Leonna's Anahori Journal
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2003年03月03日(月) 今週は仕事ナシ

今日は一日、OAスクールでトレーニングを受けていた。

明日は買い物。
あさっては映画。
その次と次の日(木、金)は東北へ出かける。

遠来の友と現地集合して、温泉に入ったあと、
牛肉をしこたま食べることになっているのだ。

で、来週の月曜から、また仕事。

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しかし家にいると、ただそれだけで散らかるのはなぜ?
掃除機かけたり、むしろ片付けてるつもりなのに、不思議だ。
つくづく家事には向いていないことを再度自覚。



2003年03月02日(日) 中年は美容液をめざす

去年の十一月頃、“美容液10本分を閉じ込めました”という強烈な宣伝文句に惹かれてファンデーションをパウダリーからクリームタイプに変えたことがあった。

その広告は、以前献血についていったとき、待っている間に開いた『女性自身』に載っていたものだ。さすがに寒くなってからはほっぺの辺りがカサつくことがある。これ使って“サビないひと”になれるならと、思い切って変えてみたのだった。

ところがこのファンデーション、軟らかいせいか減りが早い。一ヶ月くらいで使い切って年末には詰替用を買って入れ替えた。そしてそのことを妹に話したところ、「お姉ちゃん一日中家にいるのに、そんなにみっちり塗りこんでどうするの」。

たしかに。去年の十二月は私はまだ仕事をしておらず、専業チマリスだった。なのに、どうして。家でフルメイクしてゴロゴロしてた?いやいや、まさか。ニヤニヤしてる妹には「蒸発かな?」と答えといたけども。なんかすごーく恥ずかしかった。

ちなみにこの減りの早いファンデはいまも使っている(もう三回くらい詰め替えた)。

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ところで。去年あたりから話題になっている美容液、オバジC。
オバジ、て。なんという名前をつけるんだと思っていたら、開発者の博士の名前がオバジ(Dr.Obagi)というのだそうだ。はーん。

しかし、美容液の名前としては大正解なんじゃないだろうか、オバジ。
ギクッとさせて引きつけるという…絶妙の訴求力。
(まさかこの先生、これ売るために改名とかしてないだろうね?)
 
  
…というわけで、買ってみたんですよ、オバジC5を。
しかし、ま、何と申しましょうか。コスメとは縁遠いと思っていた私でさえもが、オバジ。
手遅れなんて言わないで、なにかいいことないか子猫チャン。
かくして、“中年は美容液を目指す”。
 



2003年03月01日(土) 六月の勝利の歌

寒いし、雨だし。

横浜の父の家へ行って豚汁を作ってきた。
TVをつけたらゼロックススーパーカップの後半二十分くらいだったので、お、と思って観ていたら2−0でリードしていた磐田が、さらに1点追加して、京都を突き放して勝ってしまった。グラウさんのいけずぅ。

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夕方。家に帰ったらおととい注文したDVD『六月の勝利の歌を忘れない』二巻組みBOXセットが届いていた。Amazonで15%オフになっていたから買ったのだ。
岩井俊二が編集した『日本代表、真実の三十日間のドキュメント』。

夕飯の後、ロシア戦終了(二巻目の最初)まで観た。
面白いよーこれ。ほんと面白い。フィルム回してるカメラマンが秋田選手に「モモコって言ってみてください」、とかさ(笑)
あとはサミアコーチによる形態模写ね。明神と小笠原の。これは笑うよ!

しかし、あのひとたちにサッカー以外のことを要求してはいけない、それは気の毒だという気はした。だって、凄いんだもん。トレーニングとか。冗談言い合ったりしながら、肉体はとんでもないことをバンバンこなしてるの。あれじゃあ体脂肪率、ヒトケタになる訳だ…

そうやって、爆笑したりやたら感心したりしながら、いま刻々と運命の6月18日に近づいていってるところ。トルコ戦のことを思うといまだに緊張してしまうんだ、私。もう8ヶ月以上たってるのにね。

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ところで、電車の中に貼ってあるECCの広告。宮本と秋田モモコの出てるやつ。あれのニューバージョン、今日みた。
やっぱり秋田は笑わない方がいいってことがはっきりと証明されたね(笑)
というより、本人も前回のを客観的にみて反省したんだろうけど(実写版バカボンのパパ)。

 


2003年02月28日(金) 八重洲地下街の喫茶店

仕事のあと、いま一緒に仕事をしているクルミちゃん(仮名)と八重洲地下街にある喫茶店へ。

クルミちゃんはイラストレーターの卵で、漫画と英物ロックの好きな妙齢の女性だ。小洒落たカフェもいいけれど、昔ながらの喫茶店をみると入ってみたくなるというので、東京駅、八重洲地下街の私の好きなオヤジ喫茶へお誘いしたところ「そこ、行きましょう!」ということになった。

ところで、最初彼女に東京駅八重洲地下街、と話したら、目を輝かせながら「東京駅。あそこは宇宙とつながってるらしいですよ」と言われたのにはマイッタ。返す言葉がみつからなかった。(どうも、いとうせいこうか誰かがTVで言ってたらしいのだけど)

それでも気を取り直して「たしかにね。使われてない地下ホームがあったりするらしいから」と応戦。実際いつ行っても必ず工事やってるし、確かにどうなってるかワカラナイという気はするわな。うん。

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アロマという名の喫茶店で、私たちは二時間以上も話しこんでしまった。
私が「来週『アカルイミライ』を観に行く」と言ったら、クルミちゃん、「まえ新宿駅に貼ってあった浅野忠信のばかでかいポスター、盗んできて部屋に貼ってあるんですよ。すごいデカイですよ。壁一面ポスターですもん」とおっしゃる。
どうやらウォン・カーウァイがタケオキクチの広告を手がけたときのものらしい。

あきれたな。しかし、これってルイトモ、なのか?
「そういう犯罪行為にだけは誘わないでね。魔がさして参加しちゃったりするとあとで面倒だから」と、一応お願いしておいた。

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アロマは、広いし落ち着くしコーヒーも美味しい。ハムトーストなんか、美味しいばかりではなく、食べきれないくらいの量が出てくる。そして長居をしてもいやな顔をされない。いいよねこういう店は。なごめるわぁ。

それはそれとして。次は来月、新宿の『談話室 滝沢』を一緒に探訪することになっているってのはどういうことだ。(オヤジ喫茶探訪、シリーズ化か)
 


2003年02月26日(水) チャーリーさんの店

きのう。
夜、池袋で知り合いのバンドのライヴ。

仕事のあといったん渋谷へ出て時間を潰す。アフタヌーンティでゆっくりお茶を飲みながら読書。ここで『タイムクエイク』を読み終わって、ブックカバーを『猫だましい』にかけかえた。刻んだフルーツの上にアイスクリームと温かいワッフルののったお菓子が美味しかった。(このデザートの名前、何度食べても覚えられない)

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渋谷はいまさら言うのもはばかられるくらい変わってしまった。なつかしい場所、なつかしい店を訪ねて寂しい思いをすることもしょっちゅうだが、今日はそんな渋谷で「生き残り組」をみつけてうれしかった。

公園通りを上りきったあたりを左折してすぐの中華料理店、チャーリーハウス。以前よりレストラン風(まえはラーメン屋さんぽかった)になっていたけど看板の文字はそのまま。ここはもう二昔も以前、私が渋谷でアルバイトをしていた頃よくお昼を食べにきた場所。その当時は長身痩躯のハンサムなチャーリー三兄弟がカウンターの向こうで黙々とトンミン(中華ソバ)を作っていて、それを眺めながらよくご飯を食べたものだった。

きのう覗いてみたときには、カウンターの中には三兄弟ではなくて若夫婦みたいな二人がいて、お母さんみたいな女の人が料理を運んでいたけれど。経営が変わったわけではなくチャーリー一族の中での異動だと、パッと見た瞬間に思った(多分当たってる)。
甘いものを食べたばかりだったので入らずにきたけれど、次はぜひ、久しぶりにチャーリートンミンを食べてみたいと思う。

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チャーリーハウスのあと、ビームスモダンリビングへ。ここにもハンス・J・ウェグナーの椅子がある。きれいなファブリックを使ったウェグナーをためつすがめつ、合間にスリスリとさすってみたりしてから、ぶらぶら渋谷駅へ下って池袋へ移動した。

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Modsxのライヴ、とても楽しかった。このバンド、キーボードのオキくんがキーマンだ。私はさっそくファンになってしまいましたよ。来月も池袋でライヴがあります。興味のある方はリンク頁からWeb Modsxへ飛んで、チェックしてみてね。
 
 


2003年02月25日(火) トリノファン大暴れ

セリエA第22節。

トリノ×ミラン戦でトリノファンが防護用ガラスを破壊するなどして大暴れ。警官隊が駆けつけるもおさまらず、結局試合は後半18分で中断、そのまま終了となってしまった。

トリノはこの日ミランに前半だけで3失点。しかもトリノは前回の対決(昨年10月、第5節)でもミランに6−0で大敗を喫している。こういう経緯もあり、熱烈なトリノサポーター(ウルトラス)の鬱積した不満がとうとう爆発してしまった。「俺たちはカルチョを観に来てるんだ!SMショーを観に来てるんじゃねーぞ、コンニャロー!」てか。

後半が始まってからは、ずっと場内騒然。TVカメラはピッチ上のゲームを映しているけれど、解説者の声のうしろには観客席の野次やどよめき、防護壁を破壊するガンガン、バンバンという音、警察犬のワンワンという声が絶えず聞こえていた。

そして、ついにタン、ターン!という銃声らしき音。思わず「ホンカンさん(バカボンに出てくるお巡りさん)来てるのか?!」と色めきたったが、これがどうも警官隊の撃った催涙弾だったらしく、ミランGKのジーダが目を押さえながらベンチへ駆け込んで来る。この時点で試合は続行不可能と判断され、試合終了。試合結果はそのまま0−3(ピッポ、セードルフ、セードルフ)でミランということになった。

なおトリノはこの騒ぎのペナルティとして3〜4試合のホームスタジアム使用禁止を命じられると見られている。報道では、暴動を起こしたトリノサポーター3人が逮捕されたそうだ。

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今週はあとインテル×ピアチェンツァを観たのだが。こちらも順当にインテルが勝った。5分間で3点入れてたよ、インテル(バティ、ヴィエリ、ヴィエリ)。

ヴィエリはゴール数争いで一頭地抜け出した。バティはやっと出た、移籍後初ゴール。めでたいめでたい。これで優勝できたらもっとめでたいんだが、次節は天王山イタリアダービー。こういうときのユヴェントスはしぶといぞ。

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久々にいってみましょうか。

 今日の言われてみれば: レドンドは(凄く良い選手だけど)レフェリー顔
  
   




2003年02月23日(日) ブッシュの悪夢

「ブッシュがうなされるアシカの悪夢」ってのを考えました。
こんなん、どうでしょう?

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激務の疲れを癒すべく警護の人間(SS)を伴って酒を飲みに出かけたブッシュ大統領。いい気分で一杯引っかけてると近くに金髪のい〜いオンナがいる。ほろ酔い気分で「そこの彼女ぉ、」と声をかけた。すると「呼んだぁ?」と振り向いた金髪美女の顔が、アシカ。
 
  
要するに“のっぺらぼう”のアシカバージョン。もちろんこのあとは、SSもバーテンダーも他の客の顔もぜーんぶアシカになっているのだ。

こういう夢を、ぜひ見せてさしあげたい。



2003年02月21日(金) カルチョ、てんこ盛り

セリエA第21節の結果から。

キエーボ×インテル、2−1でキエーボ!インテルキラーといえばやっぱりキエーボなのだなあ。
チマリス、このキエーボのインテルに対する強さの秘密は、心がけにありとみた。まずキエーボの会長が大のインテリスタときている。それから監督のデルネッリさんも。でもってこれまでも二人揃って「インテルのようなチームと対戦できるのは大変光栄であり喜ばしいこと」なーんてことを言っている。今節の試合の前にはGKのルパテッリが「ヴィエリやバティストゥータのような選手と対戦できること自体が大きな悦びなんだ」と発言。精神面でのこういう謙虚さ、若々しさが良い結果を生んでいるのではないだろうか。(それとも一種のほめ殺しパワーなのか?)
なお、前節二試合の出場停止を言い渡されたバティストゥータ、裁定がくつがえりこの試合にスタメン出場。しかし一発レッドを食らったオカンに対するジャッジは覆らず、私は結局このオカン退場がインテルの敗北の原因につながったと思う。インテルは脇が大事なの、脇が。

パルマ×ユヴェントスは1−2でユヴェントス。こちらはキラーがキラーぶりを発揮できずに、パルマ、ホームで惜敗。
ナカータはずっと「こんなはずはない、このままでは終われない」と思い続けながら試合終了のホイッスルを聞いたのではないだろうか。しかもユーヴェの得点のうち1点はもとパルマFWのディバイオによるもの。悔しいよ、これは。
ディバイオは移籍してからすっかり顔つきが変わった。パルマ時代の“俺様”ぶりがプレーからも顔つきからも消えてしまった。デルピエロやトレゼゲ、ネドヴェドたちと一緒にプレーするってのはこういうことなんですね。

ミラン×ラツィオは2−2のドロー。この試合、とうとう途切れ途切れにしか観ることが出来なかったんだけれど、白熱した、凄く面白い試合だった(ようです)。
まずラツィオが前半に2点先取して、勝ったも同然の押せ押せムードに。ところが後半、ガットゥーゾに代わって入ったピッポ・インザギが大活躍。1ゴール、1アシストで同点に。コンディション、最高に良さそうでしたよピッポ!それにピッポに限らず後半の攻めをみたら、よくまあドローで済んだなと。とにかくもの凄い波状攻撃かましてました、ミラン。
結局2−2の引き分けではあったけれど、アンチェロッティ監督は選手達の健闘をほめたたたえたそうです。かたやラツィオにしてみれば“負けたも同然”の気分だったでしょうね。2点を先取しながら追いつかれたんですから。

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首位争い以外の試合も。

レッジーナ×コモ、4−1でレッジーナ。この試合は観ていないのですが。結果だけ見てもあきらかなのは、レッジーナ“大敗のあとは大爆発”の法則。三歩進んで二歩下がる作戦で降格圏脱出に挑戦中。

ローマ×ブレシア、0−0、スコアレスドロー。この試合も未見。
ですが、きくところによるとこの試合にはブレシアから今季ローマへ移籍して、連敗に怒ったローマファンにいきなりクルマを壊され、その後出場機会もほとんどないまま、冬の移籍シーズンにひっそりとまたブレシアへ戻っていったグアルディオラがスタメン出場したとか。(通称:壊され損のグアルディオラ)
あーあ。ここでローマに目にもの見せてやらなくて、どうするんだい、え、アンタ! ま、私がカッカしてもしようがないんですが(笑)

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欧州チャンピオンズリーグ、二次リーグの結果から。
イタリア勢はロコモティフ・モスクワに順当勝ちしたミラン以外は、みんな負けちゃったそうです。

特にバルセロナに3−0で負けたインテル。散々だったらしい。やっぱりエムレがいないとな…。
しかも、なんと。機能しないチームにブチ切れちゃったのか、レコバ君がバルセロナDFプジョルの顔面を踏んづけて今後CL三試合出場停止処分になったそうだ(んが〜!)

ユヴェントスは主力選手がみんなインフルエンザで倒れまして、マンUに2−1で負けてしまいました。リッピ監督は渋面で「イタリアには“泣く子と地頭とインフルエンザには勝てない”って有名なことわざがある」とコメントしたとか(冗談だよ)。

ローマ。バレンシアに0−1で負けちゃったローマ。しかもホームで負けちゃったローマ。もうコメントできない、私。
  
   


2003年02月19日(水) NO WAR

イラク攻撃準備のため湾岸地域にあるアメリカ海軍が、訓練されたアシカを使っているというニュースを聞いた。海中からの攻撃に備えてパトロールさせているのだという。

最初は真に受けていなかった。ナンチャッテニュースだと思っていたのだ。
ところがこの話、どうやら本当であるばかりか、アシカに加えてイルカも使ってるらしいのだ。

この世界はいったい何時から、ヴォネガットの小説世界を模倣し始めたのだろうか。こんなときキルゴア・トラウト氏(ヴォネガットの長篇に度々登場する小説家)だったら、必ずやこう叫ぶに違いない。
 
 
 チリンガ・リーン! このクソッタレ!
 
 
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先日から読んでいるヴォネガット、『タイムクエイク』のなかでキルゴア・トラウト氏はキッパリと、こう断言している。曰く、

「人生はクソの山だ」。

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フランスの女優、ジャンヌ・モローもごく最近のインタヴューで、日本の若い小説家相手にこう語っている。

「この世界はクソだらけなのよ、OK?」

そして、そのあとでこう続けた。

「誰もがうんざりしているわ。だから私は女優として、そこにさらにクソをつけくわえるような仕事をするつもりはないの」。
 
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再び『タイムクエイク』に戻る。ヴォネガット曰く。

十九世紀アメリカの作家マーク・トウェインは、娘が急死した直後のエッセイにこう書いた。「私は成人してからこのかた、解放された友人たちが復活することを一度たりとも願った事がない」。解放とは即ち死ぬこと。そして、急死した愛娘の復活をも望まなかったという。

七十代になったトウェインは、自分自身にも、ほかのあらゆる人間にとっても、人生はストレスの多すぎるものだと感じていたのだ。そして、そのことについてヴォネガットはこう書いている。

「トウェインは生きて第一次世界大戦を見ることがなかったのに、当時からそう感じていたのだ」

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このトウェインの話を読んで、私の頭の中に電球が点った。ハハーン。

ところかわって、こちらはニッポン。
地下鉄サリン事件、911(NYテロ)はもちろん、二十一世紀の世界を見ることなく1970年に自らこの世とおさらばした作家、三島由紀夫。その三島が死の少しまえに遺した有名な言葉に

「無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残るのであろう」

というのがある。これは彼が、戦後民主主義とそこから生ずる偽善について説いた言葉だそうだが、これって要するに

「とうとう日本も、じきクソの山になっちゃうらしいぞ。オレにはわかる、もう臭いはじめてるから」

…ってことだったんだね。
からっぽで、抜け目がない。たしかに。イラクと戦争したがってる乱暴者に対して、わがニッポン国の大将のとった行動、言った言葉を思い出してみれば、こりゃ正鵠を得ているとしか言いようがない。

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世界中で、かつてない規模で巻き起こった反戦行動。皮肉なことだが、これは911ニューヨークテロの生々しい記憶と結びついてのことだろう。
特権階級にない、つまり何か事が起こったら逃げ場を持たない善良な市民は、同じ立場にあって不幸にもNYで(またバリ島で)命を落とした多くの犠牲者の声なき声をこう聞く。

「こんなこと、人間が人間に対して行って良いはずがない!」

しかし、ある少数の邪悪な耳を持った人間は、続けてこういう声を聞くらしいのだ。

「…だから、あいつらにもこの苦しみを味わわせてやってくれ。打ちのめせ!」

持ってる耳も邪悪だが、特権に守られながら何とかして戦争に持ち込もうと画策する姿はさらに滑稽でたとえようもなく醜悪である。

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だから。私が、吹けば飛ぶようなこのHPのプロフィールに

 モットー: 面白くもなき世の中を面白く

などと書くのは、かっこつけでも、語呂合わせでもなんでもない。私だって、けっしてキレイでも正しくもない世の中でせめて機嫌良く最後まで遊び続けたいと思っているのだ。

でもな。もし本当に(ほんっとーに)イラクから正しい情報を得る手段が戦争しかないのだとしたら、私たちの人生はクソにも劣る、クソ以下のものになってしまう。
そうしたらもう、どんなに楽しい(寿命が尽きるまでの)暇つぶしを考えついたところでおっつかないではないか?

 
 
 
 
 チリンガ・リーン! チリンガ・リーン!


  
   


2003年02月18日(火) 母なるヴォネガット

金子光晴の自伝三部作を読み終えて、昨日からヴォネガットの『タイムクエイク』を読んでいる。

著者による前書き(ヘミングウェイをネタにしている)が最高におかしくて笑ってしまうのだが、私はこういうとき必ず、ヴォネガットが村上春樹に及ぼした影響の大きさを思ってしまう。母なる夜、母なるヴォネガット(父なると書くべきか)。

どこがどんなふうにと上手く説明出来ないのだけれど、村上春樹はこういうヴォネガットを読んで大いに励まされ、背中を押されながら初期の作品を書いたんじゃないだろうか。

このプロローグの部分は本当に傑作だしとても短いので、本屋に行ったついでに立ち読みなんかしてみると面白いと思います。
  
   


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