Leonna's Anahori Journal
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夜。テニスのクラスの忘年会。
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会場のT田沼の居酒屋は全室個室で純和風。抑えた照明に木(黒塗り)と石と水、という世界だった。最近の居酒屋事情、知らないうちにこんなことになっていたのか。長い長い廊下を折れたり曲がったり階段を下りたりしながら部屋へ案内される。何やら妙にラグジュアリーな世界。
集まったのはコーチも含めて二十名ほど。私は断酒中の身であるのでビールは乾杯時の一口だけ。あとはカンパリソーダのレモン抜きを、と思ったら、置いていないと言うので、しかたなくグレープフルーツジュースを何杯も何杯も飲みながら焼き鳥だの、アスパラベーコン巻だのをつまむ。
私はこういうとき割と簡単にテンションを上げられるたちなので、別にお酒が入らなければ興が乗らないということもない。周りは適度にお酒が入って垣根を下げているし、こちらも少々ネジを緩めてにこにこへらへらしていればいいのだ。
最近は焼酎がブームだそうで、高級品は一杯二千円もするのがあるとか。そういうブランド焼酎の名前をたくさん教えてもらったり(聞くそばから忘れてしまったが)、どこへ行ったらそういうものが呑めるのかを教えてもらったりしながらヘェーを連発、ひとりトリビア状態になっていた。
なかにひとり、トレゼゲコーチ(メインのコーチ。ダビド・トレゼゲにクリソツ)という格闘技ファンがいたので、吉田秀彦がいかに強いか(これは私の主張)、桜庭の動きがいかに速いか(主にコーチが主張)などについて意見を交わす。コーチは明日も仕事だというので、面白がってどんどんどんどん注いでいたら、そのうち暑くなってきたと言ってジャージの上着を脱いだ。すると中から現れたのが、以前、猪木ボンバイエを観に行ったときに買ったという“SAKU”Tシャツ。わー、なにこのひとー(笑) 三時間に及ぶ一次会のあと、カラオケへ行くというひとたちと別れて電車に乗る。宴の〆に飲んだ一杯の赤ワインが非常に旨かった。これくらいでちょうど良い。
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購入本。
「戦争の記憶 日本人とドイツ人」 イアン・ブルマ(ちくま学芸文庫) 「戦後短編小説再発見16「私」という迷宮」(講談社文芸文庫) 「土」 長塚節(中公文庫) この頃になって、まだ生きている人間の書いた本なんぞ読む気がしないという人(こういうこと言うひと、いますよね)の気持ちが少しだけ、わかるような気がしてきた。横浜からF橋へ戻り、忘年会までのはざまの時間に購入。
全国的にエンペラーズバースデイ、天皇誕生日でした。 他にも今日は水森亜土、宮部みゆき、山崎まさよし、矢田亜希子といったひとたちの誕生日でもあります。
また、まったくの無名人ではありますが、不肖この私めの誕生日でもありました。
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それで、恒例のお墓参りに出かけたわけです。去年と同じく、妹と姪が同行。
ふたりにクリスマスプレゼントを渡したり、一緒にお墓を掃除してお花とミニクリスマスツリーとバームクーヘン(亡母の好物)をそなえたりして、半日楽しく、にぎやかに過ごしました。
妹と姪からは、誕生祝いに、お湯で割って飲む「ホッとなお酒」というのをもらいました。焼きリンゴ風味・ハチミツ入りと、レモネード風味・ハチミツ入りというのを、きれいにラッピングして一本ずつ。
ふーん、これは気がきいているなぁ。今はこういう便利で美味しいものがあるのですねー。「断酒中の私にピッタリよ。いただきます!」と言ったら、妹も笑いながら「風邪のひき始めなんかにいいのよ。疲れがたまっているときも。寝る前にドーゾ!」だって。できた妹もって、あたしゃシャーワセ(笑)
午前中。仕事。(ブヒブヒ)
昼から。某社の創立35周年パーティ。ブッフェでローストビーフ。(ハフハフ)
夕方。横浜の父の家。(ドヨ〜ン) --
購入本。帰りに横浜で。
「夜の果てへの旅」上・下 セリーヌ(中公文庫) 「掌の小説」 川端康成(新潮文庫) 「雪国」 川端康成(新潮文庫)
あーもー疲れた。こうなったらもう私は旅に出ますよ。夜の果てへの旅です。 今年の初めくらいに書店から姿を消したセリーヌの代表作。ああ、またしても絶版か、内容的にも批判が多かったのかしらねーなどと思っていたら。改訳版が出ていました。ハイ、即購入。
年末ですね。 あんまり忙しいので逆上気味に詩など書いてみました。
-- 東京湾に沿って走る電車の窓から眺める
波ひとつない 冷たい海と、水色の空
水に打たれた杭は、今朝満潮に頭まで浸っている
水に打たれた杭の人生とはどんなものか?
水に打たれた杭には 人生も 気持ちも無い
でも、それはやはり ゆっくりと 分解していくものだろうか ゆっくりと なし崩しに、ほどけていくものだろうか
会いたいなあ 会いたいなあ
お母さん 今年ももうすぐ終わりです
お母さん
お元気ですか
フセインが捕まったのはたしかに大きなニュースだろう。 でも、それでどうなるってもんでもないだろう。
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以前、まだアメリカがイラクを攻撃していた時分、(たしかマンスール地区のレストランにフセインがいるという情報があってバンカーバスターで爆撃したけど誤爆だったとき)、TVでテリー伊藤という人が
「アメリカはフセインに生きて出てこられたら困るんじゃないの?」
と言ったんだ。それで、私はこのひとはワカッテルと思い、以来その発言には注意していたのだった。でも、それもいまは何だかずいぶん昔のことのように思える。
フセインが生きて出てきたからって、それがいまの混乱した中東情勢にどんなプラス要素(もしくはマイナス要素)になるだろうか。
いや、マイナス要素にはなるかもね。ブッシュの支持率があがったりなんかして。そりゃたしかに世界にとってのマイナス要素だわ。
…いやいや、どうもこうやって考え始めると、次々とマイナス要素が浮かんできたりいたしますね(鬱鬱)
だからって、無いものが在るものになったり、あったことがなかったことになる訳でもないですが…(以下延々と、内省モードに入る)
2003年12月14日(日) |
矢野顕子「さとがえるコンサート」 |
はじめての、生ヤノアキコ。 恒例「さとがえるコンサート」の最終日をNHKホールで。 その感想をひとことで表すならば…
ヤバイよ。
矢野顕子、マジヤバイ。 --
夫の坂本龍一は、決して矢野顕子の前ではピアノを弾かない、なぜなら彼女の方が上手なのを承知しているから、とかなんとか。その手の話はいろいろと聞かされてはいたのだが。たしかにスゴイわ。矢野顕子とピアノの関係というのは、弾く、弾かれるという関係(つまり楽器と人間の関係)を超えてしまっているように見えた。
矢野顕子という人は、うれしさや優しさ、幸福といったものと同じかそれ以上に、つらさ苦しさ悲しさといったものをよーく知っている人なんじゃないだろうか。さらにしっかりとした道徳観念も持ち合わせている。
そして、にもかかわらず、この矢野顕子という人には音楽的タブーというものがいっさい存在しないのだ。そこで、初めてライヴを観た私のような人間は「こういう人を野放しにしておいて良いのだろうか?」(言葉の限り褒めてます)などという感想を抱くことになる。
なかでも圧巻だったのは「ナイト・トレイン・ホーン」という夜行列車が“主人公”の曲。こんなのありなのか。初めて聴いたよ。 今回は「ピヤノアキコ」発売後ということもあり、ピアノ一台だけのステージだったけれど、とにかく堪能した。楽しかった。泣いた。
矢野顕子の魅力はCDでは半分くらいしか伝わらないのではないだろうか。誰しも、生きてる間に一度は生ヤノアキコを聴いた方が良いのではないだろうかな。そんな気持ちにさせられたコンサートだった。
-- さて、帰るとすぐに、こんどはトヨタカップです(ああ忙しい)
しかし、あまり気分の良い試合ではなかったですね。面白くなかった。試合もだけれど、中継する局の態度が気に入らない。 だってこのまえ、あれほどサッカー中継に鈴木健アナつかわないでくれと言ったのに…。コスタクルタ37歳、37歳って、何回言ったら気がすむのよぅ。ムカ〜
とにかく、テレビ局がでっちあげたスター軍団vs無名チーム(しかもビンボー)という図式がとっても嫌。だから結果的にテレビ局の思惑を裏切るような結果(PK戦でミランが負けた)になったのは、むしろいい気味だとさえ思われ。
しかしピルロがいきなりPK外したのにはビックリー。あの瞬間に私の中ではミランの負けが決定的になったのだった。
(あ、そうそう。明石家さんまが「ガットゥーゾは普段ああいうことする選手じゃない」と言っていたけれど。やってますよ、あのオットセイヘディングは最近のガットゥーゾのお気に入りなんです。ガットゥーゾだって日々進化しているんです)
んもー、残業ばっかしよー。 -- 市原のベテランDF中西永輔が戦力外通告を受けた。
それだけでも市原サポーターからはブーイングの嵐だというのに、このたび市原幹部がクラブのお金でキャバクラ通いをしていたというスキャンダルが発覚した。
これは大騒ぎ必至だね。経費削減を理由に中西のクビを切っておきながら、公金使ってキャバクラ遊びとは何事であるかと。サポーターは当然、怒り心頭だろう。
でね、このスキャンダル、私は会社の帰りに駅のスタンドに並べられたスポーツ紙の大見出しで知ったのだけれど。あれもちょっとどうかと思ったわよ。
だって中西の名前が大きく書かれた横に特大文字で「キャバクラ」。さらにそのそばには永輔の顔写真(大きめ)がドーンと載ってるの。あれじゃまるで永輔がキャバクラ通いしていたみたいじゃない。
ひど過ぎる。あれじゃ永輔が、二重三重の意味でかわいそうだ。
2003年12月05日(金) |
石破長官と二人の美女 |
夜。
ワールドビジネスサテライトというニュース番組を観る。小谷真生子がキャスターをつとめる番組。 ゲストに石破防衛庁長官とアジア経済研究所の酒井啓子女史を呼んで、自衛隊のイラク派兵について詳しく聞いてみましょうという趣向であった。
-- 席順は向かって左から、小谷・石破・酒井。 まず、イラクの治安について訊かれた石破が「危険ということでいうならば、どこにだって危険はあるわけです。現に今日も日本の○×県で女子高校生が…」と言いかけて、いきなり小谷から釘を刺される。「いえ、そういうことをお聞きしているのではありません。それはまったく別のお話ですよね」と、きっぱり。
やや半身になって石破の方を向き、上目遣い。押し殺した低音で、静かに、しかし確実に石破に迫る小谷。ええですなー。ゴー!、真生子、ゴー!(笑)。
石破防衛庁長官にしても、それから福田官房長官にしても、あまりにも自国民を馬鹿にしているのではないか。イラクの現状(危険地域)について訊ねられて「危険ならば何処にでもあるでしょう」とは一体どーゆー答えであるか。さらに小泉首相に至っては「そんなこと私が知るわけないでしょう!」だからねー。 首相が逆切れしてどうするんだって。それに、同じこと言うのだって、もう少し言葉を選んだらどうなんだ。
-- このあとも丁々発止のやりとりが続いたのだが、もうひとりの美女、酒井啓子女史が発言するに至って、いよいよ石破氏の旗色は悪くなった。
アメリカのイラクに対する“貢献”について話そうとする長官に対し酒井女史の言った言葉は「軍隊による力づくの鎮圧がイラクの治安悪化に拍車をかけている」というもの。また「現在、イラクで米国がしていることは、たとえていうなら、ガス栓が開いたままの状態で消火活動をしているようなもの。まず元栓をきちんと閉めるのが先決で、それが行われるまでは危険な状態は続く」とも。
酒井女史はアラブ地域に関するオーソリティであるから、長官も滅多な反論はできない。酒井女史の言葉は丁寧で、高圧的なところはみじんもないが、豊富な知識と毅然とした態度で瞬時に切り返されてしまうだろう。 なんとか自衛隊のイラク派遣について説得力のある話をしたい石破長官であったが、二人の美女の間で、その目は悲しげに宙を泳ぐばかりであった。
で、その長官が最終的に言った言葉が「現在(派遣予定地域である)サマワの首長とよく話し合って、地元の意向や自衛隊の安全確保の問題を検討しているところである。この件に関してはさらに酒井さんのような専門家の人々の知恵もお借りしてやっていきたい」というものだった。
だったら初めからそう言えばいいじゃないか、と思ったけれど。 しかし長官の口から、ほかではあまり聞かれなかったこのような言葉が聞かれたのも、もしかしたら真生子・茂・啓子という席順と人選の妙によるものかもしれない。(この番組のプロデューサーけっこうヤル、かも)
911はNYでテロがおきた日のことだが、もうひとつ、917という数字を、私の頭は、はっきりと記憶している。
今年の9月17日は、ブッシュ大統領が、「サダム・フセインが9・11に関与したという証拠は何もない」と、記者団に表明した日だ。 ※関連記事 それじゃあ、なんのためのイラク攻撃だったのか。 なんのためにヨソの国をあんなにまでして破壊し、占領したのか。
-- 大江健三郎が、フランスのリベラシオン氏に寄稿したそうだ。 タイトルは、『私は怒っている』。 私だって怒っている。もうずいぶんと長いこと、怒っている。 あまりにも「最初から決まっていた」ことが多すぎるのと違うか。
この週末のサッカー。
J1の優勝決定戦(マリノス×ジュビロ)も良かったけれど、それ以上に面白かったのがプレミアリーグ、チェルシー×マンU。
チェルシーのきびしい守備と、それをなんとかかいくぐって得点しようとするマンU。ディフェンスが“無い”とさえいわれるイングランドサッカーで、そう来たか、チェルシー。なかなかやるじゃないか。
しかもプレミア特有のスピード感はそのまんまで、ダイナミックに攻守が切り替わる。観ていて何度も口から胃だの心臓だのが飛び出しそうになった。 さらに後半の、あのライアン・ギグスの優美としか言いようのないドリブル突破。まるで夢をみているみたいだった…。文句無しに今週末のベストマッチ。
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そして、その次に面白かったのが件のマリノス×ジュビロ。これが第二位。
で、僅差の三位が天皇杯1回戦、ザスパ草津×市立船橋高校。0−1で市船がJFLのザスパに勝った試合。これが三位だ。
イタリアダービー(ユヴェントス×インテル)は思ったほど面白くなかった。このまえのミラノダービーもつまんなかったしね。こういう大一番に限って、なぜかハズレるときは大きく外れるもののようだ。
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ところで、11月23日に行われたセリエA第十節は全ての試合の開始前に、選手、観客を含めた会場全員による黙祷が行われた。 これは去る11月12日にイラク南部ナシリアのイラク軍警察でおきた自爆テロの犠牲者に捧げられたもの。この自爆テロではイタリア人19人と、イラク人9人が亡くなっている。
黙祷を捧げるピッポやガットゥーゾの顔を見ながら、サッカーを観ていても、こんなにはっきりと国際紛争の影を感じるようになったのかと複雑な気持ちでいたのがちょうど一週間前。そして、とうとう今度はティクリートへ向かう道の途中で、邦人外交官二人が襲撃されて命を落とすという事件が起きてしまった。
-- 最初に掛け違えたボタンは、最後まで掛け違うものだ。放っておいたら、いつの間にか、勝手に正しく掛け直っていたなどということは、決して起こりはしない。
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