越しに光る、鋭い瞳にズキュンときました。
あれ?こういうタイプ、好みじゃないのになぁ。
やっぱり、赤い彗星だけありますね(意味不明)

でも、百式はキライですが!!
金ぴか成金ガンダム、と心の中で呼んでいる私。
しかし、新たなMS戦闘シーンは、生唾モノのなめらかさで、
メカアニメ好きにはたまりませんねぇ。
Mk-Ⅱvsリックディアス(カミーユ父搭乗)と、
Mk-Ⅱvsガリバルディ(ライラ搭乗)の2つのシーン。
背中に悪寒が走りました。素敵すぎて!!
すげぇなめらかかつ、入り組んだ動作しています。
スローかけて舐めるように見たい!!
Mk-Ⅱがやっぱり一番格好いい!!。
Zは顔がガンダムぽくないのであんまり好かん。

あと、ヒットした台詞は、父ちゃんとの会話で、
「母さんは鳥籠のようなカプセルのなかで小鳥のように死んでいったんだ!!」
というカミーユに対しまして、後手、父の返答。
父「ヒルダは小鳥なんかじゃない!!!」とか言ってた。

う わ ~ 、 富 野 節 で す か 、 こ れ が ?

ところどころ、おもしろい台詞もあるし、もう一回みたい。
レコアさんのお尻をまさぐるシャアとかな…。
DVDとかでじーっくり鑑賞したいです。

新描き起こしのロザミィは、本当にキレイでした。
目力があって、ドキドキしました。
まさに、獲物を狙う女豹。
これがどう「カミーユお兄ちゃん」になるのか期待。
そんでもって、早くハマーン様が拝みたい。
なめらか動画でキュベレイを見たい。
…ハマーン様が幸せならば、それでイイです、はい。


あと、まぁ、今回の最後は、シャアとアムロが再開して、
「シャア!!」「アムロ!!!」とか、お互い後光が射していた。
…ときめきメモリアル?伝説の木の下で出会った2人って感じ(殴)
カミーユ、さっぱり置いてゆかれている。
あぁ、これじゃぁ、最期、シロッコに持ってかれるよ。
だれも構ってくれないんだもんね…子供は無視されたらたまらないのだよね。



毎度の事ですが、さっぱり映画説明にはなってません。
そしてこれまたいつものことですが、面白かったです。はい。


2005年06月27日(月)  「無限の住人」18巻 沙村広明

表紙は凛。

なんか、良い意味で、絵がデフォルメされてきてやしまいか?
気のせいか?…手元に全巻無いから比べられないけど。

偽一が「ギーさん」と呼ばれていて、どうなのそれ、と思った。
でも、百琳姐さんといい雰囲気なのでうれしい。
夫婦になっちまえ、このやろう。
でも、「畜生胎」と姐さんはぽつりと言いますが…。
重いなぁ…きついよなぁ…。
自分の身に置き換えるのはバカバカしい行為だが、私は嫌だぁ。
堕胎に賛成。

「本来女が この世ですべき仕事は 
           産んで   増やす事だ」

…そうなんだけどさぁ、ギーさん…。
百琳姐の気持ちもちょっと…考えてよ…。
いくら女の幸せ捨ててるからっていってもさぁ…。
どうすんだろうな。この2人って。


統主が久しぶりに出てきて、やっぱり格好良かった。
圧倒的強さを見せつけているわけですが、瞳阿もミーハーやなぁ。
そんな所が可愛いと思います、好きです、瞳阿。
ていうか、蝦夷ッコだから依怙贔屓ですかね。
あぁ、実際そういう点も有りますがね。
属性がアイヌってだけでもう、高得点。
これを贔屓と言わずして何と言おう!!

瞳阿より弱い、とキチンと認める凛にも得点あげておこう。
百叩きとか、そういう所で力を発揮するんだよ、君は。
その、強情さというか、芯の強さが、凛の強さなんですよ。
剣技なんぞ、上手くならんでいいのよ。うん。
火薬は危ないから、注意してね。

怖畔は、かけ声に一票。
何?「ロイハー」って。
どこの人何だか知りたい。
だんだん多民族国家になって行く逸刀流ですが、温かく見守りたいです。

夷作はあんなとこで死ぬとは思わなかった…。
これにはびびった。


今気付いたのですが、主役の卍は一コマもでてないのでは?
大丈夫かよ、主人公!!!!(いや、主人公は凛なのか?)


余談。
巻末の大江戸桃色横町はちょっと考えてからニヤリとした。
最初なんだかわからなかった。
私は粋ではないようだ。
江戸っ子じゃないからなぁ。


2005年06月16日(木)  「チェ・ゲバラ―革命を生きる」

■チェ・ゲバラ―革命を生きる
著・ジャン・コルミエ, 太田 昌国, 松永 りえ


後輩から借りて読んだ。
世界史好きだけど、近代は全然知識無い事を痛感した。
さっぱり舞台背景が解らない。
ゲバラ=キューバという概念はあったものの、何した人かは知らなかった。
そもそも、キューバはなんで革命起きたのかも知らなかった。
帝国主義のアメリカからの独立が、キューバ革命だった…のか?
しかも、ゲバラはキューバ人ではなかったのだよ。アルゼンチン人だよ。

そして、やっぱりアメリカはキライだなぁと思った。
横暴だよなぁ、やり方が。
自分の好き勝手にならんとダダこねて戦争しちゃう。イラク戦争又然り。
お子様の様な立ち振る舞いである。
そんな駄々っ子アメリカとソ連の狭間でもみくちゃにされたのがキューバ危機。
当のキューバってば、全然関知してないそうだから痛い。
なんか、我が国もそんな感じだよねぇ。
イラク襲撃前に小泉氏には一報こなかったらしいし…。

しかしまぁ、ゲバラの格好いい事。
これはTシャツの柄になるよ。
言ってる事も格好いい。
演説やら、手記やら、さすが幼少期に本の虫だっただけある。
下手な小説より泣けるよ…。

「Hasta la,Victoria siempre!」
(勝利に向かって、常に!)

カストロに向けた手紙の結びであるが、これもまた、泣ける。
「この世界の他の地で、私のささやかな努力が求められている。
 キューバの指導者としての責任があるために君には許されないことが、
 私には出来る。別れの時が来たのだ。」

キューバを捨てて、何が何でも「革命」を追い求めるチェ・ゲバラ。
そして最期、ボリビアにて死す。齢39才。
生き延びていれば、今の世界変わっているかなぁ。


学生運動とか、安保闘争とか、世界同時革命とか、騒ぎたかったな。
そういう熱い時代に生まれたかった。
今の社会は冷め切ってる様に感じますぜ。
ゲバラとか、三島由紀夫とかが存命だった世代に憧れるなぁ。
生まれてくる時代、間違ったよ、私。




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