Leonna's Anahori Journal
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2004年01月12日(月) |
ボローニャの中田英寿 |
昨日の朝起きたら、尋常ではなくノドが痛かった。今日になって、それに関節の痛みと鼻づまり、頭のボーっとする感じが加わった。これは風邪だな。久々にホンモノの風邪をひいてしまったようだ。きっと熱が出る。
(でも風邪らしい風邪をひくのはとても久しぶりなので、休養できるかもと思うと、ちょっとうれしいのです)
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さて。“うれしい”といえば、この話題。 いやー、よかったなぁ、中田のボローニャデビュー戦。ひさしぶりに中田らしい中田を堪能しました。
みましたか、みなさん。後半32分、中田が右サイドから上げたあのクロスボール。ターレがあわせる以前に、あのタイミング、あの軌跡に思わず息を呑んだ、美しいクロスボールを。
トラップ、ドリブル、ボディバランス、集中力に判断力。全てが中田らしくて、みていて胸がスッとしました。ねっ、やっぱり中田はパルマを出て良かったんです。移籍して正解だったんですよ。
しかも。ボローニャというチーム、あらためてみてみれば、ナントけっこうな美男城ではありませんか。こいつは春から縁起がいいですよ。フォルツァ、ナカータ!バンザイ、ボローニャ!
(毎週欠かさず、みっちり応援しよう)
びえ〜、寒いっちゃ〜〜〜(木枯らしゴゥゴゥ)
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明日は会社のテニス部の練習日なんだけれど、休もうかと思う。 寝ても寝ても疲れがとれないし、そのうえこんな寒い日にテニスなんかやって、腰痛が出たりしたらたまらないからだ。腰痛以外にも筋をのばす、アキレス腱を切るなど、酷寒のもとのテニスには危険な落とし穴がいっぱいだ。
先日、ボローニャの試合を欠場したナカータだって、前半こそベンチのはしに座って観戦していたが、後半はチームドクターの命令で外での観戦を止められてしまった。腰痛には冷えがなにより大敵だからだ。ナカータのような鍛え上げられた選手でさえそうなのだ。私のような、非力な、虚弱な、ビギナーなチマリスがこんな寒空にテニスなんかやった日には、ギクッときてパタッとなること必至だわ。 実は私、先月も仕事が忙しいのを理由に練習に出ていない。そのとき冗談まじりに「二ヶ月続けて休んだら退部(クビ)」という話もあったのだが、これについては部長のサワさんと裏で接触して「あの処分、1969年以前に生まれた部員については除外してください」と強くお願いしておいた。
それに。もしクビになったって、へーきへーき。だって、また入部すればいいんだもん!
よって明日の練習はお休みしマス。半ばムキになってコートに集うみなさんは、念入りな準備運動を忘れないでください。 -- セリエA第15節、ローマ×ミラン。シェフチェンコの2得点でミランが順当勝ち。
どーだどーだどーだどーだ、見たかロマニスタよ。あれがごく普通のときのシェフチェンコの、掛値なしの実力つーもんだに。
ところで。ミランの勝ちは当たり前としても、驚いたのはセードルフだよ。切った。ついに切っちゃった、あのトレードマークだったロングヘア。そしたら、あら不思議!セードルフがモハメド・カロンになっちゃった。
でも、よかったね。移籍前ならインテル内にカロンがふたりになっちゃうところでした。(次のミラノダービーはちょっとややこしいかも)
会社でお昼を食べるとき、いつもテレビ朝日の大和田獏が司会をしている番組をみながら食べる。今日はその番組に、中学生の時に家出して以来42年間たったひとりでほら穴生活をしてきた(!)という男の人が出てきた。
なんでも親兄弟による虐待に耐えかねて、学生鞄に干し芋と塩と醤油をぎっしりと詰め、茨城県の家を徒歩で出たのが42年前だったそうだ。徒歩で群馬県まで行き、廃坑となった足尾銅山の洞窟(旧坑道)にたどりつく。
元住人の案内で以前彼が住んでいた洞窟をさがして山へ入ったテレビクルー。やっと探しあてた“住居跡”の中を見回して、どこに寝ていたのですかと訊いたら、少し奥まった岩壁沿いの小石のゴロゴロしたところを指して「そこです」。さらに、ここで眠れましたかとたずねると「ええ、よぉく眠れました」。この洞窟のなかでは、夜、火を焚いているとよく地ネズミが出てきて「これが一番美味しかった」とのことだった。
ただただびっくりしながら見ていた私たちが思わず胸を詰まらせたのが、愛犬シロの話だ。家を出て二日目に可愛がっていた飼い犬のシロが追いかけてきた。家にいるときからとてもよく彼になついていたのだという。それでシロも一緒の道行きとなった。
足尾の廃坑では「シロが野うさぎを捕ってきてくれたのでそれを食べた」、「ケガをしたときはシロが舐めて治してくれた」という。シロが(たまたま)捕まえてきたのでそれを食べた、という言い方ではないことに注意してほしい。また、ただ舐めてくれただけではなく“治してくれた”という言い方にも尋常でないものを感じる。実際彼は「シロがお母さんだった」とさえ言っているのだ。
だからシロが死んだときが「一番悲しかった」。それから足尾を出て、福島や新潟へも行った。富士の樹海に入って死のうと思ったこともあるけれど出来なかった、そうだ。
その彼が今回テレビで数奇な人生を語ることになったのは、自動販売機を壊してこじ開けようとしているところを見つかり、両手が後ろへまわったから。ところが、捕まえて事情聴取してみたところがこの“来歴”だ。聴取した人も、さぞやびっくりしたことだろう。
この男性は現在身元を預かってくれるひとの保護のもと左官の仕事についており、いまは「とても幸せ」だそうだ。ちなみに番組スタッフが実の兄とおぼしき人を探し出して“家出した弟”についてきいてみたところ、「知らない、覚えていない」という返事だったそうだ。(ま、家を出た当人の方で棄てた家族なんだからかまわないってば、かまわないんだろうけど。つまり帰らなくて正解だったってことだよね)
この男の人は(顔の中央部分はぼかしてあったけれど)、なかなか色つやもよく、健康そうだった。過去40年以上、ほとんど自然天然のものばかりを摂取し続け、体内にケミカルな毒素がたまっていないからだろうか。 それにしても、世の中にはいろいろな人がいるものだ、想像もつかないような生き方があるものだ。苦労だとか悲哀というものを飛び越して、件の男性は人生の“勝ち組”なんじゃないかと、ふとそんなことを思ってもみたチマリスだった。 -- 深夜。
ボローニャ×エンポリ。中田のボローニャ移籍後初の試合。コクーンに録画をまかせて寝るつもりだったのだが、心配になってスカパーを点けてみる。昼頃みたネットのニュースで腰痛で出場できないかもと報じていたからだ。
TVを点けてみると…、やはりスタメン出場はしていないようだ。マッツォーネ監督の隣で小学生みたいな顔してちょこんと座っている。ガッカリ。
(でも、ああいう中田の顔は久しぶりにみたな。移籍したことでこれまでの緊張感から、かなり解放されたんだろう。今後の活躍に期待)
忘れていた初夢の内容を、唐突に思い出した。
それが誰の家なのかはわからないのだけれど、歳取った女の人の家の中にひとりでいる夢。家は平屋で、比較的新しくて、大通りに面した玄関の側に住居ではない、お店のような部分がある(ただし、がらんどうでほとんど何も置いていない)。
無人の家の真ん中を貫く廊下に立って、意外にせまいなと思っていると、廊下に面して並んでいる襖に気がついて、おや他にも部屋があるのだろうかと思って開けてみると6畳くらいの和室に年代物の和箪笥。その抽き出しのひとつがあけたままになっていて、和服の柄がのぞいている。
空き巣に入られたという感じではなく、少し前までここに家の主(あるじ)がいて、いま急な用事でちょっと立って行った、という感じだ。部屋の真ん中に真四角の紫檀の座卓。掃き出し窓の外は、低い庭木の植わった小さな庭になっているらしい。箪笥と着物の柄の感じから主の人柄がしのばれて、私はなんだかうれしいようなホッとしたような気分になっているという、そういう夢だった。 これは明らかに、年末に中里恒子の短編「家の中」(戦後短編小説再発見16のうちの1篇)を読んだことの影響だろう。 家の主は、小説家の中里恒子であるようでもあり、また亡くなった母、また九州にいる叔母(父の二番目の妹)のようでもあった。
玄関から表へ出てみると、大通りから家の側面に沿って直角に入る小路があった。曲がってみると幅1.5メートルくらいの細い坂道がずっと先まで下っている。きれいな石の路で、2メートル行くと20センチ下るというような緩やかな階段になっていた。その坂道の終わりは川のほとりの自動車道路で路肩に常緑樹が植えられて、その緑のあいだから流れる水の青い色がのぞいている。
夢を見ている私はなぜだかそこが東京都内であることを知っていて、坂の上に立ち、下の景色を見下ろしながら「この道があるだけでもこの家に住む価値がある。これからは毎日この道を散歩しよう」、などと思っていた。
2004年01月03日(土) |
年末格闘技ベストスリー |
大晦日に行われた格闘技(K−1、プライド、猪木祭り)のうち、個人的ベストスリーを選出。
◎ 第一位 ジョシュ・バーネット×セーム・シュルト
二人とも強い。でもって、二人とも感情がない。普通あれだけ攻められれば、ちょっとは顔にでるだろう、苦しいとかつらいとか。ところが、それが全然ないんだな二人とも。あーなるともう動物だね(笑)。しかも二人とも滅法つよい。勝ったバーネット。普段プロレスやってるって本当なのか。かけひき・ストーリー・ショーアップ命のプロレスラーがリアルファイトでこれだけ強いって、にわかには信じられない。しかも口きけば「ゼッコーチョーデスカァ〜」。これじゃ猪木も相好崩すわけだ。サイコーだな、バーネット。Kー1へ行けばいいのに。 ◎ 第二位 吉田秀彦×ホイス・グレーシー
一見地味と言えば地味な試合ですが。吉田の試合なので二位。判定で引き分けながら、明らかに攻めていたのはホイス。でもね。私に言わせりゃ、胴着を脱いできた時点で負けですよ、ホイスの。でね、胴着まで捨てて挑みながらなんで攻めきれなかったんですかね、吉田を。よく耐えた。さすがに打たれ強いや秀彦。あなたは負けてなんかいなーい。 ◎ 第三位 桜庭和志×ノゲイラ(弟)
すわノゲイラ、強い相手だと思ったら弟の方だそうで。ところが、この弟もまた強かったんです。おかげで面白い試合になりました。桜庭、判定で負けてしまったけれど、私はこの試合、楽しみましたよ。だって立ち技のSAKU、打撃のSAKUを堪能できたんですから。それに、たとえばミルコだったらこういうこと、絶対出来ないし、やらないでしょう。自分の土俵をおりて相手の領域に飛び込んででも見(魅)せる桜庭ってやっぱり希有の存在だと思う。あとでスポナビのインタビューを読んだら、打撃戦は作戦かときかれて「作戦というより、殴られたら腹が立って殴り返さなきゃ気が済まない」って答えてた(笑)。それ、画面からも伝わってきてました。
◎ 次 点 中邑真輔×アレクセイ・イグナショフ
中邑真輔はすでにIWGPのベルト保持者だそうだ。ならばプロレスやめてリアルへくればいいのに。アマレス出身だそうだけどこの人は強い。このままプロレスラーではもったいない気というがする。
きのう。
天皇杯、セレッソ大阪×ジュビロ磐田を観に行く。
お天気が心配だったが、雨も降らなかったし、去年より温かくて観戦は楽だった。しかも今年はメインスタンド側(屋根あり部分)で、観客席の傾斜も緩やか。思ったよりピッチにも近くて観やすい席だった。試合は0−1で磐田の勝ち。得点者はグラウ。
グラウは、敵のゴールネットに近づけば近づくほど落ち着いているようにみえた。ペナルティエリアの中は“自分のエリア”、このなかへ入ったらこっちのものだと思っているのだろう。セリエでもプレミアでも、点のとれるストライカーはみんな同じだ。ゴール前は自分の場所、だから落ち着いている。あわてたりしない。
代表初ゴールが待たれる大久保は、あまりにも簡単に倒れすぎるのが気になる。マークが厳しいのはわかるけれども、もう少しボディバランスが良ければなぁと思う。南米へ行く前の高原もよく倒れたが、ボカで揉まれるうちに倒れなくなった。多分、倒れるひまを惜しんで蹴り込まなければレギュラーの地位を確保できなかったからなのだろう。
よく大久保はボディバランスが良いという意見をきくけれど、どうなんだろう。「重心が低くて負けず嫌いでときおり一瞬の輝きを見せる」というのとボディバランスが良いというのは、別のことなのではないだろうか。トラップや切り返しがあまりうまくないのも気になるし。
観ていると、大久保がボールを持つと会場が沸くんだけど、それが必ずしも熱い期待の表現とばかり言い切れないところが辛かった。大久保のハッスル(ときにラフ)プレーが面白くて笑ってる=沸いてるひとが多いのだ。実際私も「大久保ってオモシロイなー!」と思ったのだけれど(笑)。でもこれってあんまり良いことではないような気がするな。 試合そのものは去年よりもエキサイティングで面白かった。 グラウの千両役者ぶりはさすが。本当にチャーミングなひとだ。楽しませてもらいました。
-- きょう。
横浜の父の家へお年始。 妹一家も来て、にぎやかに。
ねえ、初夢みた?と訊くと「覚えてなーい」「みたけど忘れちゃった」「なんだったっけ」等々、誰も覚えていない様子。
かくいう私も夢をみたかどうかさえ覚えていない。新年早々忘れられないようなコワい夢なんていうのよりはましだと思う。でもなんだか少しさびしい気分。
かねてから噂になっていた中田英寿のボローニャ移籍が正式に決定したようです。ついさっきNHKのニュースで報じていました。中田は2日からボローニャの練習に合流するそうな(って、それ明日からじゃないか!)
個人的に、中田には早く移籍して欲しいと思い続けてきた私。まずはヨカッタヨカッタと。
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あ。 申し遅れました。 みなさま、明けましておめでとうございます!
私の今年の目標は一に引っ越し、二に更新です。 あと、三が節約で、四が貯金ね(なんか、いきなり世知辛い)。
こんなワタシでよかったら、今年もよろしくお願いしまリス。
2003年12月31日(水) |
今年印象に残ったこと |
昨日作ったおせちをタッパに詰めて、横浜の父の家へ届ける。
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父は昨日、母のお墓へ行ったそうだ。年内最後の墓所のお掃除。
それで、いつも通り、お経のハンドブック(屏風状に折り畳まれた小さなもの)を開いて般若心経をあげていたら、三歳くらいの男の子がそばにきてその様子をじっとをみている。そしてしばらくすると、突然自分の父親のところへ駆けて行って「あのひと、声出してご本読んでる」と報告したのだそうだ。か、かわいい〜(笑) --
今年おきたこと(印象に残っていること)。
まず私生活では就職したこと。結局またフルタイムの会社員に戻ってしまった。 自分のこと以外ではなんと言っても、イラクに対する軍事攻撃(私はいまだに“イラク戦争”という言い方に抵抗がある)。 この一年は、以前紹介した村上春樹の「人間はみんな核は病気だと思う」という言葉の意味をあらためて咀嚼し直し、しつこく噛みしめた続けた一年だった。
あとは項目ごとに。 読 書 : 開高健『輝ける闇』。あと、アーヴィング(初めて読んだ)。
映 画 : アルモドバル『トーク・トゥ・ハー』
音 楽 : セルジュ・デラート・トリオ『ルッキン・アップ』。
ライヴ : 矢野顕子『さとがえるコンサート』
イベント: wire03(起ったまま眠ってた)
サッカー: ACミラン
テニス : ロジャー・フェデラー
会社の仕事もきのうでやっと終わり、今日は家で掃除とお料理。
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再放送で観たのだが、一体何なのだろうか、木村拓哉がパイロットをやったあのドラマは。いっくら顔がキムタクだって、あんなパイロットあたしは絶対に嫌じゃ〜。だいたいどうして客室に来て「スミマセン」なんて頭さげたりするのだ。おかしいよ、そんなの。あり得ない。あのドラマで許せるのは唯一竹中直人(ジェーン)だけ。
…え? 多くの人がよろこんで観た大ヒットドラマをそんなにけなすな? ラジャー! ( ↑遅れてきたマイブーム) -- 先日の“超激論バトル 朝まで日本サッカー応援宣言”。ほんっとに面白かった。あの長時間にわたる番組(3時間超?)をわが家ではもう二回も再生して観ている(はははは)。
セル爺の「ジーコは鹿島のときとまったく同じ。自分は総監督で監督は他にいると思ってるんじゃないの?」には大笑い(本当は笑い事じゃないんだけど)。 しかし最高だったのはやっぱり釜本サンだ。つっこまれても、(本来苦手な)守りの位置に立たされても、結局最後は自分が話の中心にいて仕切っている。最初は強引なだけと思われた意見が最後には結構な説得力を帯びてくる。さすがは日本最強の俺様ストライカー。彼なしにあの番組は成り立たなかった。
そこでチマリス、今年最後の“命名”を。今後、釜本邦茂氏を“太陽王”と呼ぶことといたします。はい、決定〜。 -- 注文したダイニングチェアーは一昨日届いた。 いや〜、楽、楽〜〜〜。ストレスフリー。食事がすんだあともずーっとこの椅子に座ったままであれやこれやしている。もっとはやくこうすれば良かったんだよねぇ。
連ちゃんで忘年会。夜、クルミ嬢と銀座で。
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連れて行かれた居酒屋がまたしても全席個室。しかも内装、水のつかい方など、昨日の居酒屋ととてもよく似ている。クルミ嬢にそう話すと、同じ系列だからと教えられた。ふーん。しかし、店の一部分だけでなく全部をチャージなしの個室にしてしまうことを考えついたここの経営者はなかなかの切れ者なんじゃないのか。いまの若い人たちにはこういうの、うけるに決まっている。
という訳で、たった二人でも個室なのである。例によって長い長い廊下を通り、ほの暗い部屋へと案内される。廊下からの出入り口には黒い簾。「なんか、いやらしくっていいっすねー」とクルミ嬢。こうなると連想することはひとつだ。横座りになって右手の指先をそろえて反らす。反らせた手の、甲の側を口元にあてて変な目つきで互いを見やる彼女と私。源氏物語(の、つもり)。
ああ、子供の頃、大人はもっと立派なことを考えているものだと思っていた。自分もそういう落ち着きのある立派な大人になれるものだと信じていた。それなのに…
(しかしまたガキンチョの時分には、年末に忙しい時間の合間を縫ってでも飲んで喋って一年分の憂さを晴らしたいという“オトナのきもち”などこれっぽっちも知らなかったわけで。それなりに成長したわけですよ私だって)
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クルミ嬢は冷酒をいただくというので、断酒中の私は熱燗でいくことにした(同系列だけに、ここにもカンパリはなかった)。熱燗なら量は飲めない。少しずつ注いで、舐めるようにゆっくりといただけばいいのだ。そのうちに熱燗がぬる燗になって、燗冷ましになるころにはお開きになるだろう。
ところで、メニューを開いてみて気づいたのだが、近頃は外で日本酒といえば冷酒、なのだろうか。冷やで飲む酒については日本各地の酒の名前がずらりとならんでいるのに、燗をつけてもらおうと思うと“熱燗”としか書かれておらず、他に選択肢はない。“熱燗”て。そもそもこれ酒の名前ですらないではないか。(さびしいのね) 結局私たちは、四時間以上も個室にこもって飲み且つ食べ、語らった。今年はじめに初めて会った私たちなのに、もう二年も三年もまえから年末にはこうして一緒に飲んでいるような気がする。 クルミ嬢が今年を総括するにあたり「ま、私にとっては松尾スズキに翻弄され続けた一年でしたね」と一言で言い切ったのが、大変わかりやすく、印象的だった。 食べ物のなかでは汲み上げ湯葉というのが、特に美味しかった。(また食べたい)
-- 本日、待ち合わせ場所は有楽町三省堂。そこで購入した本。
「蛇を踏む」 川上弘美(文春文庫) 「定義集」 アラン(岩波文庫)
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